第37代日本フライ級王者
第30代WBC世界フライ級王者
ユーリ・アルバチャコフ
Yuri Arbachakov
24戦23勝(16KO)1敗
王座変遷、ボクシング進化論を否定するわけではないがフライ級絶対無二の存在が彼だ。
ストレート、フック、アッパー、ボディと全てのパンチでKOを演出したが、しなやか、多彩というよりはその一発一発がロボットから繰り出されるような的確さと破壊力を秘めていた。
構え、フットワークからしてマシーンのようで似ている選手が見当たらない。
彼が旧ソ連崩壊からプロ第一号のロシア人世界チャンピオンとなりその後のロシア、東欧ボクシングの道を開いたが彼に似たスタイルはあまり見ない。
デビュー時のユーリはアマチュアのポイントマシーンのようで痛いが芯までは効かせないような速射砲のような連打型でフェザー級のアラン田中をリンチ状態にしていたのを覚えている。
その時すでに世界チャンピオンになれる力があったと周囲は語っていたが、なるほどどの世界チャンピオンより衝撃を受けた。
日本でチャンスに恵まれ活躍することになったが彼のキャリアはこれでよかったのだろうか。
素晴らしい実績を残したが、彼が今の選手であり欧米のプロモートのもと活躍していたならビッグマッチに恵まれ、その稀有なファイトスタイルは世界を驚愕させたことだろう。
微妙な試合間隔と相手、モチベーションの低下?などから寂しい敗戦、引退となったが、彼を破ったチャチャイ(当時はハイレベルであった)がパッキャオに王座を奪われた経緯を回想すると
ユーリ・アルバチャコフVSマニー・パッキャオ
はありえた試合であり、当時の完成度からすればユーリの圧勝が予想される。
誰にも似てない、誰も真似できぬ”氷のエスキモーボクシング”
彼が自分の中で最高峰のフライ級だ。
今はそのややロボットスタイル、冷酷無比で一方的なボクシングに面影を残すサーシャ・バクティンの活躍を見守るだけだ。
映像はムアンチャイ1だが2はもっと痛快であった。
ムアンチャイを助けるべくピンチでゴングが早く鳴らされたりしたが冷徹にフルボッコしてしまった。