ファイトなき時代のファイター ベスト10

ファイトなき時代の退屈しのぎに。
これが現在のボクシングの10傑だ。

もちろん個人的な10傑とは異なるが、世界中の世論、評価はほぼほぼこんな感じだ。

10 アルツール・ベテルビエフ 15勝全KO

熊のように屈強でパワフルでタフ。フィジカルが強い。生き物として強いチェチェン人。ライトヘビー級に現れたゴロフキンのような男だが、避けられる傾向が強く、15戦で35歳。ピークかピークアウトの年齢だ。

9 ゲナディ・ゴロフキン 40勝35KO1敗1分

個人的にはカネロに対する1敗1分はなく、未だ無敗でいい。しかし現在38歳、往年のような圧倒感はなく苦戦が続いている。ハンマーをねじ込むような独特な左フックや右ストレートの威力は健在だが、反射神経やしなやかさが失われてきている気がする。

8 マニー・パッキャオ 62勝39KO7敗2分

もう、アメリカ人ではなく、彼が歴史上のベストオブベストと言ってしまっていいとおもう。フライ級からウェルター級まで制した41歳は未だ現役王者でスピードも運動量もパワーも一流だ。メイウェザーとの勝ち負け、今後の勝ち負けはもうどうでもいいような存在。

7 オレクサンドル・ウシク 17勝13KO

五輪金から無敗のままクルーザー級を制し、ヘビー級王者の野望に向けて邁進中。デカイのに軽量級のようなハイブリッドな動きができるサウスポー。ベテルビエフにはアマでは勝っている。ヘビー級未満ではデカく、ヘビー級では小さい。

6 タイソン・フューリー 30勝21KO1分

42勝41KOで現役最長王者のデオンティ・ワイルダーを破ったからにはヘビー級ナンバーワンだ。かつてウラジミール・クリチコにも勝っているからその実力は本物だ。ニコライ・ワルーエフを除いて史上2番目に大きなヘビー級王者だろう。身長206センチ、リーチ216センチ。この巨体でアリのように蝶のように舞い、蜂のように刺すダンスをする。

5 エロール・スペンスJr 26勝21KO

ロンドン五輪米国代表から無敗で王者になったサウスポー。
スリックな黒人のアジリティ全開の華麗さというよりは愚直に強い。フィジカルが強い。スピード差とかでなく正直なファイトで相手に殴り勝つ骨太なファイト。

4 テレンス・クロフォード 36勝27KO

スイッチヒッターの万能派、分析したら手が付けられない巧さ、打って打たせない。メイウェザーの進化版のような鉄壁さだが、スタイルが万能なのが逆に没個性となり印象が薄いかも。ライト級から上げてきたウェルター級なので、タフにはみえないがスキルが高すぎ難攻不落。

3 井上尚弥 19勝16KO

アジアの軽量級でキャリアも少ないのにこの評価なのは、試合が圧倒的すぎるから。漫画のようだから。強い元世界王者を一撃で倒してしまう速攻パンチャーぶりに世界が惚れたのだ。
世界はブルース・リーに嫉妬し、憧れている。井上尚弥にそれを投影している。

2 ワシル・ロマチェンコ 14勝10KO1敗

アマチュアが凄すぎ(396勝1敗)なのとマトリクスのようにリングを縦横無尽に動き、打って打たせないハイテクなファイトをするので評価せざるをえない。誰よりもボクシングマスターだ。

しかしアメリカ人は、アメリカの若手がロマチェンコを倒す姿を待ち望んでいる。総合力では絶対かなわないので、若さとパワーで一発ブチ当てることができるかどうかだけだ。

1 サウル・アルバレス(カネロ)53勝36KO1敗2分

ボクシング界のシンボル、王様に君臨する男、最も稼ぐ男。メキシコ系にこういうスターがいないとボクシング界は成り立たない。

昔はメキシカンらしくタフで正直な殴り合いの男で好きだったが、どんな試合でもほぼ勝利を保証されだしたので苦手な選手に変わった。スキル、強さでナンバーワンというわけではないだろう。負け、引き分けのような試合も多々あった。どの世界にも王様が必要なのだ。

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