大きな井上尚弥、ではないが、顔良し、態度よし、ボクシング良しなビボルだがスターではない。本当の意味でのビッグマッチ、強敵と戦うことが出来ていない。
2020年6月6日、ボクシングは遂に世界的なパンデミックとなったコロナウィルスの中断を経て、試合を再スタートさせた。3月からの休止が段階的に解かれ、スポーツの活性化が期待される。
ファイターはこれまで以上に熱心にリングに参加し、失われたキャリアを取り戻さねばならない。ただし一部のファイターにとってはより困難な状況が続く。WBA(スーパー)ライトヘビー級王者、ドミトリー・ビボル(17勝11KO)がそうだ。
才能豊かで健全なWBA王者は、ビッグマッチを求め続けてきた。スーパースターのカネロ・アルバレスに対してもずっとオープンでいた。
ビボルはカネロとの対戦をまだ諦めてはいない。
お金が目当てではないことをさらに強調した。ビボル
「私は階級を下げて戦うことができます。カネロが望むスーパーミドル級で大丈夫です。なぜカネロにこだわっているのかといえば、カネロの相手に問題があるからです。私もDAZNです。どこに問題があるのでしょうか?」プロモーターのエディー・ハーンも同調する。
ハーン
「カネロ陣営に問題があります。こっちには何もありません。もちろん、カネロが対戦予定だったビリー・ジョー・ソーンダースも私のプロモート選手です。ゲナディ・ゴロフキンが検討されていたようですが、こっちは高額なギャラのためにカネロと戦いたいわけじゃないのです。」ビボルは誠実にその意見をフォローする。
ビボル
「何よりも私はカネロと戦うことで自分自身のの歴史を築きたいのです。お金はその後のことです。もちろん、仕事ですからお金は大事ですが、それが目標ではありません。今でもお金は十分です。今のままで充分幸せです。ボクシングファンのために、自分のスキル、才能を開花させ証明したいのです。私にはお金より大事な事なのです。」ビボルは正しい態度を示している。試合に勝つことで自分の価値を高めた後に結果としてお金を得ればいいという。カネロ相手に大きなお金は必要ないというビボルは、無観客試合になりそうなカネロにとって大きなオプションのはずだ。
大きな井上尚弥、ではないが、顔良し、態度よし、ボクシング良しなビボルだがスターではない。本当の意味でのビッグマッチ、強敵と戦うことが出来ていない。今か近未来がピークの若さ、ロシア(キルギスタン)出身という条件も足を引っ張っているだろう。
短いキャリアでビボルが王者に到達した頃は、ライトヘビー級に強力なライバルがたくさんいたが、皆高齢で、リスクとお金を天秤にかけ、ビボルをスルーし、浮き沈んでいった。
ビボルは基本に忠実でライトヘビー級では誰よりも速く素晴らしいファイターだが、どうやらライトヘビー級ではなくスーパーミドル級くらいの適性だというのは明らかだ。
ビボルにとって一番リスキーなのが、WBC IBF王者のアルツール・ベテルビエフであり、一番好ましいのがカネロだろう。
しかしどちらの試合も実現の可能性は20%くらいか
親に食わしてもらっても不良がモテるように、誠実だけではモテづらいのが現実???
こうして、ビボルやベテルビエフなどの実力派は徐々に消えていく・・・のだろうか。