村田の素晴らしいタイトル奪還で霞んでしまったが、前座の拳四朗のファイトも素晴らしいものでした。日本人の新世界王者は簡単には生まれませんが、現王者はなかなか粒ぞろいです。階級屈指の実力者といっても過言ではありません。そんな一人、拳四朗について少々・・・
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安定の試合運び、顔に似合わぬ決定力、もう一人の日本人王者、京口紘人との統一戦が噂されるが、6-4あるいは7-3くらいで拳四朗が一歩リードといえるだろう。
対戦相手のタコニンという選手は戦績のいい指名挑戦者であったが、世界戦3連敗。32歳でキャリアも長く少しミラン・メリンドのような劣化、勤続疲労を感じた。勇敢だったがスピード、特にハンドスピードの差が顕著だった。
ダウンシーンは唐突だったが、その前にタコニンの動きに大きなミス、隙があり、打ってくださいといわんばかりのスローな大振りフックで前に出てきたのは蓄積したダメージが既にあったのだろうか。それでもあのKOシーンはかなりの実力差がないとみれない芸術的なカウンターだ。左アッパーの返しも入っている。
手打ちっぽく軽そうにみえるのに決定力があるのは
[st-card id=38743 ]この印象が強い。「かいな力」
井上拓真よりも井上尚弥に近いパワーの解放感を感じる。
「強すぎて相手がいない」
ここまでの強さかというとまだ疑問は残る。
タコニン戦はゲストの山中も八重樫も4回時点でまだ拳四朗のペースとはいえないと言っていた。タコニンの初回からの強襲もパワーも想定外で強かったと拳四朗は語っていたが、それほどにはみえなかった。
中間距離だと拳四朗は強いが、接近された時や大振りの一発でヒヤヒヤする時がある。勘がいいかわりにガードは低くハの字で真ん中が空いている。タコニンの大振りよりは先日王者のアコスタを番狂わせで破ったエルウィン・ソトの大振りフックの方が速くて狂暴だ。スマートに、キレイに戦いたい拳四朗にとって、荒れた展開、一発のビッグパンチの被弾はまだまだ怖い。
日本人同士の統一戦が決まれば、恐らく京口はパワーファイトを仕掛けてくるだろう。
「強すぎて相手がいない」
ほどの信頼はまだないが、「強すぎて相手がいなくなりそう」なムードをもった本格王者、拳四朗、京口と言わず、戦ってみて欲しい相手はまだまだいるんだ。
[st-card id=77884 ]ライトフライ級のランカーを紹介しています。
ライトフライ級ベスト、具志堅の記録を抜くのも夢ではない。