バチバチいけるのか/井上拓真VS石田匠

5月6日の前座のひとつ、日本人バンタム級対決です。

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井上拓真VS石田匠

井上拓真は2月24日からの連戦なのでスパンが短いが、強豪、ジェルウィン・アンカハスにいい勝ち方をした、ダメージも少ない、勢いに乗っている、作り上げたコンディションをそのまま持っていく、偉大な兄の東京ドームでのビッグファイトに花を添えるという理由がありそうです。

石田はフライ級でカリ・ヤファイに負けてから実に7年ぶりの世界戦となります。32歳、34勝(17KO)3敗、ラストチャンスのつもりで臨むだろう。

たぶん井上有利予想が圧倒的だろうが、個人的にはなかなかに難しい、色々と興味深い対戦です。

井上拓真は強豪のジェルウィン・アンカハスに最高のKO勝利をあげましたが、序盤から優勢だったわけではありません。距離をとったアウトボクシングでおもうようにいかないアンカハスがガンガンとパワーファイトを仕掛けてきて、それに怯まず応戦する形で素晴らしいボディ一撃で仕留めました。いつもの拓真ならもうちょっと下がってディフェンシブに戦っていたとおもいますが、踏みとどまり、迎え撃って打ち合いをしたことで強いパンチが入りました。

やっぱり井上尚弥の弟はKO率が異様に低いですが、体重ののったパンチをしっかり打てばパンチは強いのだ。非力にみえないのにKO率が低いのがずっともどかしかったですが、最高の相手に最高の結果を出したことで戦い方も自信も深めたことだろう。完成度は元々かなり高いのであとはスタイル、気持ちの問題です。

ただし自分から仕掛けた、試合を作った、バチバチいったというよりはアンカハスがガンガン出てきてくれた(そうさせたのもありますが)から応戦できたともいえるので、本当に変わったのかはまだよくわかりません。

対する石田匠は日本人バンタム級トップ戦線の中でも多くの人に忘れられた、重要視されていないベテランの位置にいるとおもいますが、ヤファイに負けてから粘り強くキャリアを続けてきました。

ありました。

石田の方が大きく、パワーもあるように感じましたが、敵地での挑戦にしてはとにかく手数が少なく消極的でポイントを与えることは無理。私はポテンシャルで石田に多くのポイントをつけましたが結果はもっと差のある完敗でした。敵地なのだからもっとガムシャラにやればいいのにもったいないという印象です。

石田の前戦は拓真と同じく積極的で圧倒的でよかったです。

しかし相手は格下で調整試合の域を出ないものです。その他の試合となると、イスラエル・ゴンサレスやビクトル・サンティリャンなど世界ランカークラスだと微妙な接戦となってしまいます。負けになってもおかしくない。相手は世界王者級ではありません。

再起ロードの中に田中恒成戦もあり、惜しくも1-2で負けていますが、勝利だという声もあったほど、地力はあるのだが、強豪相手だと消極的で突き抜けない。

両者にとって一番悔しいのは、消極的で力を発揮できないまま消化不良の試合をしてしまうことであるとおもうので、発言通りにバチバチ行く、悔いなき戦いをして欲しいものです。

特に石田にはキャリアがあり、体格はいいし、最後の挑戦かもしれないので、積年の想い、底力をみせつけて欲しいものです。田中恒成と互角の力を持ってるのです。

そう考えると、事前予想より石田は強敵かもしれませんよ

と言いたかったのでした。

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