虹色プライムタイム/クリス・コルバート

アメリカの有望なプロスペクトの紹介です。一部マニアの注目リストには既に入っている大物候補ですが、フェザー級~ライト級にクレジットされており、どの階級が主戦場なのかが気になります。

クリス・コルバートはプロキャリアでまだ最高のパフォーマンスは訪れていないと感じているが、これまで2つのパフォーマンスに満足している。オースティン・デュレイ(11勝8KO)戦とジョシュア・エルナンデス(8勝1敗)戦だ。

コルバート
「アル・ヘイモンはデュレイは私にとって試練になると言いました。彼は強く私をノックアウトするだろうとも言われていましたが、私は、ちょろい試合だと言ってその通りに彼をノックアウトしました。エルナンデスは勇敢だったので全てのラウンド戦うことになりました。楽しくていい試合になった。」

最悪の試合は直近のアルベルト・マチャド(16勝2敗)との試合だ。

https://www.youtube.com/watch?v=Mar-Mnf_XK0

コルバート
「肺炎で体調が悪かった。ノックアウトできたかもしれないけど私の身体がそれを許しませんでした。」

今週土曜日、コルバートは元2度の世界挑戦者、ミゲル・ベルトランJr(33勝7敗)と対戦する予定だ。急成長を遂げている22歳のコルバートは相手のレベルが上がっても勝利を確信している。

コルバート
「いつか来る大きな試合に向けて私は前に進んでいくだけです。誰でもどこでも戦わなければならない。ミゲル・ベルトランを分析するのに1~2ラウンドもあれば十分です。それからはもうゲームです。楽しむだけです。相手をノックアウトしようとはおもっていません。私は決してノックアウト宣言はしない。支配的に勝利する。それは保証できます。」

ベルトランは2007年にプロに転向し22連勝を記録。その中にはミゲル。ローマンに対する勝利も含まれる。23戦目でジャクサン・エルナンデスに初めて負けるも勝ち続け、時の王者ファン・カルロス・サルガドに挑戦。ノーコンテストで王座戴冠ならず。サルガドとの再戦が実現せず、別の王者、ロマン・マルチネスに挑戦。勝利に値する試合にみえたが結果はスプリット判定負け。この敗北以降、ベルトランは輝きを失い、最近は6勝5敗と低迷している。

しかし前戦でユリオルキス・ガンボアとも戦っている経験豊富なベルトランはコルバートにとっては大きな学習曲線になるだろう。ブルックリンのコルバートに自信をつけさせる丁度いいテストといえる。

クリス・コルバートはアマチュア戦績103勝3敗。5度の全国王者でリオオリンピックトライアルの資格を一番最初に獲得した。しかし彼自身はアマチュアで目立つことができるとは考えていなかった。

コルバート
「2015年5月にプロになりました。アマチュアを続けたくなかった。アマチュアにはあまりにも多くの政治力が働き、私は誰のコネもなかった。彼らは自分が出したい選手をオリンピック代表に選ぶのです。私には順番がまわって来ない。」

最終的には、シャクール・スティーブンソンがコルバートの階級でオリンピック代表を勝ち取った。

アマチュア時代には、ブランドン・フィゲロアやミハイル・モンゴメリーに負けた過去がある。プロになってからは、ギジェルモ・リゴンドー、カール・フランプトン、ファン・カルロス・パヤノらのスパーリングパートナーを務め貴重な経験を積んできた。それらのセッションを想い出すとコルバートは遊び心たっぷりに言った。

コルバート
「スパーリングはあくまでスパーリングです。実際の試合とは違います。私が相手をボコボコにしたら、もう金は払いたくないとパートナーをクビにされてしまいます。」

スイッチヒッターのコルバートの一番の強みはインテリジェンスであると考えている。

コルバート
「脳みそ使うことです。スピードやパワーのあるファイターは多くいますが頭のいいファイターはほとんどいません。自分はそこが違うとおもっています。」

コルバートが2回でマリオ・ブリオーネを倒した試合をみた殿堂入りの元王者レイ・マンシーニはコルバートをまるでパーネル・ウィテカーのようだと例えた。

ブルックリン出身の元2階級王者のポール・マリナッジはコルバートの事をよく知っており、来年が勝負の年になると考えていいる。

マリナッジ
「クリスは若き有望株です。あと1年で世界挑戦圏内に来るとおもう。」

クリス・コルバート
「正直に言うと出世を急いでいるわけではありません。若いのに世界戦を急ぐ多くのファイターが、まだ準備、レベルが足りていないことも多いです。私の身体がそれを求めた時、神がそれを求めた時、アル・ヘイモンがそれを求めた時が勝負です。私には素晴らしいチームがあり、彼らが私の正しいタイミングを見極めてくれます。」

コルバートはスキルフルでゲーム支配力は圧倒的だ。彼に欠けているのはパワーであることは明確だ。それでも最近は強敵に印象的なノックアウト勝利を収めておりパワー不足も解消されつつある。

コルバート
「正直、欠けているのはワンパンチノックアウトパワーのインパクトだけです。私は強打できるしアウトボックスできるし相手の裏をかくこともできます。そこを進化させることはできますがあまりパワーばかりに依存しません。パワーがあろうがなかろうが、パンチを当てなければはじまりません。」

ニューヨーク、ブルックリンで生まれ育ったコルバートには母に10人の子供、父に3人の子供がいる。父親はメキシコ人でボクシング経験者だ。

地元でのタフな生活を経て14歳でボクシングに辿り着いた。

コルバート
「ボクシングを始めた理由は元々毎日ストリートで戦っていたからです。私は小さいのでよくからかわれました。ただ誰かと戦いたくてジムに行った。リングがあるだけでコーチがいるとは知らなかった。初日に60戦くらいのキャリアがあるアマチュアとスパーリングした。結構頑張ったけど打ち負かされた。それで毎日ちゃんとボクシングがしたくなりました。」

そのうち、フロイド・メイウェザーのファイトマネーの話を聞き興味はさらに刺激された。

コルバート
「フロイドは人を殴って大金を稼いでいる。私はストリートで人を殴って何も得ていない。よしやってやろうとなったのです。」

コルバートのアイドルは、アンドレ・ウォード、バーナード・ホプキンス、メイウェザー、ウィテカーなどだ。

最初の頃は、ホプキンスにちなんで「リトルBホップ」と呼ばれていたが、最近は「プライムタイム」というニックネームを好んで使っている。

コルバート
「史上最大のコーナーバック,ディオン・サンダースがその由来です。彼は「プライムタイム」と呼ばれていた。彼にボールを投げるのがみんな怖かった。空中に浮かんだボールを彼が掴むと家まで持って帰りそうな勢いだった。それをボクシングに当てはめてみたくなった。

トップファイターはみんな私と戦いたがらない。彼らはみんな俺の方が強いとか勝てると言うけど決して契約書にサインしない。みんな私を避けている。」

私が観た試合はフェザー級でBOXRECではライト級になっている。
身長173センチ、リーチ180センチはライト級で十分だが観た限り、フィジカルもパワーもライト級ではない。
アマチュアで負けたブランドン・フィゲロアはもっと背が高いがスーパーバンタム級で戦っており、アマではコルバートに勝ってシャクールに負けている。アマチュア103勝3敗というのはすごいが、まだ22歳、フィジカルや強みを鍛えて何級で勝負するかが鍵になるだろう。

虹色って書いたのは才能が虹色なのではなく髪の色ですわ。

ウィテカーになるのか、オーバ・カーになるかは紙一重だ。

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