もうひとりのP4P

今年に入り、Sフェザーが中心ですがとても面白い試合が続出しています。
ペドラサVSデービス、テゲールVSジャック、三浦VSローマン(世界戦じゃないけど)、バルガスVSベルチェルト・・・
その中でも面白いというより強烈だったのが昨日も書きましたがマイキーの復帰2戦目です。

マイキー・ガルシアVSデジャン・ズラチカニン

無敗の2階級王者マイキーは元々P4Pにも顔を出す強い王者でしたが契約関係で2年以上のブランク。
対するズラチカニンはモンテネグロ初の世界王者で、バーンズを倒したり、ブルドーザーのような力感溢れるファイトはリナレスでさえ不利なのではとおもわれていた無敗の曲者王者でしたが、マイキーはこの試合、一発も食ってないんじゃないでしょうか?
一方的な結果に終わりました。

https://youtu.be/UzEKBU5rYBU

マイキーのスタイルは今をときめくロマチェンコとは違って日本人が真似できる極めてオーソドックスなもの。
ジャブがこれほど大事と感じる試合も珍しく、硬質で鋭いジャブがビシビシ決まり、大振りフックで踏み込み命なズラチカニンが入れません。
プレスが生命線のズラチカニンに対して下がってはいますが、このジャブとショートのアッパー、ストレートが鋭すぎます。
一撃必殺のキレと重みを感じます。

至近距離でのショートアッパーで効かせ、コンビの左フックで体を泳がし、最後は右スイングのぶちかまし。
これじゃぁ失神もやむなしな壮絶フィニッシュでした。

相性や事故的なものもあったのでしょうが、ズラチカニンはどこか三浦的な特徴を持つ選手なので、こういうジャブやショートの鋭い選手にどうパンチを当てていくか研究した方がよさそうです、マイキーと戦うわけじゃないですが。昨日の三浦ならこのジャブをボコスカ食いそうです。

余裕の3階級制覇で、次にリナレスとクローラの勝者とやってから階級アップを示唆しているマイキー。
大きいわけでもなく、アマ時代はクロフォードやマグダレノあたりにも負けていた選手ですが、なんでこんなにパーフェクトな選手になっちゃったんでしょう?
全勝なのに過去の人状態で忘れていましたが、この人もP4P5本の指に入る本命かもしれません。

身体が小さい事や打たれ強くはなさそうなところ、ロマチェンコのような超絶ムーブの持ち主ではない事など、今後不安視される面はありますが、この勝ちっぷりをみたら脱帽です。正統派でいて確かなる技巧と説得力抜群のパワー。どこか井上的でもあります。

スーパーボクサーは増量により必ず綻びをみせはじめます。
ダルチニアン、ドネア、ウォータース、長谷川、ロマゴン、モズリー、カーン、ティト・・・
それでも上げるマイキーは果たしてどこまで行くでしょうか?

内山との対戦?それはおとぎ話だったんや・・・

フランプトンVSサンタクルスはあまりそそられないので時間がある時にゆっくりみよう。
それなりのビッグネームな2人ですが、ラッセルに次ぐ2番手争いとおもっているので。ラッセルさんも今年はたくさん試合して欲しいな。

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全部ボクシングじゃないのね。

感傷的な記事が苦手なのであまり合わなかったが、面白かったのがロマゴン考察のところ。
判定まで粘った松本がロマゴンに対し「パンチに強弱がない。ドスンパンチばかりじゃ慣れるんじゃ。」とアドバイスしたそうだ。
今のロマゴンは昔と同じじゃないだろうが、三浦のそれもドスンなんだろうな。
だから、当てても相手は立ってくるし後半だと三浦も打たれてダメージもあり仕留めも鈍くなる。逆にピンチを招くことも・・・
今さらそれを変えろとはいわないしそれが三浦の魅力だが。

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コメント一覧
  1. チャンコウイチさん

    普段かなり重いようですが
    小柄なのが気になります。
    ズラチがもっと小柄なのでジャブもアッパーも効果的でしたが
    イースターみたいのだと当たるのかなぁ。

    まぁ別格の超人ボクサーですが・・・

    杉川さん

    ロマゴンが体格の限界をみせはじめているように
    無理な階級アップはせず適切なところで無人の荒野を走って欲しいんですが
    あれだけ強いとビッグマッチ求めてなんでもやるでしょうね。

    カネロと違って誰とでもやりそうなところが好感持てます。

    あなさん

    お遊び程度しかありません。
    受験勉強と称し、深夜のボクシングにはまったのが最初で
    もうそのころは視力0.1でした。
    もっと早くにはまっていればやっていたでしょうが
    才能なしで終わったことでしょう。

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  2. そう言えば、管理任さまはボクサーとしての履歴を持ってたりしますか
    他にもプロボクサーの視聴者とかいらっしゃるのだろうか

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  3. 階級は違いますがカネロをワンランク強くしたかのような強さですね。クロフォードやロマチェンコとのビッグマッチ路線に進むのか、あるいはサプライズでパッキャオとやるのか……、実に楽しみです。正直リナレスやクローラとはやる必要はないでしょう、レベル自体が違うと思うので。

    これだけ強いとキャリアが停滞したのが本当に痛いですね。

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  4. マイキー流石ですね、背筋が凍るような試合でした。一階級上げてもまだ余裕がありそうですね、これから二階級は行くと思います。

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  5. 皆さん
    脇を絞ったコンパクトなパンチでもこれだけ正確で威力があれば、ファイターは怖くないですね。アッパーで起こして必殺パンチというのは最高の形ですが、小さなアッパーでこんだけ効かせればトドメもさしやすいというもの。
    あっぱれ、あんぐりな強さでした。
    しかしパワーがすごい。

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  6. ズラチカニン、一昔前の突貫小僧的なファイターで一泡吹かせるのではないかと思いましたが、さすがはマイキー戦慄のKOでした。かえすがえすも2年のブランクはもったいなかった。ロマチェンコとの対決もあったのかもしれないと。できればこの階級にとどまって、ロマチェンコが階級を上げるのを待っててほしいなと。ライト級で対決してほしいですね。マイキーのボクシングは教科書通りのボクシングなので、息子にはマイキーの映像をよく見るようにと言ってます。ボクシングをしてる子にはマイキーのボクシングは理想のテキストですね。

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  7. マイキーにとってやり易いスタイルだったと思います。ズラチカニンは、このスタイルでマイキーより小さいので活路が見出せませんでした。
    ガンボアとsフェザーで実現しなかったのでライトで見てみたいです。P4P程には正直見えませんでしたが久しぶりにゾクッとするKO劇でしたね。
    ベルチェルトはずっと応援していたので嬉しかった反面、三浦はより厳しくなったと感じます。地元で凱旋初防衛をしたいみたいですが、さて実現するのでしょうか?
    日本で挑戦は見たくないですね。

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  8. ガルシアは相変わらず綺麗なボクシングですね。
    階級上げたら手こずりそうな気もしますが追い詰められてどうするか見たい気もします。

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  9. ブルックやクロフォードや昔で言えばロペスのような打ち抜きが存分に効いたパンチという印象ですね 前から思ってたんですがこう言う硬いパンチは前腕の絞りや握力の要素もあるだろうが、結局は肩の伸びや距離感に依るんじゃないかなと思ってるんですが、これって後天的に身に付けられないんでしょうかね 日本で言えば内山かな
    三浦はまさに全力でフィジカルを叩きつけるドッスンパンチで、運動量は万力のわりにはあまり綺麗にヒットせず結果として言うほどワンパンチフィニッシャーではないです 井上みたいなクイックネスやチャンスに的確にパンチをまとめるのは三浦には期待できなさそうなので、管理人さんの言う通り硬さを身につけたらさらに上に行けそう
    今となっては空想ですが、マイキーと内山はいろいろ被りますよね 試合見たかった

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  10. クッパさん

    イースターやベルデホなど大きな本格派がいる中で
    168センチのマイキー、さらに階級あげるみたいで
    体格面だけ不安視がありますが、パッキャオ並の選手なのかもしれませんね。
    スタイルは教科書的ですが反応とパンチが鋭いですね。

    昨日の内容みるとベルチェルト強しですが
    三浦にも十分KOチャンスはあるとおもいますね。

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  11. マイキーは前戦で体がゆるくみえ、ブランク前と比べイマイチだなと思ってましたがとんでもない勘違いでした。以前から全てがハイレベルでまとまっていましたが、こんなに強いジャブがよく出るボクサーでしたっけ?
    階級アップがはまったのか。クローラ、リナレスでは厳しいでしょうね。プクーさんの五本の指の評価、納得です。
    この階級じゃあ敵なしでしょう。
    三浦は中途半端なクリンチや詰めの不器用さなど相変わらずでしたが結果がでてよかった。なんとなくベルチェルトの左ボディにショートの左を合わせられるような気がしてます。

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