内山、三浦、李、下田

究極のビッグマッチ、ティモシー・ブラッドリーVSデボン・アレクサンダーがいまいち煮え切らなかったので口直しに期待して見た注目試合。
高山も無念の結果であったし・・・

李VS下田
http://box-p4p.com/tube/ryol-li-lee-vs-akifumi-shimoda.html
下田が序盤強いのはわかっていたが李はやすやすと主導権を与えてしまった。
こういう展開となると序盤下田はよく抜群のダウンを奪う。痛烈で鮮やかなダウンを奪い試合の流れをつかんだが李もおかえしにダウンを奪い返した。
スリリングな展開となったがやはり下田が終始押していた。

前に出るプーンサワットはアウトボクシングに徹して攻略した李だが、ファイターでもボクサーでもなく瞬間勝負で挑む下田のスタイルに戸惑い、中途半端なボクシングとなってしまった。プーンサワットのようにわかりやすく仕掛けてこないし自分からいけばスピードとタイミングを計ったカウンターを合わせられる。李は戸惑いつつコンパクトな右ストレートを頼りに反撃を試みたがやや苦し紛れっぽかった。

オーバーワークか経験のなさか李はスピード、パワー、バランスともに前戦よりバタバタしていた。
必死に応援する徳山の気持ちが痛いほど伝わってきたが、氏のいうとおりもっとジャブを、サウスポーには逆回りを・・・
なぜできなかったのだろうか。

それだけ下田の瞬間、瞬間のスピード、気迫、パンチ力があって余裕をなくしてしまったのだろう。
しかし同じようなボクシングなら暫定王者のリコンドーはもっと手ごわいだろう。
徳山のような完封ボクサーになれる逸材とおもっていただけにやや経験不足な面を見せた李は残念だったが消化不良だろうから是非再起して欲しい。

下田は全てが発揮された素晴らしいボクシングをしたとおもう。スピードもパワーも体力もある。
しかしまだ己のスタイルのようなものは感じられず、プーンサワットやその他強豪との試練を経て強くなって欲しい。
現時点で長く防衛できる気はしないが、地力は並大抵ではない。才能だけでここまで上り詰めた感じもする。今後に期待だ。

内山VS三浦

内山VS三浦
http://box-p4p.com/tube/takashi-uchiyama-vs-takashi-miura.html
序盤の内山はいつも以上にジャブが出て、どのパンチにも恐ろしいパワーを感じ本格王者の風格すらあった。
しかし2回に右を骨折、3回にバッティングと痛烈なダウンを食らい苦しい試合となった。

三浦は作戦だったのだろうが左カウンターで逆転の一撃を狙っているのがアリアリだった。その執念はすさまじかった。
しかし初回からジャブを無防備に打たれすぎ、結末は予想できなくもなかった。もう少しジャブを食わないでプレッシャーを与えられたらKO勝利も見えていただろう。やはり一番手ごわい挑戦者であった。一撃必殺でなく展開を作ることができれば小堀、内山に続いてもおかしくない強豪だ。

骨折の影響もあり右に物足りなさを感じた内山だが安定感はあった。あの重いジャブは誰にとっても脅威だ。
パッキャオVSマルガリートのように早い回で相手をボコボコにしてしまう恐怖の武器だ。
ただ三浦の左への対応はギリギリでひやひやさせられた。打ち終わりに気をつけないとまだ怖い部分はある。

両試合とも結局初回から手を出し序盤を制したものが勝った。
長谷川も西岡も最近は結構初回から積極的だ。パッキャオはその最たる例だ。
そういう姿勢、主導権支配が重要だと感じた一日であった。

少し食傷気味か、解説陣は両試合とも大興奮、大絶賛していたが、それほど高次元でハイレベルな試合に映らなかったのはなぜだろう。
ドキドキ、ハラハラの試合ではあったが、皆の健闘と今後の活躍に期待したい。

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コメント一覧
  1. ブリブリボクシングファンさん

    下田は李がうまく対応できない強さ、スピード、パワーがありましたね。
    今後スタイルが確立できれば潜在能力は日本人離れしてるかもしれません。

    ただ今はまだその場の勘や打ち合いで負けない自信だけで戦ってるような面も感じるので
    歯車狂わされた時はどうなっちゃうんだろうという危うさも感じます。
    完成されたようなランカーたちと戦ってどう成長するか見届けたいですね。
    あのスタイルだけでプーンサワットに勝っちゃうようなら化け物だとおもいます。

    いしのこぶしさん

    李はサウスポー苦手でしょう。下田がやりにくかったのもあるとおもいますが
    どうしていいかわからない戸惑いを終始感じました。
    2回目のダウンが象徴的であんなやけくそめいた突進は李は普通しないでしょう。

    下田の底知れぬ能力がリゴンドーを打ち破るようなことになったら大興奮です。
    世界の宝となることでしょう。でも実現だって現実味があるから楽しみです。

    内山は今回がソリスだったらどうだったろうと妄想してしまいました。
    アジア権では抜けてますが世界の本場では技術、スピードはもっと上がいるとおもいます。
    ただそれを補って余りあるパンチの破壊力ですね。
    先日のブラッドリーVSアレクサンダー両者よりパンチありそうです。
    拳の強さはパッキャオ並なんではないでしょうか。

    パッキャオだってオスカーラリオスに効かされたし・・・飛躍して欲しいですね。

    sssdcさん

    確かに世界タイトルなのに全員日本人というのは白ける要因でした。
    しかし得体の知れないランカーより日本でトップはってるボクサーの方がバリバリに手ごわいというのは感じましたね。

    内山は相手が嫌がる武器を持っている本格派なのでソトとかビッグネームを食って欲しいですね。

    チャベスのボディ・ブローさん

    三浦がいかにも左狙いで動かずポイント意識してない感じだったのでポンポンと左が出せたのだろうとおもいます。
    出せば当たる感じでした。けれどそれを承知で打ち込んだ3Rの左ジャストミート、あれの後でもまだジャブ打てるからすごいですね。

    内山には速くてうまい選手とやってどうなのかという興味がありますがテクニックとパワーがすごい次元で融合してますね。
    粟生の方が上手い気がしますが内山のパンチの説得力はすさまじい。空振りでどよめく日本人はかつていましたっけ。

    下田は皆さんのいうように大変な地力を持った人間のようですね。恐れ入りました。
    しかしどのパンチがとかディフェンスワークがとか特筆すべきものはなく場当たり的なボクシングであるような印象もあります。
    すごい強豪に勝ってしまったり格下に苦戦したり・・・まだそういう要素が残っているような。

    まぁエリート軍団帝拳の中の雑草たたきあげでこんなパフォーマンスしてしまうのだから
    持ってるものはナンバーワンかもですね。怪物的に強くなる可能性を秘めており今後にすごく期待できます。

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  2. 内山はサウスポー相手にあれだけ左をビシビシ当てるのは凄い技術だと思います。
    三浦の左を食う危険をはらんだポジショニングを選択したからだと思いますが、そこで左を打ち続けるジャバーとしての勇気が見えました。でも内山は強い外人とやって欲しいですね、ガンボアとか・・・ソリスも。
    下田は次戦勝負ですね。李の調子も悪そうでしたし・・・しかし、下田自体の出来は過去最高ではないでしょうか。ときに右を食らう不安定さは残るもののその資質が開花してきたかなと思います。日本人対決2試合ではあるものの終わってみればスリリングな大会でした。

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  3. 日本選手同士で、両方ともWBAなので、あまり期待してなかったんですが、両試合とも
    スリリングで面白かったです。
    李はブーン戦をみてたんで、残念です。

    内山は、本当に本格王者の貫禄が漂っていました。
    ダウン以外は、ジャブも体も切れて良かったですね。ハートも見せましたね。
    初めは一方的になると思いましたが、ダウンを奪って面白くなりました。
    三浦は、よく研究してましたし、左には魂がこもってました。
    この試合は両選手の持ち味が存分に出た好試合だったと思います。

    内山はこれからは、ただの防衛戦を多く重ねず、世界の強豪と言われる相手とバンバンやって、ローカル的な世界王者で終わってほしくないです。

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  4. 李はあまり良い動きが出来ませんでしたね。
    初防衛のプレッシャーやサウスポーのやりにくさがあったんでしょうか。
    下田は良く動けてたと思います。ただ、優位に立つと危うくなるところやガードが下がってしまう所などまだ課題はありそうですね。センスはあるのでこれからに期待。リゴンドーやってくれないかなぁ。
    そして内山VS三浦。内山のダウンはビックリしましたね。内山でも倒れるのかと。
    試合内容は圧倒的でしたね。とても良いジャブが打ててました。アクシデントもあり厳しい試合ではありましたが内山にとって良い経験になったと思います。また強くなってくれるでしょう。三浦も気迫がありすごかったです。内山がとても悔しそうだったのが印象的でした。
    両選手、次の防衛戦が楽しみです。

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  5. 下田はやっぱり凄いもんもってるんですね~.天才ですね。
    李のプーンに勝った勢いを感じさせない試合でした。
    帝拳のサウスポー黄金時代到来ですね。

    三浦はやっぱりパンチはありますね。
    国内ならばそれで十分なんでしょう。
    サウスポーにジャブで圧倒するんだから
    一枚上手でしたね。

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  6. 駆け出しルーキーさん

    帝拳王国となってしまいましたね。横浜光にとって残念な一日。
    木村、石井が揃って負けた日を思い出しました。
    立場も状況も違うけれどややプランがはずれた、もうちょっと別の戦術があればとおもいました。
    勝てるみこみのない相手ではありませんでした。

    李がちょっと驚きました。前回より動きが悪かったようにみえました。
    何かあったのか、中途半端な戦い方になり余裕なくしてしまいましたね。

    岩佐が帝拳王国に一矢報うのか、この選手の方が能力は高いようにおもえますが、充実の帝拳の勢い、年配の山中が現時点では上回ると予想します。

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  7. 2試合とも大荒れでしたね!
    三浦が内山さんのスタイルを崩す可能性という、管理人さんの予想も的中でしたね!
    三浦の左は凄い強烈でしたね。亀田みたいなチキンはともかく、前に出れる強打サウスポーは怖いですね。
    でもあれだけ崩された後に、丁寧に立て直した内山さんは流石ですね。

    李は注目してただけに残念です。
    敗因は管理人さんのおっしゃるとおりの感じですね。
    相手に合わせて闘うのはファイトプラン的には楽だけど、難しいですからね。
    相手にペースを渡しかねない。
    記者会見の時点で下田のヤンキー的なオーラに飲まれてましたし。

    これからは下田、西岡さん、栗生、亀海さん、山中と帝拳祭りですかね。
    山中VS岩佐は岩佐が勝つと予想しますが。

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