石田の敗戦で悔しさと世界最高峰ボクシングに酔いしれた昨日
メキシコでは高山の世界戦が行われておりました。
で、敵地メキシコで勝利、これは数十年ぶりの快挙でありました。
WBC/Continental-America/ミニマム級王者
第6代NABF北米ミニマム級王者
第18代IBF世界ミニマム級王者
マリオ・ロドリゲス(メキシコ)
Mario Rodriguez
25戦15勝(11KO)6敗4分
第48回西軍代表L・フライ級新人王/第48回全日本L・フライ級新人王
第10代WBC世界ミニマム級王者
第19代日本ミニマム級王者
暫定WBA世界ミニマム級王者
高山 勝成(エディタウンゼント/Gツダ/真正)
Katsunari Takayama
31戦24勝(10KO)6敗1NC
高山は元世界王者ですが、新井田戦の微妙な判定試合の後に、JBCを引退、当時非公認であったIBFをターゲットに海外専門でフリーの身で試合をしてきました。
日本のサポートも受けられず、試合は常に敵地、勝っても負けてもそんなに報道されません。
いわば、日本人なのに日本人ボクサーの枠の外で試合を重ねてきました。
ちゃんとJBC管轄のジムに所属してないと選手として扱ってくれないんです、日本という国のボクシングは。
しかし、そういう挑戦ほど道のりは険しく、当時挑んだ南アフリカの無敗王者ニコシナシ・ジョイは大きくて強い。
善戦はしても勝つ事はできませんでした。
他の日本人は強い、怖いジョイなんて口にもしませんでした。
直近の試合でもマテオ・ハンディグというフィリピンの伏兵に負け、厳しい状況でした。
今回の相手は無敗王者ニコシナシ・ジョイを番狂わせで破ったメキシコの新米王者。
ジョイ戦は負けていたが地元の利とジョイのコンディションが狂い逆転で番狂わせのKO勝利。
結構負け多い戦績なのでしぶとく強くなった雑草系のよう、パンチは強そうですがある意味ジョイよりおいしい相手といえました。
メキシコでの試合はみてません。3ラウンドに高山がダウンとられたようですが、結果は119-109もあるユナニマスで高山。
最近日本がIBF・WBOに加盟したばかりなので逆ホームタウンデシジョンのご褒美でもあったのかと疑ってしまいます。
しかしここは素直にこの逆境での勝利を称えましょう。かなり画期的な事をやったわけですから。
KO勝ちでないかぎり、メキシコで日本人が勝つのはかなり難しいです。
露骨な判定贔屓や計量詐欺が行われ、きな臭い試合が続いておりました。
高山の特徴は手数とリズム。
とにかくよく手が出ます。単発で終わることはありません。
しかし逆にパワーレスなので倒す試合はなかなかありません。旺盛な体力でガンガン手を出すので試合は結構盛り上がり
12ラウンドフルに大善戦で惜しいという内容が多いです。
敵地で王座奪取、IBF公認初の日本人世界王者とのことで記録に残る勝利となりましたが
今後、日本に公認されたことで高山はどこで誰と試合をすることになるのでしょうか?
すごい快挙を成し得た高山ですが、飛びぬけて強いとはおもえず、いつも善戦マンという印象です。
一番の武器は厳しい環境を渡り歩いた精神力でしょう。
イーグル、新井田、ロマゴン、ジョイと戦ったキャリアは本物です。どの試合も善戦でした。
今後、その苦労を温室で育った日本人をはじめとするトップ選手にぶつけて欲しいものです。
まだ29歳、ある意味、今の日本人世界王者で一番骨太なキャリアを誇るボクサーといえますから。