ウェルター級のベストを問う動画がアップされたので、こちらを再アップ。パッキャオがサーマンを破り、スペンスVSポーター、クロフォードVSカバラウスカスと続きますが、米国外のウェルター級が頂点に立つ日が来ることを夢想している。
さて、スペンス、P4Pトップ3くらいには上昇したのでしょうか?
無駄なくフィジカルも強く最強のウェルターだとおもわれますが、やはりテレンス・クロフォードとの対戦こそ頂上決戦です。しかしその試合は遠い未来に先送りされそうです。
ミドル級はDAZN、ウェルター級はPBC、特にアルヘイモン傘下の米国人、お馴染みの顔ばかりですが、そこだけで本当に世界最強のウェルター級と言えるのでしょうか?個人的に度々口にしている、アマの格上、旧共産圏などの選手がどうなっているか、毎度ですが今一度確認してみよう。それぞれにキャリアを重ねているはずだから。
[st-card id=22481 ]まずはリオの金メダリスト、ダニヤル・イエレウシノフから
ダニヤル・イエレウシノフ
Daniyar Yeleussinov
6勝3KO
直近の試合ではかなりキャリアのある雑草選手を圧倒、ダウン奪うも判定まで粘られました。
数値的にはエロール・スペンスと互角だし、多彩な角度からしつこい、ミラクルともいえるパンチを出し、実に狡猾、やりにくい。
さすがは五輪金だけあって抜け目ないファイトでポイントメイクには長けているとおもいますが、やはりまだフィジカル、パワーに頼りなさも感じてしまいます。
怖いというより嫌らしいのだ。
シャフラム・ギヤソフ
Shakhram Giyasov
7勝6KO
リオではイエレウシノフに敗れ銀メダルも、その後勢いは増し世界選手権金、アマのクロフォード的存在のロニー・イグレシアスを完封して頂点に輝いた。
派手さがありKO率は高い。かつて三浦と世界戦をしたエドガー・プエルトあたりには楽勝だが、この人もスーパーライトとウェルターを彷徨っているようで、フィジカルが中途半端な印象。格下にはド派手に勝つが、屈強な相手にはどうなのかがこれから試されることになる。
アレクサンダー・ベスプーチン
Alexandr Besputin
12勝9KO
https://www.youtube.com/watch?v=WlfT8am0kL0
トップランク所属でWBA一位だからいつ挑戦してもおかしくない位置にいる。しかし王者はサーマンとパッキャオ。
両者ともにベスプーチンなど眼中にないだろうし指名戦をオーダーされてもガン無視されるだろう。
破壊的なロマチェンコのようなスタイルで格下には恐ろしく強いが、直近のアブレウのような屈強でやりにくい選手には手を焼いた。
サイズも小さい。しかしこの男と米国エリートの激突が今後の指標になるだろう。
今年中の世界挑戦を願ってやまない。
ジョシュア・ケリー
Josh Kelly
8勝6KO
https://www.youtube.com/watch?v=4w3UfcZmjh4
英国ボクシングファンが、エディ・ハーンが何としてもスターにしたい英国の至宝。
ルックスだけじゃなくハメドライクなボクシング能力はホンモノだ。サイズもスペンスに負けていない。
しかしこの能力をしてもアマの頂点レベルには屈しており、トップレベルとの練習では色々と課題もあるのだろう。
格下には通用するが、ハメドスタイルはハメド以外ウェルター級のエリートレベルには通用しないとおもわれる。
これからはどんどん苦戦、ディフェンスにケアしたオーソドックススタイルに変えていくとおもう。
そして減量苦だろう。
エイマンタス・スタニオニス
Eimantas Stanionis
8勝5KO
リオの2回戦でギヤソフに敗れた。
同国のエギディウス・カバリャウスカスと同じくリトアニアの伝統か正直なファイターボクサーでパワー、フィジカルが武器。
激闘型で試合はエキサイティングだが、AとC(サーマン、ポーター)には通じそうでもFとO(スペンス、クロフォード)にはスキル、スピード負けしそうだ。
若いので持ち味であるフィジカルをどこまで伸ばしていけるかだ。ボクシングが正直すぎる。
モハメド・ラビ
Mohammed Rabii
9勝5KO
リオではギヤソフに敗れ銅メダルだが、その後ケリーやイエレウシノフを下して世界の頂点に立った。
天才、伸びしろという点でとても注目しているが、モロッコ→フランスという環境で世界のウェルターの頂に到達するとはおもえない。
米国で大型契約できてからだろう。
ラズハブ・ブタエフ
Radzhab Butaev
11勝9KO
https://www.youtube.com/watch?v=v4pITPtXXSI
五輪や世界選手権組ではないが、ベスプーチンという切り札と並んでこの男がもっともプロになじみフィジカルが出来ていると密かに注目している。
エリートレベルとそん色ない、あるいは凌駕するアマチュアキャリアがあり、プロでも常にKOを狙う破壊スタイル。
米国に移住しエリートレベルとの練習でも自分より速い選手はいないと豪語する。
無名で強すぎて無冠の帝王街道まっしぐらになる可能性もある。
その他
セルゲイ・ラブコビッチ(ロシア)
エギディウス・カバリャウスカス(リトアニア)
スレイマン・ディオプ・シソコ(セネガル→フランス)
バラージュ・バッチュカイー(ハンガリー)
タラス・シェレステュク(ウクライナ)
ヴィガス・クリシャン(インド)
カーマン・リジャラガ(スペイン)
チュラニ・ムベンゲ(南アフリカ)
ジャマル・ジェームズ(アメリカ)
ラシディ・エリス(アメリカ)
ジャロン・エニス(アメリカ)
バクティアール・ユーボフ(カザフスタン)
ゴア・エリツィアン(アルメニア)
など、世界中に無視できないウェルター級がたくさんいる。
しかしベルトは米国、毎度お馴染みの顔で回っている。
スペンスは強い
クロフォードは巧い。
サーマン、ポーター、パッキャオ・・・ちょっと信用に欠ける・・・
そんなウェルター級、本当におなじみのメンツだけでいいんでしょうか。
どうすればこの輪に食い込めるのか?
やはり暫定やらゴールドやらの王座からジワジワしかないのかなぁ。
せめて団体は指名試合を指令し、金になる選手への特別措置はやめよう。
そうすれば、対戦か返上、はく奪しか道はなくなる。
スペンスが苦戦する、ボコボコに打たれるシーンとか観てみたいのだ。
きっといるでしょう、世界には。
アメリカじゃなーい!!