
11月3日、インテックス大阪で同級11位タノンサック・シムシー(20)=タイ=と同級2度目の防衛戦を行うと発表した。コロナ禍の後で国内では初めての世界戦となる。
https://www.youtube.com/watch?v=Vij4euL6Q2E
ワタナベジムで内山時代と入れ替わるように最速で世界王者になった京口、無敗で2階級制覇も達成した。
最初は早すぎる世界挑戦であり、日本の高校や大学程度のアマでこういう結果を出せるのは、プロの最軽量級がスカスカだからであり、五輪に出るようなトップアマがプロ入りできない世界の現実があるからであり、その実力は眉唾とおもっていたが(今もそうおもっているが)
京口はいい選手である。
普段は運動神経万能なアスレチックな男だが、ボクシングとなると骨太でフィジカルが強くタフファイトができる。軽量級特有のひ弱さが皆無だ。これはボクサーにとって一番欲しい資質だ。
それでも、同じ時代、同じ階級に寺地拳四朗がいて、こっちの方が勝ち方が圧倒的なので、リングマガジン王者でありながら、国内でも2番手の扱いだろう。
そんな京口の世界戦が日本国内では誰よりも早く実現しそうだ。
ラスベガスの井上の余韻(11月1日)が冷めぬうちにこの世界戦もある。
タノンサック・シムシーというのが、タイ人でありながら、日本のジム所属なので渡航制限等がないのだろう。期待される好カードではないが、今できる最良の世界戦といえる。
京口という選手は、ブルファイターのようなスタイルでいながら元来器用なのだろう。フィジカル、タフネスに加えて+アルファをリングで発揮したいが、まだ出し切れておらず、ポテンシャルだけでのりきってしまうような雑な内容が目立つ。しかし、元2階級王者のヒッキー・ブトラーあたりとは内に宿るパワーが違いそうで何度やっても勝てるだろう。小さいが、フライ級でも通用しそうな逞しさがある。ちょっとだけ大振りなのかな。
対するタノンサック・シムシーがよくわからないが、まだ20歳で14勝12KOは立派だ。
KO率はパワー型の京口よりもいい。
しかし相手の質は低く、日本でクリスチャン・バコロドというフィリピンの無敗選手とやった試合が唯一の強敵。僅差のユナニマスという接戦だった。
https://www.youtube.com/watch?v=IfHrGmM9ETw
これは別の試合
映像を見る限り、まだ若く、青い、隙だらけの4回戦ボクシングだが、若さとスタミナで克服してしまうようなところがある。勝ち続けているには理由があるのだろう。
京口も26歳、ピークともいえる油の乗り切った時期だけに、相手の勢いを警戒しつつ、ここはコロナの鬱憤を晴らし、統一戦やその他、評価を固めるためにもKOで圧勝して欲しい。同階級に相手がいないなら、一個下のワンヒン・ミナヨーティンあたりをラスベガスでぶっつぶして54戦無敗の記録を打ち破ってさえ欲しいとおもう。軽量級のデュランになれるか、ただのよくいる世界王者だったねで終わるか、自分次第だ。