最高のカタルシス

受験勉強と偽って深夜ボクシング番組にはまってから早二十数年
もはやこういうカタルシスだけのためにずっとずっとボクシングファンなのかもしれない。

初回、相手の特徴も何も掴んでない時に食った一発で勝負が決まった。
特にインドンゴという選手は今までナミビアを出た事がなく、この試合以前にYoutubeで他の映像があったかどうかも不明。
以前チェックした時は映像はなかった。

偶然とも必然ともいえる強烈な結果になったが、インドンゴの実力もさることながら、身体能力の高い未知の黒人系選手にはありえる事だよなぁ。

Boxrecでは179センチというインドンゴ、でもこの試合のVTRでは181センチとあった。
細かなスキルや能力でどんな選手かは未だ不明だが、敵地で強打を誇る王者を相手にこういうパンチを臆することなく出せるというのは魅力的だ。

このパンチも少し前に出したアッパーもそんなに狙いすまして打った感じはしない。
威嚇のつもりで放ったものに見える。

フィニッシュの左スイングをトロヤノフスキーはパリングしてるのだが、あまりの威力とスピードと伸びに目を閉じちゃってるな。
誰でもこういうタイミングでは目を閉じるものだろうか?

この結果には実は伏線があり、前戦、初回に小原の右を食い足が泳いだトロヤノフスキー。
小原のパンチは強いと恐れたように感じた。しかし続く2回に強引に攻めたら一気に攻略できた。
この試合の勝ち方のせいで、未知のインドンゴに対しても長期戦で苦労するなら序盤で効かせてしまえとやや強引だったような気がします。
小原戦の快勝に錯覚していた部分があったのでは・・・

狙ってもなかなか当たらないのがボクシングの常だが、こういう想定を超えた威嚇というか、当たればラッキー、パリングをはじきとばすような大胆なパンチというのも十分な武器になるのだな。
やけくそで振ったらそこに顔があったなんて事もある。

リベンジ戦を控える内山の相手、ジェスリル・コラレスも映像とは別人でした。
この流れでそんなパンチを返してくるか?普通引くでしょというタイミングで強打を返してきた。
今までの内山の対戦相手とは全く違う動きをしていました。
あれは一度でも内山の強打を食った後なら出来ない芸当だったでしょう。

極端な結果になりましたが、結果を受けてインドンゴより小原が弱いと言えないところが面白い。
ただ少なくともこんなに大胆なパンチを日本人は敵地で初回から打てないです。

美しさは違いますがハリケーン風太という選手がオーストラリアでぶちかました一発もこんな感じではありました。

トロヤノフスキーを評価していただけに、こういう負け方をみて
GGGだってこういう事故を招くスタイルではあるな

なんて感傷に浸ってしまいました。

インドンゴさん今頃二日酔いかなぁ。

こういう試合は好きなので何度も見返すとフィニッシュのパンチは完璧すぎるタイミングでした。
インドンゴの得意な距離で強いパンチが出せる間合い、瞬間にトロヤさんは無防備に立ってしまいました。
狙ったというより自然に出たパンチですね。このタイミングは。

なんとなく、小國さんがグスマンと慎重にがっつりボクシングしても掴まりそうな気がするが、要所にこういう威嚇を撒いておくことで、自信満々だけど脆そうでスタミナ不安なグスマンにボコッと強打が炸裂するかもしれません。

パワーで劣るでしょうが意外とグスマン攻略するにはKOしかないとおもいます。
アレクサンドル・ムニョスもそういう感じでした。

強いていえば序盤、特に初回だけは互角なのだ。
相手を知らないのだから4回戦であろうと世界チャンプであろうと。
そこで引かない事ですね。引いたらもう実力査定されてしまいます。

以下の試合に劣らぬ最高のカタルシスでした。

https://youtu.be/sTWylfLdCcc
これはウィリアムスの頭の位置を予測して打ってます。芸術です。

https://youtu.be/2-W7a2kaHrg
これはちょっと違うけどロシア人は相手を殺す気迫なんで、食うと失神しやすいのかななんて・・・殺るか殺られるか・・・

この記事が気に入ったら
いいね ! しよう

Twitter で
What’s your Reaction?
最高
最高
0
いいね
いいね
0
ハハハ
ハハハ
0
うーん
うーん
0
がっかり
がっかり
0
最低
最低
0
コメント一覧
  1. WOWWOWさん

    自分はそこまで深く考えてはいませんが
    「自分の()」と言うスポーツ選手がやたら多いので。
    相手を分析して勝つための戦術をがむしゃらにやって欲しいです。
    「自分の()」を過信しちゃだめです。

    相手を研究せずとも対応できるウィテカーやリコンドー並の選手が言うならわかりますが。

    軽量級はアマ>プロな感じなのでアジアで記録が作れてしまいますからね。
    五輪メダルクラスが続々プロになったらもうそんな事はできないくなるとおもいますが。
    やっぱり山中が強くともサンタクルスやフランプトンの方が舞台が上

    ロベイシ・ラミレスなんかは実力がもっと上

    に感じてしまいます。

    0
    0
  2. >とにかく日本人は「自分の(ボクシング)「()内はどんなスポーツでも
    >当てはまります」を出すだけ」みたいにいいますが、そんなに「自分の()」が
    >世界に通用するほど確立された選手はいません。

    日本人のこういう思い上がった自己完結ぶりは、柔道、剣道、弓道、華道など
    「~道」を生み出した精神文化の負の側面なのかもしれません。
    直接戦う相手がいる競技では、自分に勝つだけじゃ駄目。

    >肝心の山中は全然海外進出しませんし。

    山中は国外に出る必要もなく、また色々しがらみがあって出られないんでしょう。
    日本で防衛を続ける事で得られるものを捨ててまで国外に行こうという気も無い。
    人間の判断や行動は個人差があれど、集団っを俯瞰した時には、大体置かれた
    境遇における損得勘定で決まります。
    近年海外でファンをあっと言わせた日本人ボクサーは、日本人ボクサーの王道の
    成功ルートに乗れなかったか、そこから外れてしまって海外で博打をやらざるを
    得なくなった選手ばかりですね。

    0
    0
  3. ハリケーン風太見ました。売られたケンカは買ってやるといった気の強さがいいですね。安稗挑戦者としてアウェーに呼ばれた選手は開き直って一発かましてほしいですね!

    0
    0
  4. クッパさん

    世界の話ではないですが今年オーストラリアでやった
    ハリケーン風太の試合は番狂わせの初回KOでした。
    元々バンタムのハリケーンがジョニゴン戦を経て、ライト級のホープ相手に
    向こうがパワーや体格、体力任せでガンガン来るものだから、開き直ってケンカしたら初回にいいのを当てて勝ってしまいました。
    あれしか勝てる見込みはなかった試合でした。

    あなさん

    自分は漫画は見てないので知らないです。
    とにかく日本人は「自分の(ボクシング)「()内はどんなスポーツでも当てはまります」を出すだけ」
    みたいにいいますが、そんなに「自分の()」が世界に通用するほど確立された選手はいません。
    玉砕せよ、攪乱せよと言いたいです。

    一瞬のマ夏さん

    その通りなんですが、無茶な階級で米国進出の捨て駒的立場に利用されているだけにもみえますね。
    肝心の山中は全然海外進出しませんし。

    0
    0
  5. 日本人の海外進出という意味では、私は王者にこそなっていませんが、亀海を最も評価します。スタイルも徐々に変化させつつ結果も残しつつ、、、。困難な階級ですが一花咲かせて欲しいです。
    話が逸れました、、、すいません。

    0
    0
  6. 他ブログ見てトロヤのディフェンスは相手のパターンを限定しすぎかと思ったんですが、改めて見直しても小原戦の初回は終盤の右の被弾以外は丁寧にボックスしていた印象 やはりなんでこうなったのか分からん・・・
    日本人の激闘型となるとフィゲロア対荒川を思い出しますね
    あの試合は内外評価高いしプロとしては継続されるべき価値観のひとつなのかもしれないけど、やはり自分は肯定出来ないなぁ 単純な手数ではダメなんですよね フィクションですがはじめの一歩の木村間柴戦が理想かな、と

    0
    0
  7. 日本人の覚悟を決めた打ち合いで大番狂わせKOってありましたっけ?国内戦レベルでは気が強くてもいざ世界戦となると急にお行儀よくなってしまう選手が多いですよね。国としてのアウェー経験の少なさが内弁慶に拍車をかけていると思うので10年先を見据えてどんどん海外に行ってほしいものです。

    0
    0
  8. 一瞬のマ夏さん

    内山にも伏線がありましたね。
    ジョムトーンと次の連続サウスポーに序盤勝ちで、序盤速攻型になりかけていたかなと。
    コラレスは無事にリングに上がることができれば昨年と同じでしょう。
    過去の映像と同じだったのはとにかく柔らかいことです。
    スウェーの反動で打ってきたりしますんで内山にとっては難敵であることは間違いなさそうです。

    八さん

    高齢ですし固さもあるので打たれ強くはないのかもしれませんね。
    あんなパンチ食えば終わりですが。

    日本人はボクサーに限らずよく「自分のスタイルを出し切る」みたいな事をいいますが
    それって何?それだけじゃ勝てないんだが?っておもいます。
    総合力で劣るなら何か一瞬にかける奇策を出さねば。

    34秒負け?の内藤はいさぎよかったです。
    自身もキレキレで動きはよかったし、あの当時じゃ総合力で12ラウンドやっても勝てない相手でしたから。

    0
    0
  9. トロヤは小原の初回の右がしっかり効いてたそうで、
    「想像以上に右にパワーがあるから序盤に勝負をかける」とインターバルに話したそうです。
    仰るとおりでこれが逆だったらなとは思いますが、
    ほとんどそうはならないのはやはり日本人チャレンジャーの性なんでしょうかね。

    ただタイで1Rで速攻散った内藤は負けはしましたが勝負かけてたとは思います。

    0
    0
  10. 内山とダブるところはありますね。両者供に慢心というか心技体のバランスが悪かったのかもしれませんね。P4Pクラスは、それが無いというか兎に角、勝ちに貪欲ですね。 年末に関しては内山が勝つでしょう。それよりコラレスが計量とかちゃんとクリア出来るのか、の方が気になっています。

    0
    0
  11. あなさん

    こんな記事にする予定はなく、ただこの試合は痺れたなぁというものだったのですが
    書いてくうちにあなさんの言うような事が自分もいいたかったんだとおもいます。

    格上とか強打者に勝つ方法ってえてしてこんな感じですよね。
    初回からお見合いしてたって徐々に削られるだけですからね。

    インドンゴもコラレスも引きそうなところでグイグイ手を出していきました。
    しかも渾身のパンチを。

    GGGやゴロフキンみたいのは何故事故にあわないのか?
    ちゃんと見てるのか、パリングひとつとっても雑じゃないんでしょうね。
    でもいつかこういう目に合うかもしれません。

    逆にこういうのがないとと負ける気がしないのがGGGです。

    0
    0
  12. 小原も介護師の彼もこうやるべきでしたよね 特にボクシングで勝ち目のない介護師ボクサーは名を売るという意味でもこうやらなきゃいけなかった 距離感を掴む前の初回、或いは距離やパワーをセーブして序盤を凌いでこちらの体力が足りなくなる前にペースアップしてワンタイムに懸ける
    ボクシングが他競技と違うのはまさにこれでだからこそ余程技量に恵まれてない限り上に行くには効かせられる強打が絶対に必要かと(この前のチレンベとか)
    しかし、内山にトロヤ、両者ともフィジカル技量共に高い至ってオーソドックスなスタイルだと思いますが、こういうボクサーとゴロフキンやロマゴンの違いって何なんでしょうね
    ジョシュアやコバレフなんかもリーチ差で有利取れない相手にはいつかこうなると思いますが、ゴロフキンらは長いキャリアで力量差はともかくいろんなタイプとやってクロスレンジ主体で殴らせるスタイルなのに事故が全くない
    こういう差をみるにつけパックロマチェンコみたいなサイドへの足さばきを極めるかそれが無理なら前者二人を研究する必要がありそうです ラッキーパンチは打つ側にとっては偶然でも食う側にしたら必然ですからね

    0
    0
コメントを残す

※相手に対し失礼だとおもわれるコメントは削除される場合がございます。

おすすめの記事