重要なのは、ロドリゲスが、ネリーのトラップ(罠)に陥り、惨劇を繰り返すのを阻止したということだ。もうその手には乗らないよという陣営の冷静な判断に拍手を送りたい。
エマニュエル・ロドリゲスはルイス・ネリーをリングでレッスンする準備が出来ていた。しかしリングではなく、机上で交渉、決断することになった。
ネリーは計量で1ポンドオーバーし、割り当てられた2時間で再計量するのを拒否、かわりに、ロドリゲスに「迷惑料」を払うことで試合を強行しようとした。
ロドリゲス
「お金を払うことで見逃して欲しいという条件でしたが受け入れませんでした。お金のために戦うのではありません。私たちが払った犠牲、WBCバンタム級のエリミネーターのルールを順守する責任こそ重要です。ラスベガスに着いてから、ネリーはかなり重いと聞いていましたが、それは私たちの問題ではありません。本当に残念です。」ネリーは、長期王者の山中慎介からタイトルを奪ったが、初戦では禁止薬物のジルパテロールが検出され、再戦では5ポンドの体重超過、最終的に3ポンド超過のまま試合を行い、勝利したもののタイトルを剥奪、日本から終身追放処分を受けていた。
さらに前戦のファン・カルロス・パヤノ戦でも1度目の計量で体重超過していた。
ロドリゲス
「私たちは試合がしたかったのですが、ネリーが既に何度も犯してきたことの連鎖パターンを止める時が来ました。過去、ネリーの対戦相手はこの罠にはまり、条件を受け入れてきましたが、今回私たちは、お金よりもこの試合のために払った犠牲を大切にしました。今後、彼が体重超過を繰り返さないことを願っています。彼は、WBCのタイトルエリミネーターとして非常に重要な試合であることをわかっていたはずです。私はWBCのベルトが欲しいです。次の試合でタイトルマッチが出来ることを願っています。」
別の話によると1ポンド(約450グラム)ではなく800グラム超過だったとか、前日にレッドブルを飲んでいたとかのニュースがあったが、メディアは一斉叩きするので個人的にはそこに便乗しようとはおもわない。
重要なのは、ロドリゲスが、ネリーのトラップ(罠)に陥り、惨劇を繰り返すのを阻止したということだ。もうその手には乗らないよという陣営の冷静な判断に拍手を送りたい。
ルイス・ネリーには強い相手に勝つための秘密があったのだとおもう。
今回、有名なフレディ・ローチに師事していたというが、ローチは有名人で多くの有望なファイターを抱えほとんど面倒をみてくれないから意味がない。というようなことも別のファイターの記事で読んだことがある。アメリカの選手とトレーナーの関係などビジネスライクでそんなものだろう。選手に何があろうとトレーナーの責任ではないのだ。
それでも同胞に甘いWBCはネリーをバンタム級のランキングから外すだけで、海外メディアではこれを擁護しロドリゲスを臆病者扱いする記事や既にスーパーバンタム級で同じPBCのリゴンドーとの対戦に期待するような記事が見受けられるが呆れた話だ。感情論ではなく意図的なものなのだろうか。リゴンドーは井上を意識してバンタム級に下げる事も知らないのだろうか。(悲しいかなお金さえよければ、チャンスが他になければ階級関係なく受けそうだが)
エマニュエル・ロドリゲスには別のエリミネーターを用意する、直接ウバーリとの試合はさせないというWBC会長のコメントだが、戦わずして英断し、ルイス・ネリーに鉄槌を下したエマニュエル・ロドリゲスこそ勝者であり、次にタイトルマッチの機会を与えるべきである。
ルイス・ネリーのトリックを除去、解体してくれてありがとう。
”私たちは試合がしたかったのですが、ネリーが既に何度も犯してきたことの連鎖パターンを止める時が来ました。” Share on X