
やはり世界的にはさほどビッグイベントではなかったようで、チャーロ兄弟が不甲斐なかっただけの試合と報道されているようだが、個人的には今年一番目の離せない緊張感のあるハイレベルで崇高な試合であり、苦戦といえどチャーロ兄弟の強さを再確認した次第だ。
おもったより、コロボフ敗戦の寂しさが尾を引いたので、私はつくづくコロボフファンであったのだろう。
ジャモールは強かったけど、兄弟共々、抜き打ちのVADA検査を受けておらず、罰金が科されていた事実を残しておく。事前通告もなくいきなり検査にやってくるのだそうで、その際、家におらず知らなかったという理由だ。携帯電話にも出なかった。
コロボフは今までのチャーロの相手とは違う実力を発揮したが、それでもチャーロは屈強でタフで厚い壁でした。スーパーミドル級でも十分な体格と体力を示し、双子の弟とはフィジカルの違いが顕著である。
WBC暫定ミドル級王者のジャモール・チャーロ(28勝21KO)はマット・コロボフ(28勝13KO2敗)とのハードな試合をユナニマスデシジョンで勝利した。
サウスポーのコロボフは序盤、左ストレートでチャーロからカウンターをとることに成功した。チャーロの前進にボディカウンターを合わせることにも成功していた。集計によると、有効打でも119-114でチャーロを上回った。
しかしチャーロは試合を通じてジャブを効果的に打ち、試合中盤にはコロボフの右目が閉じるようになり、徐々に打開していった。ジャブでは56-9でコロボフを上回っており、試合を通じて200発以上多くパンチを繰り出した。
12ラウンドにチャーロはコロボフを効かせ試合を終わらせようとしたが、コロボフはホールドや経験値で生き延びた。左フックでコロボフを打ち抜き、膝を揺らしダウン寸前まで追い込んだ。
12回を終えて、スコアは119-108、116-112×2でチャーロを支持。双子の弟、ジャーメルの敗北を見届けた直後でも、兄はタイトルを守り抜いた。
コロボフは勝利に値するファイトが出来たと信じている。
コロボフ
「勝ったとおもった。間違いなくどちらに転んでもいいような試合だったとおもう。観た人の声を信じている。私は最も避けられてきたボクサーであることは今日示すことができたとおもう。この試合が次のチャンスにつながってくれればと願う。」
https://boxvideo.sports-web.net/premier-boxing-champions/9992
ジャーメル・チャーロVSトニー・ハリソンの結果を受けると、この試合もスコアではコロボフの勝ちに値するものだとおもいましたが、ジャッジが別人だったのか、コロボフにとっては残念な結果となりました。
いくらなんでも119-108はないだろう。
どうすればチャーロに勝てるんだという残酷なスコアです。
信用に足る人物とはいえません。
個人的には、各ラウンドにポイントを分けるなら、クリーンヒットの多いコロボフの勝利になりましたが、その他の要素、当たらずともにパワーや圧力で主導権を握っているのはチャーロであるようにみえました。
そして最終回のチャーロの爆発、これはダウン相当の判断でも構いません。
このような結末は、デオンティ・ワイルダーVSタイソン・フューリーも同様でした。
序盤に一回、最終回に痛烈なダウンをしたフューリーですが、それでも世論の支持は大きくフューリーでした。採点ルールに沿うと、スキルをみせたフューリーが加点していったのだから当然です。しかし、レフリーの判断ひとつで一発ストップでもおかしくないほどの痛烈なダウンでした。あれがレフリーストップであれば、ワイルダーはヒーローでしょう。実際ストップするレフリーもいるはずだ。
採点は難しい、素人であれプロであれ、間違いなく個人の好みに左右されます。特に最近はそれが顕著で、ジャッジによって選手の運命を分かつ残酷な結果が多すぎます。
応援していたハリソンの戴冠には共感するものがあれど、ジャーメルは気の毒すぎます。
カネロVSGGGも、2試合ともに気分の晴れるジャッジではありませんでした。
しかし、勝者とコールされた者に全ての栄光が与えられてしまいます。
ジャッジのルールを根本から見直さないと、益々このような、歯がゆい、119-108のようなとうてい理解できない事が繰り返されることになる。何か抜本的な対策が急務だ。
それでも昨日下された裁定に異議をはさむ気持ちはない。
コロボフ35歳が言うように、避けられ続けた強豪の次のステップへと続くことを願うのみである。
そしてデトロイトの子供たちにメリークリスマス
日本を除く世界のビッグマッチは2018年を終えた。