結果は予想外、しかし内容は懸念した通りという辛辣なものでした。
マルチネス相手にプエルトリコ初の4階級制覇を成したコットは称賛に値するが
マルチネスはもう引退だろう。加齢とダメージによる神経の劣化が顕著であった。
初回3度もダウンを屈したマルチネス。
その効きっぷりが普通でない。
さほどのビッグパンチともおもえぬ左フックだったが、頭からダイブし
もう下半身がガクブル。
何でも最初のダウンでめまいがして回復しなかったそうだ。
キャリア終盤の辰吉や長谷川にも似た、耐久力の低下、反射神経の鈍り。
効かされて震える足では強いパンチも打てず、コットの慎重な試合運びにより
試合は長引いたがWBCでなければ初回で終了という完敗劇でした。
怪我による14か月ものブランク、その間に治癒しスパーリングもこなしたのだろうが
神経の劣化や耐久力の低下は感じていなかったのだろうか?
本人にしかわからないことだが、よく言われるダメージの後遺症を感じずにはいられぬ内容でした。
二人のキャリアを考えると
パッキャオやトラウトに完敗したコットがマルチネスを圧倒するなど考えられず
スーパーライトやウェルターの選手がミドル級より強いという認めがたき結果となったが
果たしてコットがそんなに強いのか、ミドルでも倒すパンチャーなのかは
今後を見守るしかないであろう。
それはさておき、スーパーライトやウェルターがかなりのタレントが揃った激戦区であることは間違いない。
マルチネスにはその芸術性の高いクールなスタイルに大いに刺激を受け熱狂させてもらったが
数年前からミドル級はGGGが上だという現実に認識が変わってしまった。
マルチネスほどのビッグファイトをしてきたわけでもないGGGに加担してしまうのは
やはり年齢や勢いを感じるからだろう。
これもひとつのボクシングの醍醐味であります。
マルチネスに匹敵するレジェンド、コットの再浮上を喜び、楽しませていただくしかありません。
GGGはまだしもピーター・クイリンあたりとはハンデ戦かといえるほど体格に差がありますが
パッキャオをはじめ、小が大を制する、中量級はすっかり小型化しつつありますね。
ウィルフレド・バスケスVSマルビン・ソンソナ
スプリットだがソンソナがリベンジ成功
あれだけの負け方をしてリベンジしたのはすごいな。
ソンソナがフェザーでトップを張るとはおもえないが、才能はドネアに匹敵するまぶしいばかりの選手だということはわかる。
彼が正しい環境で精進すればビッグネームを凌駕する結果を残せるだろう。
バスケスはドネアに惜敗してからパッとしない。
このままでは親父を超えることはできないどころかこのまま消えてしまいそう。
親父譲りのパワー、才能は十分備わっているのにな。
体格的にフェザーではなくてSバンタムで出直した方がいいのではないか?
ダニエル・ポンセ・デレオンVSミゲル・ローマン
復活の足掛かりにしたい試合で負けてしまった。
ローマンは世界挑戦もある実力者だがポンセとは実績が違う。
荒く、正確性に欠くローマンの攻撃でポンセがフラフラになってしまった。
彼もまた歴戦のダメージでピークを過ぎた感がある。
これで引退となってしまうのかな?
ポンセだけにしか負けてないタイのソッドという選手は今度リコンドーと戦うそうだ。
ポンセ戦の経験を生かして頑張れよ。
敗れたものの方が結果としてキャリアが長いというのはよくあることだ。
最短記録ばかりに固執する日本人の教訓だ。
早く王座につけば引退も近いということだ。