このやや長い記事は多くのボクシングマニアの共通認識だろう。
ロマチェンコVSマイキー?
ロマチェンコVSゲルボンタ?
いや恐らく最も現実的なのは
ロマチェンコVSコミーであり
ロマチェンコVSテオフィモなのだ。
[st-card id=58517 ]あと数日でワシル・ロマチェンコとアンソニー・クロラのWBAライト級スーパー王座の試合がある。率直にいえば、アンソニー・クロラでは物足りない。指名試合なので、それはロマチェンコのせいでもなければボブ・アラムのせいでもないのだが。
愚かなWBAはワシル・ロマチェンコをスーパー王者に格上げし、2週間後にロバート・イースターVSランセス・バルテレミで正規王座戦を組んだ。なぜ同一団体に複数の王者が必要なのだろうか。
ロマチェンコとボブ・アラムのパートナーシップは6年に及ぶ。
ボブ・アラム
「理解して欲しいのはロマチェンコは米国人ではない、東ヨーロッパの人間です。東ヨーロッパの人間というのはタイトルにこだわり統一戦に拘るのです。簡単に返上などしないのです。」現在30歳のロマチェンコはライト級の統一を望んでいる。既にWBAとWBOの王者であるが次はIBFを狙っている。
IBF王者のリチャード・コミーとの対戦が本来観られるはずだった。コミーの怪我によりクロラ戦がセットされた。コミーのプロモーター、ルーディベラは2019年末に起きるであろうロマチェンコとの対戦を前にコミーにチューンナップ戦を挟みたいと申し出た。
より大きくて破壊的なコミーはロマチェンコにとってはアンソニー・クロラよりは興味深い相手だ。ホルヘ・リナレスに2度判定まで生き残り健闘したクロラでさえ、VSロマチェンコ戦のファン投票では1-100のアンダードッグだ。ロマチェンコはクロラとの試合をクリアし、コミー戦でもうひとつのベルトを獲得することを目指している。
しかし、その既定路線はロマチェンコのキャリアをやや停滞させるしつまらないものにする。文字通りの意味ではない。もちろんロマチェンコのアスリートとしての能力、スキルはいつみても痛快だ。しかし、予定調和はファンに退屈をもたらす。ペドラサやクロラ、コミーではなくロマチェンコがテストされるのが観たいのだ。シンプルにいえばロマチェンコは伝説的な戦いに突入すべきなのだ。
フェザー級、スーパーフェザー級で圧倒的だったロマチェンコはリナレス戦で3階級制覇を果たすも、ライト級ではなくスーパーフェザー級が適しているようにみえた。
ロマチェンコに今必要な相手は2人、マイキー・ガルシアとゲルボンタ・デービスだ。
ボブ・アラム
「ウェルター級で負けて出戻るマイキーにどれほどの価値があるだろうか、マイキーの進む道はわかりません。」たとえマイキーがライト級に戻ってきても、彼とボブ・アラムの今までの確執からスンナリ試合が決まることはないだろう。一方のゲルボンタ・デービス率いるメイウェザープロモーションはロマチェンコとの対戦に対してあちこち揺れた言動を繰り返すばかり。
テオフィモ・ロペスに話題を移そう。
実績のあるロマチェンコは若いロペス戦など今のところ眼中ないだろう。しかしロマチェンコにはテオフィモが必要だ。急上昇中のテオフィモは興行収入でもPPVでもロマチェンコに魅力的なお金をもたらす。名声を確立するために急いではいないロマチェンコと対照的にテオフィモの人気、宣伝価値は高い。パワーパンチャーのテオフィモは真のスターになるための野心に満ちている。
ロマチェンコVSテオフィモは市場価値が高いが、それを実現するためにはテオフィモにあと少しのキャリアが必要だ。今月20日にはエディス・タトリとの試合は予定されている。タトリ戦をクリアしてもテオフィモにはより厳しい相手との対戦が待っているだろう。勝ち続ければロマチェンコとの試合はより価値が上昇していく。
ボブ・アラム
「ロマチェンコVSテオフィモは起爆剤だ。これに勝てばロマチェンコの勢いは増すだろう。先日、テオフィモの父親と話をした。4月に勝って7月にメインイベントを行う。その後年末にかけて、スーパーボウルが終わった頃、ロマチェンコVSテオフィモをやろうとおもう。きっと実現できるでしょう。」若いテオフィモ・ロペスはロマチェンコ戦を急いでいる。ライト級の維持が難しく、スーパーライト級に上げる計画があるからだ。上がってしまったらもうそこはロマチェンコの階級ではなくなる。」
若いテオフィモももちろん、自身がスーパースターになるためにはロマチェンコが必要だと理解している。ロマチェンコにとっても、偉大なキャリアとやや停滞した現状の今、利用可能なオプションの一つとして同様にテオフィモを必要としている。
わかりきった記事なので、端折り要約にまとめましたが、互いを挑発しても結局やらないトップ連中ばかりなので、ワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペスは今年末のビッグカードとして実現可能性の高いマッチメイクなのだろう。互いにファンの期待、疑問に応える究極の対戦相手であるからだ。
ボクシング能力の奥行きの違いでテオフィモ・ロペスではロマチェンコにはとうてい敵わないと感じているが、テオフィモの突出性はフィジカル、パワー、相手のパンチなど痒くもないような自信と見切りのよさなので、そこに特化してみるとどんな結果になるかはわからない。
最近書いてきた事と同じでテオフィモ・ロペスにもバトル・サイボーグ的な不気味さを感じるのだ。
そして最近はそういうボクサーが幅を利かせ始めている。
フィジカルを鍛えるのは別にオクスリが必要なわけではないし
どうなんでしょうね。
明らかになるまではグレーのままですね。
こんなコメントもあったが、ただ単純にフィジカルやパワーが凄いだけではなく、反応、スピード、耐久力、全てが異次元化しているのだ。
ロマチェンコとすれば、技術で負ける相手ではないが、テオフィモ・ロペスやゲルボンタ・デービスというのがどこまで破壊的なのか、超人なのか、肌を合わせてみるまでわからないという懸念だけはあるだろう。リナレスやペドラサ戦で階級の壁を思い知ったロマチェンコにとって、唯一の懸念事項はそこだけだ。