昨年ふとはじめた不完全ガイドのきっかけは長谷川穂積奇跡の3階級制覇で、その頃魅力的な階級であったSバンタムを予習してみたかったのでした。しかし防衛することなく引退してしまいました。
割り込んでとった王座だから、権利のあったレイ・バルガス(現王者)とやって引退だったら勝っても負けても最高でした。今年は、昨年までは黄金の名が泣くさみしい顔ぶれだったバンタム級ではじめてみたいとおもいます。
なぜなら、Sフライを踏み台に遂にビッグマッチが実現しなかった世界の井上尚弥が挑戦者として新たに挑む階級だからです。が、1年経ってないので、そんなに代わり映えしていないはずです。
世界ランク15位以内の選出です。ランク外のトップアマは入っていません。山中以外の元王者や有名どころ、(パヤノ、ウォーレン、サキヤノフ、ハスキンス、ブトラー)敗戦多く脅威ではない選手は見送りました。
[st-card id=6765 ]WBC王者
ルイス・ネリー
25勝19KO
23歳
パワー:★★★
テクニック:★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★
戦術(キャリア):★★★
メンタル:★★★★
ここに書くのがためらわれる、ドーピング据え置き王者。
3月に山中との再戦が確定と言われている。
メキシカンらしくなく上体を柔軟に動かし黒人的な柔らかさでボディワークを交えて大きなパンチを連打してくるサウスポー。
前進手数のエネルギッシュなスタイルなので、下がると良さが消える。攻撃に凄みはあるが、ジャブやカウンターは食いやすい。
攻撃力で相殺する強引なスタイル。鋭利なジャブやストレートで止められれば脅威ではない。
過去試合みても、ロープに下がったり、反撃を食らうとロクなことになってない。よくダウンもする。なので、下がらせたい。下がって「ちくしょう、こんなはずじゃない」と向かってくるところをガツンと行きたい。クールに強いタイプではなくアドレナリン型だ。(それがドーピングなのかも)
WBA・IBF王者
ライアン・バーネット
18勝9KO
25歳
パワー:★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★★
タフネス:★★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★
https://www.youtube.com/watch?v=e6bwNv1tndo&t=104s
ランカーではトップクラスのアマ歴があり一番脅威と感じていたが、あっという間に2冠王者になった。が圧巻というよりは狡猾なマッチメイクで2冠を拾った形。井上尚弥より上の舞台で活躍していた同階級のトップアマといえる。
相手に合わせて負けない試合運びをし、勝利のためにはクリンチ多用。退屈な展開も辞さない安全運転スタイルであり、全く印象に残らない試合であったが、それができるのは常に相手より上のスキルとパワーがあるからだろう。
やけにせこい試合運びなので、打たれ脆いか自信がないのか、既に井上はこの男を超えているとおもわれるが、負けにくいボクシングをする事は確か。プロモーターに守られてリスキーな試合は敬遠しそうだ。
WBO王者
ゾラニ・テテ
26勝21KO3敗
29歳
パワー:★★★★★
テクニック:★★★★
スピード:★★★★
ディフェンス:★★★
タフネス:★★
戦術(キャリア):★★★★
メンタル:★★★★
https://www.youtube.com/watch?v=56JRAMmPiZc
長身強打のサウスポーで、一番怖いといえる2階級王者。3敗してるが実質1敗である。11秒KOの世界記録のせいで、怖さに拍車がかかった。強敵とのキャリア、アウェーでの実績を考慮すると階級ナンバーワンである。
強い相手ばかりと戦ってきたが、いつも圧勝とはいえない。最近の倒しっぷりが怖いだけで試合が長引くこともある。
南アでファイトマネーが安く、長身パンチャーなので受けてくれる選手が少なく、不遇の王者でもあるので、井上の挑戦も歓迎の姿勢。WBOSフライ王者であった井上が最も挑みやすいのがこの王者であるはずだ。
周囲の思惑が邪魔しなければ、井上はテテへの挑戦が決まることでSフライの王座を正式返上となるはずで実現しないとしたら、誰かが待ったをかけた事になる。
私的ランキング
①ゾラニ・テテ★26
②ライアン・バーネット★26
③ルイス・ネリー★22
注目の選手
山中慎介
27勝19KO1敗2分
35歳
勢い、年齢的に、ルイス・ネリーに屈した不可解なストップが世代交代となりその差を広げそうだが、そんなの気にせず、最高のコンディションを作り、己のジャブと左ストレートを磨けばきっとネリーには雪辱できるだろう。
長谷川穂積のように勝っても負けてもこれでラストファイトになる予感。
https://www.youtube.com/watch?v=5kc2_wa9J1g
エマニュエル・ロドリゲス
17勝12KO
25歳
ずっと世界挑戦を伺うトップランカー。
プエルトリコのホープにはずれなし。
攻撃的な正統派で完成度が非常に高い。一番の脅威。
右も左もカウンターのタイミングを持っている。
ペッチ・ソー・チットパタナ
44勝29KO
24歳
無冠でメイウェザーの記録に迫る勢いのタイ人。しかし全てタイで強者との対戦は皆無。
ムエタイベースのファイターかとおもいきや丁寧なサウスポー。しかし凄みも火力もない。脅威とはいえないランカー。
マーク・ジョン・ヤップ
28勝14KO12敗
28歳
日本でおなじみのフィリピンボクサー。
戦績よりは骨があり、世界ランカーの名にはじない。
勝ってる試合も日本で何度も負けにされてきた。
普通の日本人なら彼をバンタムの査定試合に選びそうだが井上には物足りない。
ノルディン・オウバーリ
13勝10KO
31歳
元、北京、ロンドン五輪代表のモロッコ生まれのフランス人。
アマではビッグネームと勝ち負けを演じており、要警戒な選手だろう。
しかしフライ級上がりでかなり小柄なのでそこまで脅威ではない。
穴王者にならすぐ勝つだろう。ランカーではトップクラス。
https://www.youtube.com/watch?v=uDk8jMwuEYo
井上拓真
10勝2KO
22歳
兄と同じ階級になってどうするんだろう?
非力な選手と勘違いされそうな戦績。
接戦の判定男の皮をなかなか破れないのはなぜだろう?
いいキャリアを積んではいるが。
https://www.youtube.com/watch?v=96U1O3OQovk
マイケル・ダスマリナス
27勝18KO2敗
25歳
フィリピンの選手で自国やシンガポール、中国などで試合をしている。
昔日本の木村隼人とも戦っている。
フィリピンのこの手の選手は伸びる、パンチが強い。無視はできない。
デューク・ミカー
21勝18KO
26歳
ガーナのロンドン五輪代表。マイケル・コンランに負け。
オウバーリもコンランに負けている。
ガーナ発、無敗のプロスペクトでKO率高く、ホリフィールドに買われて米国デビューも果たした。しかし米国デビューはMD勝ち。
クォーティーには遠く、クロッティがせいぜいといった印象。
ステフォン・ヤング
17勝7KO3分
29歳
五輪に届かなかった米国トップアマ。
いわゆるスリックな黒人ボクシングで筋はよくみえるが、アントニオ・ニエベスやニコライ・ポタポフと引き分けているので、その程度なのだろう。爆発的でなくややおとなしめ。
https://www.youtube.com/watch?v=hG2hicSV-mw
ジェイソン・モロニー
15勝12KO
26歳
たしか双子でアンドリューという方も全勝ホープ。
オーストラリアのトップアマ
いわゆるオーソドックスに好選手という感じだが、ジェイミー・コンラン的で小さくまとまっている。怖さはない。
イェイソン・バルガス
16勝11KO
27歳
全勝のコロンビア人だが、国内格下ばかりで映像もない。
ムズブキル・マグワカ
20勝11KO3分
南アの年齢不詳選手。
仮想ゾラニ・テテか?
例によって亀3とやったナイジャラを踏み台にランク入り
(シボニソ・ゴニャも同じだった。)
対戦者の中にマカゾレ・テテなる南ア人がいるがゾラニの兄弟か何かかな?
長身でパンチは伸びるがスローだ。
正直タレントは少ない。
井上尚弥
ゾラニ・テテ
ライアン・バーネット
ルイス・ネリー
山中慎介
エマニュエル・ロドリゲス
の6強だろう。
個人的には井上と山中にとり
ゾラニ・テテ
エマニュエル・ロドリゲス
この2人が不気味で、あとは問題ないとおもわれる。
テテは不遇への反発か、やけに自信満々であり、
エマニュエル・ロドリゲスの試合に注文はない。
でも、井上の次元ではないのかもしれない。
軽く上を行くのかもしれない。
山中VS井上を個人的に望んでいず、実現もしないとおもうが、井上はバンタムも問題なく通用するようならとっとと通過点にして次の階級に移るべきである。魅力的な選手が少ない。
大橋会長がまた意味深な事をいっていた。
「バンタムでベルトを3つとって統一するのが目標だと」
4つでなく3つ
ひとつは狙わないようだ。
バーネットが2冠だからこれを含むCかOという事だが
ネリーとはやりたそうだから、WBOのテテは無視という事なのかな?
しかし、エディ・ハーン相手に交渉が成立するとはおもえず
ネリーか山中かテテしかない。
さて?
その他、
上記以外では
ノルディン・オウバーリ
が次点です。
ナルバエスVSテテの内容待ちですね、まずは。