
普段あまり目にしない海外サイトで特集されていたので、取り上げてみました。こんなに絶賛してるのに、写真はなぜか井上拓真のものでした。今までのWBSSでは全階級で井上だけが印象的なノックアウト勝ちをみせています。彼がシーズン2の主役です。
FEATURED ARTICLESNaoya Inoue: The Little Angel that Became “The Monster”
1993年4月10日、 井上慎吾の妻は神奈川県座間市で初子を出産した。彼らの小さな天使が熾烈なボクシングの世界に入ることなど知りもせず。
しかし「リンゴは木から遠くに落ちない」と言うように子供たちは父親のアマチュアボクシングの影響を受け、彼の元でボクシングをはじめた。弟の拓真もまたボクシングをしたが、兄には差をつけられたようだ。
時は過ぎ、”モンスター”というニックネームを与えられた尚弥は、恐ろしいほどの強打で頭角を現した。
現在25歳の井上尚弥は、ただパンチが強烈なだけではありません。パンチ力に匹敵する技術と優雅さを備えた完璧なファイターです。尚弥のスリムな見た目は、一見弱そうにみえるかもしれないが、騙されてはいけない。彼の両手にはダイナマイトが積まれています。
3階級の世界王座を制し、井上尚弥はWBSSバンタム級に参戦した。最初の相手、ファン・カルロス・パヤノを”モンスター”は110秒でノックアウトした。これは尚弥のWBAバンタム級の初防衛戦だった。
リングの鐘がなり、尚弥はためらいなく壊滅的なワンツーを放ち、パヤノをキャンバスに叩き落した。レフリーはダウンしたパヤノをみて即ストップせねばならなかった。試合後、パヤノは「速すぎてみえなかった」と述べ、再開することすらできなかった。
https://www.youtube.com/watch?v=JsvverU6Fvs
5月に井上尚弥はジェイミー・マクドネルを打ち負かしたが、マクドネルも井上の力に耐えることができず、1ラウンドでノックアウトされた。大きな相手に井上は両手を高く上げ、左フックを起点に3つのコンビネーションでマクドネルを倒し試合を終わらせた。これは10年無敗のマクドネルの7度目の防衛戦だった。
次戦で井上は、ジェイソン・モロニーを破った、プエルトリコのエマニュエル・ロドリゲス(19勝12KO)と対戦する。開催地も日程も未定だが、既に井上は印象的な勝利とパウンドフォーパウンドにランクされる評価で圧倒的な支持を得ている。ロドリゲスにとっては真の挑戦になるだろう。井上はWBSS優勝のアリ・トロフィーと100万ドルの賞金を追いかけている。ロドリゲスにとって挑戦であることの証拠に、井上は最近5試合でわずか14ラウンドしか消化していません。
準決勝の別の対戦カードは南アフリカのゾラニ・テテ(28勝21KO3敗)とライアン・バーネットVSノニト・ドネアの勝者だ。彼らは11月3日、スコットランド・グラスゴーのSSEハイドロで戦う。テテは今月、ロシアでミーシャ・アロイヤンを破り準決勝に進出した。
WBSSのプロモーター、ドイツ人のカイル・サウザーランドは井上のパワーはアンソニー・ジョシュア、ゲナディ・ゴロフキン、サウル・アルバレスを上回るものだと述べた。
「みんなパワーを持っていますが、井上が最高です。日本、アジア、アメリカで一番ではなく、この惑星で最高のパンチャーです。」
エマニュエル・ロドリゲスの出来に、井上断然有利が固まってきつつありますが、モロニー戦では6回に左手を負傷、たしかにここからモロニーの反撃が上回ったような試合でした。ロドリゲスはポール・バトラー戦でも右手を痛めており、慢性的に拳を痛めやすいといえそうです。
https://www.youtube.com/watch?v=Uz1_9Jo60k4
クールに強気に井上と対面してくれましたが、地元紙には正直に恐怖のパンチャーと井上を警戒し、早速準備、対策に入ると伝えられていました。具体的には、キューバボクシングの師事を仰ぐらしいとも。
イバン・バランチェクも自身のボクシングにキューバスタイルを取り入れるため、ペドロ・ディアスに師事しています。世界最高峰のトレーニングと考えられているのかもしれません。井上がアマで2度負けたヨスベニー・ベイティアあたりに会って話を聞いてくるのかもしれません。
個人的なロドリゲスの印象は、さらに井上有利に傾いたもののそんなに変わっていません。カウンター、ジャブ、左の精度などは天下一品で安定王者のレベルだとおもいます。正統派のオーソドックスであり、トリッキーさや荒っぽいところはありません。ダーティーな面は皆無です。
しかし、拳の負傷もさることながら、身体全体に厚みがなく、体力、耐久力という面での頼りなさのようなものも感じました。打たれて強くない、特にボディは弱点であろう。モロニーの方が身体が強く見えました。
それでも、モロニーを退けた瞬間から、優勝のためでなく、井上を乗り越えるためだけの対策、トレーニングに入るものとおもわれますので油断はできません。
互いにとって最高密度のコンディションで迎える準決勝が今から待ち遠しいものです。