最近奇妙だなとおもうボクシングの不思議のひとつが、P4P、大体一致してテレンス・クロフォードは2位から3位くらいの評価です。一方でエロール・スペンスJrは10位以内にようやく顔を出してきた程度です。マイキーを下し、リング誌だと5位になった。でも彼らの直接対決となるとスペンスの方が予想優位になりそう、個人的にも賭けるならスペンスだ。
なんていう不思議は置いといて、今日の記事
エロール・スペンスJrがマイキーに勝ったのを見届けた後、多くの人々と同様に、元HBOのボクシングコメンテーターであるラリー・マーチャントは、スペンスが2階級上げてより大きな男(ミドル級)と戦うことに強い関心を示した。マイキーがやったように・・・
それが、マイキーのように無謀なチャレンジだと言うつもりはない。スペンスにはそのくらいの才能があり、そしてそれは近い将来のカネロとの戦いを意味する。
しかしその前にスペンス(25勝21KO)にはテレンス・クロフォード(34勝25KO)と決着をつける必要がある。この試合こそがP4Pの議論を左右するファンが観たい試合だからだ。この試合を優先すべきではないか。
確かにその通りだが、現在88歳のマーチャントは必ずしもその試合は必要ないと考えている。クロフォードが対戦を先送りしている間に、スペンスは階級アップを必要とするはずで、メキシコのスーパースターとの対戦は避けられないと考えている。
マーチャント
「私にとってはそれが自然な帰結なのです。スペンスのスケールはウェルター級を超えている。スーパーウェルター級に上がっても相手を破壊するでしょう。スペンスVSカネロこそ実現可能な最大のビッグマッチです。昔から優れたウェルター級はミドル級に移行してきた。ミドル級にはもっと魅力的な相手やファイトマネーがあります。デラホーヤがバーナード・ホプキンスに挑んだ時はダメでしたが、デラホーヤはその試合を望んだ。カーメン・バシリオはシュガー・レイ・ロビンソンと戦いたいがためにミドル級にあげた。(バシリオが勝った)そのどちらの試合も否定しません。
たくさんの事例がある。エミール・グリフィスはカルロス・モンソンやディック・タイガーなど多くのミドル級と戦った。ミドル級でやったから負けたとか傷ついたとはいえないでしょう。誰もがビッグイベントが観たいし無敗神話に関心があるんだ。」
実際、エロール・スペンスは147ポンドオーバーで13試合している。キャリアハイは2015年のクリス・バン・ヘイデン戦で156ポンド1/2だった。一方カネロは身長もリーチもスペンスより短く、世界王者になる前は139ポンドでプロデビューしている。ウェルター級以下の体重で21試合している。
マーチャント
「カネロは大きなミドル級じゃない。もしスペンスが階級を上げるならスーパーウェルター級で査定してみるといい。カネロ戦に向けてのいいテストになるよ。」加えて、マーチャントはウェルター級がミドル級に挑む素晴らしさを強調する。シュガー・レイ・レナードVSマービン・ハグラー、ホセ・ナポレスVSカルロス・モンソン、アミール・カーンVSカネロ、マーロン・スターリングVSマイケル・ナンなどなど・・・
マーチャント
「私にとってはそれ(スペンスVSカネロ)こそがメガマッチなんだ。でもそんなに長く待てないけどね。」
クリス・バン・ヘイデン懐かしいな、スペンスの強打によく耐えていた。その後、米国で契約したとか。
よく知りませんが、ラリー・マーチャントというのはボクシング界の生き字引のような人だろうから、歴史を俯瞰するとスペンスVSカネロが自然の成り行きなのだろう。よくその歳まで(88歳)ボクシングに情熱を失わず、スペンスやカネロに熱い視線を注げるものだと関心する。私なら無理だ。
しかしカネロはもはや、ライトヘビー級のセルゲイ・コバレフの衰えとベルトまで視野に入れてるサイボーグだ。そんな男がスペンスなどを相手にするだろうか?スペンスはおろか、チャーロやハードも相手にしないだろう。
クロフォードの方がP4P評価が高いのに、直接対決ではスペンスの方が支持が高そうで、近い未来の対戦もなさそうであれば、より骨格のいいスペンスが階級を上げていくのは自然なことだろう。ロブ・ブラントも恐れるその強打をスーパーウェルター、ミドルという階級で観てみたい気もする。
それでも、クロフォードもスペンスも、やらねばならない相手は身近にたくさんいるはずだ。アメリカ、メキシコ人ばかりじゃないはずだ。まずはそういう相手、試合をどんどんこなして真の強さを証明すべきだ。