
長谷川、粟生の試合の興奮もさめやらぬ翌日に行われた好試合。
正規と暫定王者同士の試合、こういう試合は歓迎です。
ライト級なら力を存分に発揮できるマルケスですがカシディスの方が大きくてパワフルな印象だけがちょっと不気味でした。
試合動画
http://box-p4p.com/tube/juan-manuel-marquez-vs-michael-katsidis.html
白熱した試合でした。芸術的でかっこいいマルケスのしなやかなボクシングが印象的でしたがカシディス陣営は自身の技術的劣性とパワーの優位が了承済みであるかのような素晴らしいファイトを展開しました。
ガードを固めプレスをかけ、相討ちあるいはカウンターでマルケスの距離、パンチをつぶしにかかります。それでもマルケスはファン・ディアスを2度も破ったキャリアからたくみなパンチを散らしていきます。特に左ボディーはこの人ならではの角度、ほれぼれするものがあります。
ポイントでみれば芸術点の高いマルケス優位な展開でしたが3R、相討ちで放ったカシディスの左フックカウンターが強烈に入りマルケスはダウン、これは効いたろうという渾身の一撃でしたがマルケスは巧みでした。パッキャオ戦でもそうでしたがダウン食っても立て直してくるからすごい。
ポイントでマルケス優勢でしたが一発のあるカシディスのプレスとコンパクトなパンチでハラハラするラウンドが続きました。
結末は9ラウンド、体で押されていても的確なパンチで勝っていたマルケスのパンチ、特にアッパーがカシディスをとらえ、いままで押し込んでいたカシディスはダメージから下がらざるをえなくなってしまいました。プレスとパワーパンチでダメージのあったろうマルケスでしたがチャンスとばかりカシディスを逃がさず追い回し、絶体絶命となったカシディスをレフリーが救う形で幕切れとなりました。
カシディスの頑張りを考えたら少し早いストップにもみえましたが、限界ギリギリで頑張っていた両者にとりこういう危険なシーンが訪れたら即座にストップというレフリーの判断は正しかったかもしれません。
ダウン以外ポイントはマルケスが押さえたような試合でしたがいつどっちが倒れるかわからない白熱の試合でした。
マルケスは相変わらず上手く強くあっぱれな完成度ですが激戦続きでダメージが心配です。
印象的な勝利でしたがパッキャオ3のような機会がまた来るんでしょうか。
個人的には弟の仇、ファンマ・ロペスとSフェザーあたりでやれば盛り上がるしたぶん勝っちゃうんじゃないでしょうか。
ずいぶん長い間トップ選手としてマルケスの試合に熱狂させられましたし、まだまだ強く美しいのですが本人の希望通り、復帰したモラレス、同国のソトあたりとやって勝ち残り、最後の最後にホルへ・リナレスあたりに引導を渡すのではないかと妄想してしまいます。
リナレスよりうまいがスピードとシャープネスにてこずりそうです。
カシディスの執念、根性もまたあっぱれでした。頑丈そうな選手ですが激闘のつけのダメージが心配でなりません。
その他の試合、未見ですがカバジェロがスプリットで負けたようです。これはビッグアップセットですがSフェザーの試合だったようで体格相当の適正体重で戦うと彼の荒々しいボクシングにも対抗できる猛者がいるということでしょうか。
今後の行方に注目です。