
こうやって、傍若無人な無法者は清く正しき若者に一蹴される運命にある。
エイドリアン・ブローナーは現在の引退状態から抜け出すためには1000万ドルのギャラが見込める試合がしたいとずっとアピールしてきた。しかしその主張は、オスカー・デラホーヤのSNSのコメントのせいで減額されたようだ。
彼らは最近SNSでやりあった。無敗のウェルター級プロスペクト、バージル・オルティスが6年前、まだ10代の頃にブローナーと一緒にポーズをとっている写真がインスタグラムで公開された。2人の対戦を示唆する文章も添えられていた。
オルティス
「マイク・タイソンに無視された時、一緒に写真を撮ってくれたブローナーに尊敬の念を抱いていた。みんな、俺たちが戦うのが観たいかい?」この投稿の反響は高く、デラホーヤも反応した。
デラホーヤ
「Easy dinero(容易に組めるぜ)」ブローナー
「おおブラザー、俺も引退してタバコでも吸うか、やろうじゃないか、試合が終わったら一服させてもらうぜ。」7月に31歳になるブローナーは、オルティスの4年間のキャリアでたった1勝しかしておらず、2017年2月にエイドリアン・グラナドスに判定勝ちしただけだ。その後、マイキー・ガルシアに判定負け、ジェシー・バルガスと引き分け、マニー・パッキャオに判定負けと3連敗中だ。
https://www.youtube.com/watch?v=4-3M0sLyBFk
ボクサーではなくラッパーとして稼ぐとか10億円(1000万ドル)ファイトにこだわるブローナーだがまだ30歳である。
元4階級制覇の人気者、メイウェザーの後継者と言われた時期もあったが、ブローナーのキャリアはあっという間だった。ライト級くらいまでは怪物的なパワーを秘めたテクニシャン、それより重くなるとビビって踏み込めなくなり、貝のようにガードするだけになった。
大事な試合、ビッグネームに勝つことができず、プライベートも支離滅裂で過去の人に堕ちたがまだ30歳なのだ。拳四朗と2つしか変わらない。
そして、試合もなんとも煮え切らない、打たれるのが怖くて貝になってばかりだが、センスはよく無様にノックアウトされたりはしない。もっと勇気を出して戦えば勝てる、少なくともエキサイティングな熱戦にはなるだろうにという残念なファイトばかりだ。
こういうタイプは金になる試合が決まった時しか熱心にトレーニングしないだろうし、もう引退でも過去の人でもかまわないが、バージル・オルティスはお似合いだ。
こうやって、傍若無人な無法者は清く正しき若者に一蹴される運命にある。あるいは本気で時代の流れを食い止めるほど練習し才能通りのパフォーマンスをみせて世間をあっといわせるか。
ずっと底がみえない地力は感じさせるブローナーだが、そろそろ終わりであることは歴史が証明している。
バージル・オルティスはまさにおあつらえ向きの相手だ。
運命、あるいは神の悪戯か。
危険察知能力の高いブローナーは逃げるかもしれないけども。