WBAスーパーフェザー級王者のカンシオ(21勝16KO4敗2分)はたたき上げの雑草だ。今もガス会社でブルーカラーワーカーをしている。敗北、挫折、活動休止から復活して将来有望な無敗王者、アルベルト・マチャドを2度下し正真正銘の世界王者になった。
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アマチュアエリートが席巻する今のボクシングにおいて今時珍しい叩き上げの雑草だからこそ好感度が高い貴重な選手だが、元々我らが王者、内山高志→ジェスリル・コラレス→アルベルト・マチャド→アンドリュー・カンシオという王座の変遷なのだから、彼こそスーパー王者なのだが、WBAの横暴のせいで、レギュラー王座の地位に落とされ、スーパー王者は、ジェルボンタ・デービスの王座返上を受けて、レオ・サンタクルスが、格下のフェザー級、ミゲル・フローレスと決定戦を行うことが決まっている。
カンシオ
「マチャドが元々スーパー王者でした。でも戦わずしてデービスに譲渡されました。サンタクルス、私たちには交渉のチャンスすらありませんでした。サンタクルスがフローレスとスーパー王座決定戦をするという事後報告を聞いただけです。私たちはただそのことを受け入れる以外ありませんでした。
もちろん、サンタクルスのような名前のある選手と戦いたいです。私の方がよりナチュラルで大きくパワフルなスーパーフェザー級です。でも今は、目前のレネ・アルバラードに集中します。」
レネ・アルバラードは現IBFライトフライ級のフェリックス・アルバラードの双子の兄弟、彼も敗北を肥やしに自力をつけてきた。元々、カンシオではなくアルバラードがマチャドと戦う予定だったのが、怪我でカンシオに代役が回ってきた形だった。
https://www.youtube.com/watch?v=aT-QOKUsCuI
ひどい横暴、処遇だが、個人的には心からカンシオを応援するし、フローレスに勝って4階級制覇の王者になってもサンタクルスは認めない。カンシオの方が誇り高き偉大な王者である。叩き上げのキャリアからして長期政権を築く名王者にはなれないかもしれないが、永遠に心に刻むべき男だ。
カンシオにあってサンタクルスにないもの、それは人生のドラマだ。
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