帰り路をなくして
明日はどこに向かうのだろう
ジョン・リエル・カシメロはフィリピンに帰国したい。
しかし長いフライトでコロナウィルスに感染したくないので太平洋横断を恐れている。カシメロは井上尚弥との対戦に控え、ラスベガスに滞在し最終調整をしていた。カシメロ
「私はもう部屋から一歩も外へ出ていません。誰かが食料を買ってきてくれます。私の実家はフィリピンの山の中ですから静かで問題がありません。人が群れていません。」フィリピン、オルモック出身の31歳、カシメロはこの試練の最中、家族と過ごしたいと願っている。しかし、安全上の懸念に加えて、渡航制限、財政的問題がマニラへのフライトを妨げている。
カシメロ
「アメリカは危険だ。多くの人がウィルスに感染している。空港、飛行機の中で感染してしまうかもしれない。試合の目処もたたないからフィリピンに帰りたいよ。」カシメロは3月中旬にラスベガスに移動するまでマイアミでトレーニングキャンプしていた。
アメリカ(特にニューヨーク)と日本ではコロナウィルスの被害状況と人々の認識にかなり差がある。世界一の感染者数、死者数となり(中国の数字は全くあてにならないが)悲惨な状況のようだ。
まだ、マイアミに残っていた方がマシだったものを。
人生最高の瞬間は起こることもなく、得るはずだったファイトマネーもなく、練習に費やした情熱とお金だけ消えていく。
帰り路をなくして
明日はどこに向かうのだろう
鬼束ちひろ特集になってしまったのは偶然です。