7月29日についに統一戦
テレンス・クロフォードVSエロール・スペンスJr
がありますが、海外が粋なのはその前にも豪華な試合を組んでいることです。しかも同日、でも主催、会場は違います。
7月8日
バージル・オルティスVSエイマンタス・スタニオニス
エイマンタス・スタニオニス
現WBA世界ウェルター級レギュラー王者
14勝9KO
リトアニアの28歳
2022年4月16日、ラジャブ・ブタエフと対戦し、12回判定勝ちで王座獲得
だが、この試合はブタエフの勝ちでもおかしくないものだった。
若く、無敗の元アマチュアエリートです。
正面衝突、ガードが固く、フィジカルが強く、ボディも強烈、いいファイターです。
バージル・オルティス
19勝全KO無敗
世界王者を期待されるGBPのプロスペクト。
ハードなサバイバルを全部KOで勝ってきた、ボクシング主流のメキシコ系アメリカン 25歳
スタニオニスが王者で、オルティスが遂に世界戦を迎える試合ですが、人気、オッズはオルティスだろう。強敵相手に全KOでここまできた。ライアン・ガルシアほどではないけどお金が動くスターとしての期待値が高い。
両者は基礎がしっかりしているが、我慢強く、激しく打ち合うタイプなので噛み合うだろう。どちらがよりタフか、精神力が上か、みたいな打ち合いになる。
ここまでの過程はオルティスの方が素晴らしいが、過去の相手は元王者だったり、トップだがやや落ち目だったりで、スタニオニスは正真正銘、今が旬の選手だけに、頑張って勝ち続けてきたオルティスの快進撃が続くとは限らない。
正面衝突で、エネルギッシュで、結果を出し続けているオルティスの姿勢は好感が持てるが、ここは不遇のリトアニアン、スタニオニスを応援しよう。
日本人が手本にすべきオーソドックスにしてフィジカルもメンタルも屈強な2人。
スタイルに意外性は皆無。
ジャロン・エニスVSロイマン・ヴィラ
ジャロン・エニス
現IBF世界ウェルター級暫定王者
30勝27KO
バージル・オルティスと並ぶ、次世代の王者筆頭候補で、メキシコ系のオルティスの方が人気や期待値は高いだろうが、いくらオルティスが完璧な結果を出しているとはいえ、内容をみるとエニスこそ本命、最強と言わずにはいられない。
どんな試合も余裕があり、左右関係なく、しかもパワフルで申し分のない、神がかった強さを披露している。そのスケールは井上尚弥の次元に似ている。
クロフォードもスペンスも超えちゃってるんじゃないか、凌駕するならこの男と本命視されている。だからこそ、なかなかチャンスがなく、前戦でやっと暫定王座を得たが、守備的な相手に珍しく判定勝利で終わった。
個人的にもウェルター最強と支持するが、兄弟でジャロンだけ成功していること、ロイ・ジョーンズJrのような脆さや綻びがあるんじゃないかという点が気になる。
なぜこんなにも強い男が五輪にいけなかったのかと調べると、ゲイリー・アントワン・ラッセルだけには分が悪かったようだ。
調べた限りは1勝3敗。
しかしアントワン以外には全勝だ。
ロイマン・ヴィラ
26勝24KO1敗
誰よそれ、というコロンビア人だが、前戦で無敗プロスペクトのラシディ・エリスを破ってチャンスを得た。すんごいタトゥーでいかつい、マフィア映画に出てきそうな風貌と脅威のKO率を誇る。
エリス戦はスピードとテクニックに翻弄されて負けペースだったが、頑丈なフィジカルで耐え抜き、最終回にダウンを奪って僅差で逆転した。ポイントだとそれでもエリス勝利でしょという内容だったが、勝ちは勝ち。
漫画のような、天才黒人に勝つにはこれというお手本のようなファイト、結果となった。このくらいのレベルになると日本の強打者よりも強打者なのではないだろうか?そしてさらにタフ。
ジャロン・エニスの自在なファイトにヴィラが耐え続け、一発ぶちかませるかどうかだけが見どころのファイトになるだろうが、エニスはパワーもエグイので耐えるのはきついだろう。しかしヴィラには唯一無二の魅力があるので、いい組み合わせだ。
チャンスは得たが相手は怪物ジャロン・エニス、しかし臨むところじゃないかのヴィラを応援せずにはいられない。
エリスは食ったがエニスは厳しいだろう。
佐々木尽がウェルター級で世界王者になる最初の日本人、クロフォードに勝てる気がすると言ってましたが、頑張ってください。確かに彼かアンディくらいしか日本で世界のウェルター級は期待できない。
まずはロイマン・ヴィラあたりに勝てるのかどうかだろう。