敵は2人だけ/井上尚弥のSバンタム級

井上VSバトラーはdTV放送でしたが、アクセス超過で無料開放したんだとか。
一生懸命登録した人はなんだったのだろうか。

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アクセス超過は喜ばしいことだが、この試合をして偉業なのだ、井上尚弥しか知らない、観ないというニワカファンも増えただろう。悪いことではないが、両者には実力差があり、一方的な試合になることはマニアならわかっていた。

そしてついに井上尚弥がバンタム級を卒業し、4階級目のスーパーバンタム級へ進出する。これこそが、バトラー戦の唯一の意義といえた。

スーパーバンタム級は井上尚弥よりも体格、骨格のいいファイターばかりであり、往年の名王者、オーランド・カニザレス然り、長谷川穂積然り(獲るにはとったが)階級の壁に跳ね返されてきた歴史がある。西岡利晃はこの階級で悲願を果たした。

井上の進出するスーパーバンタム級、されど有名な王者は君臨していない。実力者はいても、井上がP4Pの1位を伺う勢いに対し、20位以内に入っている王者もいない。無名という点では寂しい階級だ。

井上尚弥というビッグスターと対戦することは、王者にとってもビッグマネーなのだ。

現在は4団体で世界王者が2人しかいない。
2人とも無敗の統一王者であり、2つの王座を分けている、そして井上尚弥よりも若い。だから、この2人を破ればもう4冠統一だ。Sバンタムでさえ、通過点となるのかもしれない。

スティーブン・フルトン 28歳 21勝8KO

WBC・WBO世界スーパーバンタム級統一王者

身長 169cm
リーチ 179cm

アメリカのエリートアマチュア上がりだが、国内で負けており、世界的な舞台での活躍はない。

特徴としては井上尚弥がかつて対戦したことのない黒人のテクニシャン系であること。均整のとれた身体で柔軟性があり、フロイド・メイウェザーの系譜に連なるのか、ディフェンスがいい。

長いリーチで距離を管理し、危なげない試合をする。相手は接近戦が弱点だと前進ファイトをしかけるが、巧みなブロッキング、ボディワークで決して致命的な被弾をしない。

トップアマ出身として、キャリアの浅い頃から、無敗のサバイバル対決を制しており、無敗キラーと呼ばれている。

しかし、圧倒的な勝利は少なく、緻密さ、正確性でポイントを拾う、判定型のボクサーと化している。見た目のシェイプに反し、パワーレスなのか、KO勝利は少ない。

メイウェザー
デビン・ヘイニー
シャクール・スティーブンソン

に知名度は遠く及ばないが、似たようなディフェンス重視のボクサーだ。
体格がいいため、フェザー級転級を示唆しており、次戦はブランドン・フィゲロアとの階級を変えたリマッチが予定されている。そちらへ行くのか、ビッグマッチとなろう井上戦に向かうのかは不明。

ムロジョン・アフマダリエフ 28歳 11勝8KO

WBAスーパー・IBF世界スーパーバンタム級統一王者

身長 166cm
リーチ 173cm

ウズベキスタンのトップアマチュア出身でリオ五輪では銅メダルのサウスポー。プロでもわずか8戦目で世界王者、2冠統一王者になった。フルトンよりは世界的な舞台での実績がある。

体格的には井上尚弥と変わらないだろうが、肉厚で太くみえる。そしてパンチの質は違うだろうが、かなりのハードパンチ、重いパンチのKO型ファイターだ。わかりやすいところでは日本の岩佐亮佑を圧倒して5回TKOで下した。あまりに早いレフリーストップだったが、岩佐が効かされ、圧倒されていたのは事実だ。

スキルフルなアウトボクシングもパワフルなインファイトも出来るが、特徴はフィジカルとパワーで相手にプレッシャーをかけていくタイプ。徹頭徹尾、スピード重視の技術戦だと分が悪く、だからこそ、アマチュアでは俊敏な選手に苦杯を舐めてきたのだろう。

積極的でパワフルでエキサイティングという意味ではアフマダリエフの方が井上尚弥とかみ合うだろう。

フルトンは両者にとり、ディフェンシブでとらえどころがなくやりにくいタイプ。相性という点で注目されているに過ぎない。

個人的には、どちらの王者よりも井上尚弥が優っており、確実に勝てると考えている。

しかしながら、フルトンはかつて対戦したことがないタイプ、体格のいいディフェンスマスター。ポイントを抑えるツボを知っている。アフマダリエフはサウスポーの強打者で、質は違えど井上に負けない一撃必殺のパワーを秘めており、井上以上の豊富なアマチュア実績がある。

そして両者ともに井上尚弥より若い

というのが注目点だ。

フルトンは捕えるのに苦労する
アフマダリエフは超パワフル

しかしながら井上尚弥のスピードと反射神経、瞬間の煌めきには太刀打ちできないだろう。

井上のバンタム級4団体統一を受けて、WBOはスーパー王者を認定した。スーパー王者になると、階級を上げても王座に即挑戦できる。スティーブン・フルトンの指名挑戦者の資格を有したことになるが、フルトンにもアフマダリエフにも次の予定がある。

果たして・・・

自分はこの男の方が脅威だ。

ライース・アリーム 20勝12KO

元WBA世界スーパーバンタム級暫定王者

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コメント一覧
  1. 二人とも、ハイライトだと尚更強そうに見えますが、井上にはS・バンタム級でも4冠統一して欲しいですね。

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  2. 井上はプロテストはSB。SBスタートだと当時はリゴンドーとドネアがいた時代。世界王者にはなってないかもしれないね

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  3. フルトンもアフマダリエフも強敵だけどやはりフルトンの幅の広いボクシングに苦戦そうだ。アフマダリエフのほうがかみ合うだろう。そしてライトフライの井上尚弥を懐疑的にみていてスーパフライで本物だと気づきバンタムで真のモンスターなパフォーマンスを魅せてくれた!
    予想を覆すパフォーマンスを魅せてくれた!井上尚弥を信じている!

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  4. 主催がアメリカのテレビ局HBOだからです。ただでさえSBは人気のない階級で西岡はアメリカではマルケス戦以外は試合しておらず売り込んでないのでファンベースもないです。アメリカを主戦場にしてる当時PFP4位ドネアと比べたらギャラはあんなものです。

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  5. この階級でドネアとの統一戦までたどりついたのは7度防衛した西岡のみ。
    岩佐は1度だけであとの日本のボクサーはみな1度も防衛できず敗戦。
    西岡がSBでイスラエルバスケスが返上して決定戦を制したころはカバジェロやロペスがいた時代です。カバジェロもロペスも階級をあげますがフェザーではねかえされます。ドネアもはねかえされました。
    この階級から日本のボクサーは世界王者になりますが勝てなくなります。

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    • ドネアvs西岡のファイトマネーは5800万vs780万だった85%対15%これを「辿り着いた」と言えるのかね?
      金だけが全てじゃないと言いたいところだがこういうのを美化するのも良くない。

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        • お金目的ではなく最強を求めたらなんでギャラ安くなるんですか?
          ドネアはお金も取って試合も勝ちましたが?
          最強を求めてもギャラは安くなりません。
          お金より強さを取ったのではなくギャラ妥協しないと試合してもらえなかっただけです。

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  6.  ナバラッテのときは戦う時期に運命を感じないといってナバラッテのラブコールを拒否。今回も積極的なフルトンと対戦しようという風潮には見えませんね。井上がいますぐフルトンと戦いたいといえば終わりですが。

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  7. なんか、報道を見る限り井岡VS田中のときみたくWBOがVSフルトン実現に積極的に動いてる感じなんですかね?
    井岡田中のときは井岡の国内路線脱却の邪魔せんでくれよって思いましたが、今回はいいっすね~(掌返し)。

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  8. 国境超えた試合は大体ファイトマネー多く支払える方が相手をホームに呼べるんだけどvsバトラーの場合はバトラー曰くあまり良い額ではなかったそうな、PBCがラスベガスに尚弥呼んで2億以上払ったら夢があるけど現実的ではなく、フルトンは言うてもファイトマネーあんまり高くない、ローマン戦が50万ドルだったらしいから日本に呼べそうではあるが、勝っても海外でのスポンサー得られないのも事実で、本当の意味では世界的スターではない。
    日本での億超えボクサーでも十分凄いしそんなこと言ったら力士とかオリンピアン何てもっと「国民的」英雄なんだから下げる気はないんだけど、なんだろうか本当に世界的スターであるかのような風潮に少し疲れている。
    ぶっちゃけここから何階級制覇しようが統一しようが市場価値はこの辺が限界だと思う、実際やろうとしたら一気にSフェザー、ライト、ウェルターとパッキャオのように勝つ必要があるがそこまで望むべきでもないので、本当に彼のことをアメリカ行って何十億も稼いで評価も上げて、カネロに取って代わるとかメイウェザー超えるとか言ってる人みると「言いすぎも良くないなぁ」
    と思う、彼は立派な国民的英雄です。

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  9. 井上尚弥がKOに拘らずラウンド毎のポイントを意識して戦えばS.バンタムでも4つのベルトの可能性はかなり高いと思います。

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    • 判定でいいなら楽に勝てる。でもプロだし客の期待に応えたいと話していましたね。そういう余裕は感じますね。いつも支配的だし。

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  10. フルトンはヘイニーやシャクールの
    用な塩試合の名人!
    体格面で井上を上回るので下手をする
    と塩試合に持ち込まれて判定負けする
    可能性もあるかと思う!
    アマダリエフは間違え無く噛み合う相手
    で強いが勝ちやすさで言えばアマダリエフ
    かと思います。

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    • メイウェザーの功罪ですね。

      ヘイニー
      シャクール
      フルトン

      KOはおまけ、ディフェンスに特化、負けないに徹するスタイル

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  11. 主戦場が違う。普段の体重が違うんだろうけど、ポール・バトラーは身長168センチ、リーチ165センチ、ドネアやマクドネルはもっと背も高くリーチもあった。フルトン、デカい、デカいといわれるが、身長169センチ、リーチは脅威だが・・・。階級の壁も井上なら突破するでしょう。バンタムキツイくらいの減量だし。

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  12. メキシカンライバルが欲しいけどネリじゃないんですよね。バレラみたいなエリート

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  13. ESPNが発表したトップ100だと、
    18位にフルトン、20位にアフマダリエフがランクインしていますね。

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