怒涛のボクシングウィークも少し休息で、欧州やメイVSユーチューバーを除けば追いかけるほどの試合はなく、今週末はのんびりできるかな、な中での話題です。
6月19日
井上尚弥VSマイケル・ダスマリナス
今月はここから始動すればいいだろう。翌週はロマチェンコVS中谷だ。
しかし19日は、スター候補のテオフィモ・ロペスも試合なんだな。
テオフィモ・ロペスVSジョージ・カンボソスJr
ロペスは本物なのだろうか?
ライト級を作れるのだろうか?
シレっと
シャクール・スティーブンソンVSジャレミア・ナカチラ
ジャーボンティー・デービスVSマリオ・バリオス
なんかもあります。
ナカチラはナミビア人でずっと伊藤雅雪の王座を狙っていたっけな。ノンタイトルでシャクールはキツイなぁ。デービス、サンタクルスの次はSライト級だが、バリオスはでっかいぞ。
本題に入る前に、6月26日
興味深い試合があります。
ロブ・ブラントVSジャニベク・アリムハヌリ
村田と1勝1敗のブラント、決着戦は叶わず、カザフの無敗プロスペクトとサバイバル。
順当ならば、ブラントではなくジャニベクが勝つのではないか?
なかなかチャンスがない同士、いいマッチメイクすぎる。
マイケル・ダスマリナスが早めに米国入り、最終調整を続けているという。人生に一度あるかないかの機会に相手は井上尚弥、オッズでも絶望視されており、無名、彼に失うものはない。
ケビン・ジェイク・カタラハ
「もしも、ダスマリナスが正しい部分に着弾させることができればチャンスはある。ダスマリナスにはパワーがある。今は大番狂わせがボクシング界のトレンドだ。常に一発のラッキーパンチは起こりうる」
カタラハは、まだランキングが上がらないが、個人的にかなり期待しているフィリピンの俊才だ。井上尚弥とは何度かスパーリングパートナーとして手を合わせている。井上にとっても骨のあるパートナーだ。
ダスマリナスなど通過点、何もさせずに勝つ
こういうムードだが、化石のようなマニアの自分にはあの日が蘇る。
王者、ビッグ・ダルチニアンはここまで28戦全勝、全ての防衛戦をKOで飾り、当時17勝1敗だったドネアは無名の通過点でしかなかった。2戦前にはノニトの兄、グレンに勝っており、ノニトにとっては兄貴の敵討ちでもあった。
ダルチニアン
「私はあの夜、自分自身に負けました。妻と生まれてくる赤ん坊の事ばかり考えていた。ドネアを早くノックアウトして帰りたかった。」
あの日、あの時、そこから5階級も制覇していくノニト・ドネアのストーリーは始まった。あの動き、左をみれば、只者ではない特別な才能だとすぐにわかるが、それ以前に誰もドネアを知り、推す者はいなかったとおもう。
マイケル・ダスマリナスは30勝20KO2敗、28歳だから未知の若きプロスペクトというよりは、今が旬のファイターだろう。相手レベルは劣るが、井上尚弥よりキャリアは多く同じ歳。
ひょろっと痩せて、背が高いサウスポー。
左右の違い以外、ドネアを彷彿とさせる体形、風貌ともいえる。
彼が、この日のために、どれほど精進し、進化しているかは謎だ。
肉体改造し別人になったようなジョン・リエル・カシメロや、実力者のジェルウィン・アンカハスとプロモーターが同じ。練習環境も恵まれていないことはないだろう。軽量級のフィリピン人は強い。
38歳にして化け物じみた強さでウバーリを一蹴したノニト・ドネアの雄姿は、井上尚弥を鼓舞するとともに、同胞のダスマリナスにも大いなる刺激を与えた。
フィリピン発アメリカのドネアとダスマリナスではやや事情は異なるだろうけど、得てして、輝く未来ばかり見ていると、こういう伏兵が一番怖い。ダスマリナス本人、陣営ともに、戦略、勝機を見出し、人生をかけて世界のスーパースター、井上尚弥に挑んでくるだろう。ドネアが井上攻略のヒントは与えてくれた。
それでも、井上尚弥はダルチニアンではない。一縷の隙も油断もないから、アップセットは起こりえない。
と信じているが、
こういう立場のマイケル・ダスマリナスにも最大限の敬意と警戒を払って見届けたいとおもいます。