日本にも馴染み深い、2冠統一王者、ダニエル・ローマンの2つのベルトの防衛戦はいつもの日曜日(現地サタデーナイト)ではなく金曜日(現地サーズデーナイト)です。堂々サバイバルを生き残った岩佐や、将来の井上尚弥も絡むであろうスーパーバンタム級王座の動向に目が離せません。
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[st-card-ex url="https://www.bbm-japan.com/boxing/17335532" target="_blank" rel="nofollow" label="" name="" bgcolor="" color="" readmore="続きを見る"]1月30日(日本時間31日金曜日)マイアミのアイランドガーデンズのメリディアンでWBA/IBF統一戦が行われる。王者、ダニエル・ローマンに挑むムロジョン・アフマダリエフは歴史を作る準備が出来ている。
現在7勝6KOのアフマダリエフ(MJ)は、勝てばかつてレオン・スピンクスが8試合目で世界統一王者になった記録に並ぶだけでなく、ウズベキスタン初の世界統一王者になる。
アフマダリエフ
「これは歴史的瞬間です。たった8戦目で統一王者になることは、ウズベキスタンにとって歴史であり素晴らしい誇りです。ボクシングはウズベキスタンのナンバーワンスポーツです。神の祝福を受けて全てが上手くいくと信じています。統一世界王者は夢の実現です。17年間、私は毎日2回ジムに通い、この険しい山を登り続けてきました。手首を痛め、拳を折り、鼻を潰し血まみれになりました。全ての犠牲はこの試合のためです。私はプロキャリアが浅いから経験豊富なダニーが有利と言う人もいますが、信じてください。
プロでまだ7試合しかしていませんし、このレベルの経験はありません。今までとは次元が違うことはわかっているので過去の相手と比較しようとはおもいません。とても難しい試合になるでしょうが、誰がベストで経験豊富で、より強く、より速く、シャープでスマートであるか明らかになるでしょう。言葉は重要ではありません。戦うことを愛しています。ダニーとの試合が楽しみです。」
同日は、メインでWBOミドル級王者、デメトリアス・アンドラーデVSルーク・キラー、セミにテビン・ファーマーVSジョセフ・ディアスと3つの世界戦がセットされている。その他、スーパーミドル級プロスペクトのアンソニー・シムズJr(20勝18KO)など多くのプロスペクトが参戦する。
吉野家で働いていたという努力家のダニエル・ローマンを応援したいが、過去最大の正念場といえるだろう。
ローマン
「スピードとかパワーとかいう武器は、僕にはない。長所があるとしたら、少しずつすべてのことができること。なれると思わなかった世界王者になれたのだから、正直に言えば、もう満足なんだ。でも満足したからこそ、じゃあこれから先、自分がどこまで行けるかを見てみたい。だから、いつも最強の相手と戦いたいと思っているんだ。」
リオ五輪銅メダル他、輝かしいアマチュアの実績を誇るアフマダリエフの方がサラブレッドだが、ローマンにはプロならではの地味な強さがある。よほどスピードやスキルに差がない限り、ローマンが倒されて負けることはないだろう。そのくらい精神力と総合的なバランスが優れている。
しかし無名で雑草上がりのローマンには突き抜けた武器が足りず、ボディで削っていくファイトが機能しないとスキルで判定負けもありうる。アフマダリエフが怪物的な能力の持ち主であれば完敗もありえる。
[st-card id=44643 ]ダニエル・ローマンのサクセスストーリーは少々出来すぎな気もするが、誰からも逃げない、どこでも戦う気持ちがもたらした奇跡だ。特別秀でた才能のない者が努力を重ね鍛え上げた強さ、努力の見本のようなスタイルを具現化している。
夢の続きをまだ見ていたい。
[st-card id=98744 ]おまけ
アフマダリエフはウズベキスタンだから、アジア選手権枠でもあり、日本人との試合は確認できないが、すれ違いがあった。2013年国際大会アジアユースでアフマダリエフは初戦でフィリピンのジェイド・ボルネアに負け、そのボルネアと決勝で戦ったのが田中恒成だ。試合は13-15という惜敗で田中は銀メダル。アフマダリエフVS田中もありえたのだった。