ミドル級では誰もジャモール・チャーロを引き受けませんが、私なら喜んで挑戦します。本当のミドル級のファイトを強いてみせます。そのような戦いが人々が観たいファイトなのです。
https://www.youtube.com/watch?v=6CI-1UJbUos
セルゲイ・デレビヤンチェンコは10月5日にゴロフキンに最も厳しい戦いを強いた。代わりに自身にとってもキャリアで最も過酷な夜だった。
試合後すぐに病院に急行したにも関わらず、一週間後にはニューヨーク、ブルックリンのジムに戻りトレーニングを再開した。
デレビヤンチェンコ
「私は試合に勝ったとおもった。ゴロフキンは本当に素晴らしいファイターでした。結果が発表された時ブーイングが起こりましたが、あれはゴロフキンに対するものではなく、結果に対するブーイングです。私はコーチのゲームプランに基づき、自分が何者であるか示すことができたとおもいます。
再戦したいし、世間も再戦が観たいと言っている。ゴロフキンにとってキャリアで最も厳しい戦いだったでしょう。ゴロフキンが再戦を受け入れないのであれば、コバレフ戦後のカネロと戦いたい。元々オファーを受けていた試合です。誰もやった事がない方法でカネロと戦ってみせます。カネロも受けてくれないのであればミドル級では誰もジャモール・チャーロを引き受けませんが、私なら喜んで挑戦します。本当のミドル級のファイトを強いてみせます。そのような戦いが人々が観たいファイトなのです。」
個人的な採点だと、デレビヤンチェンコはジェイコブスに勝ち、ゴロフキンに負けたことになるが、どれも僅差で特に初回のダウンがなければ共に勝利でいい内容だった。
[st-card id=90328 ] [st-card id=40991 ]実力者のデレビヤンチェンコだが正直ここまでやるとはおもわなかった。
間に挟んだジャック・クルカイ戦が一番ピンチ、苦戦だったのではないか?
エリートと言われるミドル級サークルの中、なかなか王者に挑戦できないランカーたちの一人、デレビヤンチェンコは不運なまま消えていくのかとおもっていたが、ゴロフキンとカネロを選択できる立場になったし、両試合ともに100万ドルを超えるファイトマネーが保証されたであろうし、善戦により次の未来も開けていきそうだ。
ベルトこそないが、13勝10KO2敗という少ないキャリアのプロとしては立派な大成功といえる。
先日、TJドヘニーが再起戦を鮮やかに飾った。
この人も、世界戦のチャンスが来ず、家族を養うためにボクシングを諦めて他の仕事に就こうとしていたギリギリのところで、タイから美味しい挑戦者決定戦の話をもらい、日本で岩佐に挑戦、負けたとおもわれた試合にアウェーで勝利コールを受け、そのままDAZNと契約。アメリカの聖地で高橋と防衛戦を一回行い、いきなり統一戦、ダニエル・ローマンに僅差で敗れた。
[st-card id=67617 ]高齢、不遇からのシンデレラストーリーでもう十分夢は果たされた、これで引退かもな、と想像していたが、見事な試合で再起した。夢、希望がつながったのだ。ローマンとの試合も勝っている部分があるほどの内容だったし・・・
不遇、逆境にみえて、実は王者の相手に選んでもらうのはとても光栄な事だ。王者のおかげで自分が何者であるか証明できた。いままでにない注目とギャラをもらえた。負けても次に繋がった
というのは本当によくあることだ。
チャンスのなさそうなランカーたちには、不遇や逆境からの、敗北からのチャンスがきっとやって来ると信じて頑張って欲しい。
カネロはゴロフキンとの3戦目をよほどやりたくないらしく
「俺とはもう決着がついている」
「俺はチャレンジがしたい、GGGはチャレンジに値しない」
「デレビヤンチェンコの勝ちだ」
と言っていたが、であればデレビヤンチェンコの方が自分より強い事になりかねない・・・
少なくとも今の人気と地位程に実力差はない。
ミドル級のエリートと呼ばれる者たちが相手を選んでいる間に、デレビヤンチェンコはチャーロでも誰でも引き受けると言っている。デレビヤンチェンコの実力はエリート(と呼ばれる男たち)となんら変わらない。
セルゲイ・デレビヤンチェンコ
彼が一番おいしい、ファンを満足させてくれる、大暴れできる立場になった。
TJドヘニーももはや失うものなどないはずだ。
不遇も敗北も捨てたものではない。