先週末はこのライト級の両者が同じ日に戦い、ともに勝利しました。
シャクールは現WBC世界ライト級王者でウィリアム・セペダは主要4団体でトップコンテンダーです。
シャクールはこの試合を最後にトップランクを離脱しました。複数年で24億円という契約を蹴ってでも離脱しました。トップランクはワシル・ロマチェンコVSガーボンタ・デービスを画策していますが、ロマチェンコが一旦回避する、少し休ませてくれと言ってるそうです。
ウィリアム・セペダはもう31勝27KO無敗で世界戦が切望されるが、GBPのオスカー・デラホーヤはまずは一番組みやすそうな現WBO世界ライト級王者のデニス・ベリンチクに挑戦してセペダにタイトルを獲らせたいようだが、ベリンチクには別のプランがあるとかで、戦禍のウクライナに出向いての挑戦はさすがに難しいそうです。
セペダ自身はかつてはシャクールでも誰でもいいような事を言ってましたが、ロマチェンコを倒すとかイサック・クルスに挑戦したいとも言ってます。
つまり、シャクールとやりたいという相手がいないのです。
先日のシャクールの試合を観て、ある程度確信したことがあります。
「パンチを全部無効化して小突く人」
彼のファイトは分析からはじまる。初回KOとかあるんだろうか?
相手のパンチを全部かわして、あるいはキャッチして、動きを読んだら徐々に手を出していくが、まずほとんど相手のパンチをいなしてからモーションの小さな軽打を当てていく。
シャクールにとっては相手にガンガン攻めて欲しいのだ。そのほうがさばいて小突きやすい、これが彼が生み出した究極の無敵スタイルだ。
だから攻撃的なオスカー・バルデスや吉野修一郎みたいなスタイルは大好物だが、攻めてこない人、鋭い反射神経、スピード、パワーを持つエドウィン・デ・ロス・サントスには何も出来ないのだ。
攻めてこないだけでなく、かなり鋭い反射神経でカウンターを狙ってくる、そうなると自分から仕掛けられないのだろう。
あの試合は両者負け、あるいは引き分けのような内容だった。パンチの交換がなかったのだ。
シャクールとやりたい相手がいないのであれば、ウィリアム・セペダでいいだろうというのが識者の見解だ。ウィリアム・セペダはシャクールが大好物な好戦的にガンガン手を出してくるスタイルだが、その究極というほど手数が多く、アグレッシブなだけでなく上手さもあり、誰よりも激しいファイトをしてくるので、この手のタイプとしては最高峰だろう。ディフェンシブなボクサー型を崩すにはガンガンプレスして潰していくのが常套手段だが、シャクールにそれがあてはまるのか、むしろ、そういう相手を得意としているのではないか?セペダでさえ、問題にならないのだろうか?
クリス・アルジェリ
「シャクールは、故パーネル・ウィテカーのようだ。ウィテカーは、ノックアウト数の少なさについて一切謝罪せず、私に触れることも、私を傷つけることも、鼻血を出すことも、かろうじて汗をかかせることもできないと言った。」
ティモシー・ブラッドリー
「シャクールは偉大な世界王者だ」
ポリー・マリナッジ
「王者になりたいなら、シャクールは彼らを王者にしてくれる男ではない」
究極の無敵スタイルは凄いけど眠い。
これが新しいボクシングの手本になってしまうかもしれない。
「不眠症の人はシャクールの試合を観るといい」
ならばめちゃくちゃ激しくて上手さもある、全団体で1位の31勝27KO無敗のウィリアム・セペダでいいじゃないか、セペダにとっては厳しい挑戦だが、勝利で得るものはとてつもなく大きい。セペダのすごさもシャクールの本領も色々わかる、眠くない試合になるだろう。