このままの勢いで11/3日までやってしまおう。WBSSシーズン2でブレイクするモンスター、世界のキラーコンテンツとなるのは井上尚弥と実はSライト級のレジス・プログレイスなんじゃないかと考えている昨今ですが、この男がバンタム級の第一シードです。
みなさまコメントありがとうございます。
井上の活躍が益々期待されるWBSSバンタム級
コメントは時間の経過で過去のものになってしまいますので
こちらで語り合っていただけると幸いです。
(使いにくいかもしれませんが)
私も参戦いたします。
https://boxvideo.sports-web.net/ko-samurai/5135
ライアン・バーネット
[st-card id=19594 ]北アイルランド
19勝9KO
26歳
日本で開催されたWBSSのおかげで大手メディアでもこの大会の意味、価値を紹介してくれた。王者乱立時代、最強を決める王者同士のトーナメント、ボクシングのワールドカップであると。
しかし残念な事に長谷川や山中がかつて君臨していたWBCは山中を引退に追い込んだ、ルイス・ネリという男がドーピング、さらには体重超過と2戦連続で反則を犯したことにより現在空位、その人格、ボクシングに対する冒とくも含め、ネリに参加資格を与えず、3団体の王者で争われている。そして、井上尚弥の上に君臨するWBAスーパー王者という正真正銘の王者がこのバーネットである。井上が下したパヤノという選手はバーネットの前の前の前のスーパー王者だったのだ。(バーネットに直接負けたわけではなくその差はないとおもわれるが)
少し前まではIBFとの2冠統一王者でもあったバーネットが実績によりナンバーワンシードなのだが、タイミングよくその座を手に入れただけでそんなに盤石の頂点に君臨するボクサーとしての実績があるわけではない。WBAは防衛1回、IBFに至っては防衛せず返上(その後エマニュエル・ロドリゲスが王者となった)だけの新米王者なのだ。
WBSSにも最後まで辞退する噂がささやかれていた。英国(北アイルランド)の大手プロモート下の選手なので、やや守られている、対戦相手を吟味する傾向がある。電撃的な井上尚弥の参戦や、ずっと挑発されてきたゾラニ・テテをスルーしてきた経緯をみても土壇場での参戦決定は意外なニュースであった。覚悟を決めたのだろうか。
とはいっても、そのボクシングは決して他のメンバーに劣るものではない。
2010年には井上と共に、ユース世界選手権に出場、井上がアマで2敗のヨスベニー・ベイティアを破り銀メダルを獲得している。(ベイティアは今アマで急上昇している。五輪があれば金メダル候補だ。)さらには同年のユース五輪では金メダル(ライトフライ級)ランカーの頃から、王者候補として、やはり順当に王者になった俊才だ。
ライトフライ級から肉体改造してきたバーネットは小柄で筋骨隆々、バンタムでも安定感のあるパワー、体力を発揮しているが、世界レベルとなると、なんとも歯がゆい、トリッキーで厄介なスタイルに変えて無敗を堅持している印象だ。
相手にあわせる器用さがあるのだろう
変則トリッキーなリー・ハスキンスには同じスタイルで臨み、適格性とパワーで攻略
突貫ファイターのザナト・ザキヤノフにはクリンチ地獄で接近戦を遮断して攻略
初防衛戦となったパレホ戦では当て逃げのような判定防衛
スタイルに一貫性がなく、相手に応じて対処しクリアするような捉えどころのないファイトが続いている。
特徴としては強い下半身から生まれる、ボディワーク、ダッキング、ヘッドムーブなどが巧みで、英国流、ハメドやジョシュ・ケリーのような、天才的な防御術を持つ半面、攻撃はやや単調で遠目からの大振りの一発を当てては逃げるかクリンチというように単発型だ。遠距離ではガードは完全に下げており、目とボディワークだけで避け、フェイントをかける、辰吉スタイル。
体形からパワーはありそうだが、コンビネーションタイプではないので、当て逃げのようなファイトでKOは生みにくいタイプといえそう。誰にとってもやりにくい、勝ちにくいスタイルを持つが自身が派手に勝つ事もなく退屈なスタイルが持ち味といえそうだ。そんな試合展開になればバーネットのペースなのだろう。
ノニト・ドネア
[st-card id=30789 ]38勝24KO5敗
35歳
元5階級制覇王者
ネリを出さずにドネアやパヤノを出す、このポリシーがWBSSは立派だ。実績、キャリアはダントツ。もはや現役にしてレジェンドの一人である。今、井上フィーバーがすごいが、井上もドネアの功績を追いかけているだけともいえる。軽量級の近年の最大の功労者はロマン・ゴンザレスとこのノニト・ドネアである。(そして井上が続く)
フライ級、アンダードッグからはじまったドネアのキャリアは10年、5階級制覇に及び、長谷川を下したモンティエルも、西岡の集大成も軽く斬って落とした超スピードスター。閃光と呼ばれたカウンターの神の子。井上もドネアの影響を受けているのは間違いない。日本でも絶大な人気を誇る。
しかし時は過ぎた。強すぎて階級にライバルがいなくなるとスターはさらなる階級を目指す宿命となる。アマの皇帝、リコンドーとの頂上決戦に敗れ、体格にそぐわぬフェザー級への増量と加齢で、閃光は消えた。スピードとキレ、勘の良さ、今の井上と同じ特徴を持つドネアにとって、それが失われると、フェザー級ではただの小柄でパワーレスな身体に締まりのないベテランに過ぎなくなってしまった。
そんな、過去のレジェンドが体格的にはベスト、一番強かったころの階級に戻して参戦。往年のスピードとキレが少しでも戻っていれば、バーネットを斬って落とすだろう。錆び付きが隠せないようであれば判定で負けてしまうだろう。
年齢、コンディション、リングに上がってみないと今のドネアは査定不能だ。
この試合の勝者は準決勝で
ゾラニ・テテVSミーシャ・アロイヤンの勝者と戦う。
井上戦があるとすれば決勝のみである。
ここまで書いて、ふとおもうのは
バーネット、第一シードなのに試合が最後なのも、特権なのだろうか。開催地はスコットランドのグラスゴー、同日行われる、Sライトのスター候補、ジョシュ・テイラーの地元だが、バーネットの地元とも言えなくもない。
決して優勝候補とは言えないバーネットだが、その難解なボクシングで、アマで井上を上回ったような結果を残せるだろうか。勝ちに徹するボクシング、決して弱くない、器用なスタイルはどこまで奥が深いか読めません。
そして、ドネア・・・
大橋会長が、井上がWBSSを制したら即Sバンタムに転向すると公言していた。
竹原は、強すぎじゃ、ライト級までいけるじゃろと言っていた。
同じ階級の弟の事や井上のパワーを考慮するとどこまでも上げていきそうだ。
しかし、ドネアを筆頭に過去どんな最強ボクサーも増量で底をみせ、ダメージを残し、敗れ、過去の人になった歴史を忘れてはならない。ノニト・ドネアやロマン・ゴンザレス、フェリックス・トリニダードのそんな姿を見るよりはリカルド・ロペスの引き際の方が個人的には美しい。上限は決めておいた方がいい。