ライト級統一、3階級同時制覇者を目指す/ワシル・ロマチェンコ・アームストロング

昨日のロマチェンコVSキャンベルの試合はキャンベルの健闘が光ったけれども、やはりロマチェンコの奥の深さ、尋常ではない適応力、難攻不落さ、完成度の高さも浮き彫りになった。以下はプロモーターのボブ・アラムの話だが、なぜ彼が、ロマチェンコVS井上尚弥と言ったのかがわかる、今後のロマチェンコの野望の一端を知る内容なので紹介します。

ボブ・アラムだけの野望かもしれませんが・・・

ボブ・アラムは、ワシル・ロマチェンコが真の世界チャンピオンであることを示すため、世界中で戦って欲しいと言う。

8月31日、ロンドンでロマチェンコはユナニマスでルーク・キャンベルを下した。アラムは次の試合も米国外になると示唆した。

ロマチェンコは現在、世界ライト級王座を3本保持している。次の目標は12月に行われる、IBFライト級王座、リチャード・コミーVSテオフィモ・ロペスの勝者との戦いだ。それが実現するまでロマチェンコは別の試合をするかもしれない。

ボブ・アラム
「ウクライナではなく彼を観たいファンが世界中にいます。私の心の師匠、モハメド・アリはボクシングで世界的なスーパースターになるためには世界中で戦わなければならないと教えてくれました。自分の国やアメリカだけで戦っていてはスーパースターにはなれません。

私とロマの目標は世界中で戦うことです。そこに大きな市場があるからです。

アリと、ロンドン、ドイツ、日本、フィリピン、スイス、世界中で戦いました。それが世界王者のあるべき姿です。ロマは今そのような物語のページにいるのです。」

イギリスにキャンベル以外にロマチェンコに対抗できる選手がいないとしても、再びイギリスで戦うことをアラムは否定しない。

ボブ・アラム
「イギリスでロマチェンコはとても人気があり、ファンは洗練されているので、ここに戻ってくる可能性もあります。別に相手はイギリス人でなくてもいいのかもしれません。」

ロマチェンコの将来はアラムではなく、主に父親のアナトリーの方針によって決められる。アナトリーによればロマチェンコが階級を上げる予定はなく、次戦はライト級か、さらに階級を下げて戦うことが検討されているという。

ボブ・アラム
「このチームには一人の天才がいる。それがロマの父親、アナトリーです。彼はこの場にいないし何も言わないが、今まで出会った中で最も賢い人物です。ボクシングを、息子をよく理解し、ベストな試合とは何かを理解しています。

ワシル・ロマチェンコはヘンリー・アームストロングがやったように、3階級で同時に戦う男です。それがロマの夢です。」

昔のレジェンドを振り返ると、景気がいい時、悪い時、色々あったのだろうが、結構有名な王者が世界各地で試合をしている。スリラーインマニラ、キンシャサの奇跡、タイソンの日本など・・・これが本当の意味で世界的なスポーツの指標なのだ。ニューヨークやラスベガスばかりでやっていれば一流なのではない。

ロマチェンコの鍵を握るのは父親のアナトリー・ロマチェンコ。彼が息子の身体を考慮しながら進路を決めている。そして小さく体重も軽いロマチェンコはライト級を上限にそれより上にはいかない。むしろ下げるようだ。

同時に、ゲルボンタ・デービスがライト級に進出するというニュースがあった。
テビン・ファーマーとの統一戦が流れた以上他に相手がいない。究極の相手は帝王のロマチェンコだ。年齢、タイミングを伺いながらメイウェザープロモーションがそろそろ勝負に出てくるか。

その他の話題では、ライト級にはテビン・ヘイニーやテオフィモ・ロペスがいるが、彼らと交わっていくのか、それともオスカー・バルデスやレオ・サンタクルスが参戦してきたとはいえ、デービス抜きではちょっと物足りないスーパーフェザー級、そしてエマニュエル・ナバレッテやいつかやってくるかもしれない井上尚弥まで視野に入れたフェザー級・・・

アナトリーやボブ・アラムはそこまでみているのかもしれない。
それがあってのあの発言だったのか。

ワシル・ロマチェンコVS井上尚弥

というのは今は考えられないし、アナトリー・ロマチェンコがそうであるように、井上真吾という天才も頭脳明晰だから段階を踏んでいくとおもわれるが、言うだけならタダ、夢のある話です。

ボブ・アラム88歳、最後の究極の相棒がワシル・ロマチェンコであり、彼とともにボクシング人生の集大成にしようとしているのではないだろうか。しきりにモハメド・アリと比較、その名前を出す理由も・・・

ヘンリー・アームストロング

アメリカ合衆国出身の男性元プロボクサー。ミシシッピ州コロンバス出身。元世界フェザー級、ライト級、ウェルター級王者。

身長わずか166cmの身体でありながら、「スポーツマン心臓」と呼ばれる驚異的なスタミナと強打でフェザー級、ライト級、ウェルター級の三冠を手にした、史上唯一の三階級同時制覇者。ウェルター級王座は同級史上最多の19度防衛を達成している。当時のボクシングの階級が8つしかなく、王座も分裂前の統一王座だったことを考えれば、その偉業の価値は計り知れない。

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コメント一覧
  1. 夢のある話でいいんじゃないでしょうか。それくらいの事をやらないとボクシングはメジャースポーツにはなれないし、過去には異次元マッチも多かったし、言うだけならタダだし。お金さえ動けば。もうアラムは夢のある仕事を全うしようとしか考えてないとおもいますけどね。88歳だもん。

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  2. なぜそこまで決めつけるのか
    結局、アラムと同じで決めつけて発言してるのはアラムと何も変わらないってことに気付くべき
    それに戦うことは別に恥でもなんでもない決めつけて最初から何もチャレンジしない人間のほうが恥
    そもそも対戦候補の名前に上がること自体すごいことなのになぜ恥になるのか理解できない

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  3. アラムのインタビューで、フェザー級ならロマチェンコ選手と井上選手が戦える(笑)とか世迷言を言ってるみたいですし
    井上選手のフェザー級なんて、恐らく並の世界ランカー良くてそれより少し上ぐらいのレベルでしょう
    フェザーの井上選手なんかでは、ロマチェンコ選手にとっては軽いスパーみたいな相手で、井上選手がほとんど一方的にボコられて終わって、井上選手が恥をかくのが関の山でしょう
    そもそもロマチェンコ選手にとっては、井上選手と戦って勝っても、何のメリットもないでしょう
    アラムは高齢で相当モウロクして、自分がどんな発言しているかも理解していないかもしれません

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  4. ロマチェンコの野望は夢のある話ですが

    近年のボブアラム爺のモウロクっぷりも気になります
    カネロのフランチャイズ王座に賛成し、特別な王者は指名挑戦者ごときと戦う必要はないと言い、
    GGGはカネロのドーピングについて悪く言い過ぎたから再戦の資格はないとか…

    そもそもパッキアオがアラムと袂を分かった原因も、アラムはパッキアオがウェルター級トップ選手に勝てるはずないと、アルバラードあたりでお茶を濁そうとしたのに耐えきれずパッキアオが離脱したものと記憶しています(結果パックがマティセを一方的に叩きのめしたのは記憶に新しい)

    アラムのクロフォード激賞には同意する部分もありますが…

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    • 実際にはアラムはクロフォードとパッキャオをぶつけようと何度も交渉していましたがパッキャオが何年も拒否していました
      パッキャオはスペンスとクロフォードを露骨に拒否していますしプロモートを変えた理由も引退し衰えたメイウェザーと今さら戦うためだそうです
      ボブアラムはむしろ最強の強敵であるクロフォードとマッチメイクしようとしていましたし
      その批判は現実とは真逆です

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