2018年、ベストファイトなど様々な総括があったが、この男、あの試合に触れたものはひとつもなかった。それがベネズエラの小さな王者、カルロス・カニザレスの認知度、評価であり、ライトフライ級という階級の注目度なのだ。しかし、そんな知名度を度外視すれば、マレーシアでやってのけた、わずか2戦目のアマチュアエリート、ルー・ビンをノックアウトした試合はベストファイトのひとつに数えてもいいほどの素晴らしいものだった。
ロマチェンコのような成功を狙ったエリートを潰したパワーファイトは痛快、スカッとジャパン!であった。
昨年、ベネズエラのパンチャー、カルロス・カニザレス(21勝17KO1分)は日本で小西怜弥との決定戦でWBAレギュラー王座を獲得し、マレーシアのパッキャオVSマティセの前座で、中国のトップアマチュア、ルー・ビンをノックアウトし王座を保持しました。
それから半年が過ぎ、カニザレスは次の試合を模索しています。ライトフライ級の誰が相手でも構いません。
カニザレス
「1位の日本人、久田哲也との対戦を意識していましたが、向こうから具体的なオファーはありませんでした。新王者の京口紘人との対戦も大歓迎です。この階級で最強の相手と戦うことが私の目標です。久田、京口、この階級の誰でも構いません。今年の目標はWBAスーパー王者になり、タイトルを統一する事です。」マネージャーのウィリアム・ペレスは25歳のカニザレスと10年間のつきあいで、2014年にプロになってから彼を管理してきました。
ペレス
「カニザレスは非常に優れたファイターで、この階級で最もテクニカルな選手だとおもっています。防衛を重ね、ベネズエラボクシングの歴史上最高峰のボクサーとして名を刻むでしょう。」財政的な問題から、カニザレスの防衛戦は故郷での開催は難しく、相手の地元になるでしょう。
ペレス
「ベネズエラで世界戦をするのは現実的ではありません。カニザレスの目標に焦点を当て、国外で成果を出し、ベネズエラ国民に喜びを与えていきます。」
https://www.youtube.com/watch?v=oDxjH0im1i4
ウズカテギも負け、リナレスも負け(王者ではなかったが)ベネズエラに残された世界王者といえばカニザレスだけだろうか。田口との引き分け、小西戦、ルー・ビン戦でも、前半荒々しく飛ばすが後半はスタミナが落ちてボディに苦しむという南米特有のわかりやすい欠点を露呈しているが、21勝17KOはとても立派な戦績であり、伸びしろ、才能はある。とても小さいけれどパワーがあり、まだまだ伸びる、強くなる素地がたくさんある。
全世界王者の中でも、もっとも無名に近く評価も定まらないファイター。
母国で試合などできぬ不遇な立場だが、日本人との絡みも多そうな彼にまたスカッとした試合をみせて欲しいとおもう。
久田・・・チャンスがあるならやればいいのに・・・