フルトン戦で世界にブレイクしたとおもわれる井上尚弥の進む道について、私も含む外野があれこれ好きな事を言っていますが、本人の言葉が一番真摯で重いです。
スーパーバンタム級で戦うべき4人の名前をあげて「2、3年先」に5階級制覇となるフェザー級に挑戦する考えを表明した。
WBAスーパー&IBF王者のマーロン・タパレス
挑発を繰り返してきた“問題児”の元3階級制覇王者のジョンリル・カシメロ(33、フィリピン)
元2階級制覇王者でWBCの指名挑戦権を持つ“悪童”ルイス・ネリ(28、メキシコ)
そしてタパレスに敗れて王座陥落したもののWBAの指名挑戦者決定戦への出場を指令されている前2団体統一王者、ムロジョン・アフマダリエフ(28、ウズベキスタン)の4人だ
みんな敗北の経験がある、井上にとっては「格下」とおもわれる相手ばかりだが、現状はこれがベストなのだ。他に急激に知名度をあげて強さを誇示する選手が出てこない限り、無名選手と戦う意義も時間もない。
「2、3年先」に5階級制覇となるフェザー級に挑戦する考えということで、怪我やアクシデントがなければ彼ら全員と拳を交えることになるだろう。彼らがそれまで勝ち続けていれば・・・
そして最初にして最大の標的がWBAスーパー&IBF王者のマーロン・タパレスとなる。
井上
「あまり見たことがなかったが、思っていたボクシングではなかった。もっとゴリゴリのファイターかと思ったが、上体も柔らかいし、スピードもあるし、思っていたボクシングじゃないという印象です。上半身の使い方が上手い。イメージはもっとカシメロみたいなファイターかと思っていた。ディフェンス面もいい。もしかしたらフルトンよりも怖いかもしれない。試合は楽しみです。自分が思っていたより良いボクサーだなと感じたので。」
多くの人が、過去に大振りで大味なファイトで大森を2度返り討ちしたタパレスや
プンルアンにボディで倒されてヘロヘロになりながら逆転KOしたタパレスや
岩佐と技術戦の果てにはじめてKOされたタパレスや
勅使河原を初回でほぼ戦闘不能にさせた剛腕のタパレス
をみて、井上相手じゃ話にならない、タパレスじゃ物足りないという意見ばかりだが、彼は岩佐に敗れてから家族と離れ、アメリカに残り、精進し、成長し、最後のチャンスといえるアフマダリエフとの戦いで見事に結果を残した。
勝利はギリギリだったが、こんなに上手いタパレスは想定外だった。色々と見事にアメリカナイズされている。
タパレスはサウスポーでKO率以上の強打を秘めてもいる。
フルトン戦で明らかなように、井上尚弥に対してはある程度はパワーで拮抗したものがないと相手にならないことがみえてきたが、タパレスのパンチはフルトンの比ではないだろう。
ということで、パッキャオを生んだ、素材の宝庫、フィリピンから、パッキャオを継ぐような逸材といえるのは
かつてはジェルウィン・アンカハスと言われたり
ジョン・リエル・カシメロの裏街道3階級制覇の大暴れも面白いし
マーク・マグサヨには天才の輝きを感じたが
意外と今までスルーしてきた
マーロン・タパレスこそが本命といえるのかもしれません。
とはいえ、井上を脅かすほどの存在とはおもっていませんが、フルトンよりは怖いぞとはおもっています。
タパレスに圧勝しちゃうようだと、ムロジョン・アフマダリエフとやっても同じ
と言えちゃいそうですが。