WBC/CISBB/ウェルター級王者
IBF/Inter-Continental/ウェルター級王者
IBF/International/ウェルター級王者
初代EBU-EE/ウェルター級王者
WBA/Inter-Continental/ウェルター級王者
WBA世界ウェルター級王者
ヴァチェスラフ・センチェンコ(ウクライナ)
Vyacheslav Senchenko
30戦30勝(20KO)
無名だが無敗の王者センチェンコ。先日日本の佐々木基樹が強敵ランディ・スイコを破り東洋王座を獲得したが、その佐々木だけがよく知っているチャンピオンだろう。
そのボクシングはやはり同国のコテルニクやジンジラクの系統を感じさせるもので、ジャブ、防御、距離感がしっかりしており安定感、的確性で相手を上回るような基本に忠実なボクシングだ。
クリチコ兄弟を筆頭に旧ソ連の選手たちで一番目だっているのがウクライナかもしれない。
そんなにスピーディーではないがジャブやブロックの上手さなど国特有の共通項があり面白い。
必ず奇襲やトリックを試みる策士佐々木をしてもその堅いボクシングは崩れることなく大差の判定で退けている。
ずばぬけた能力は感じないが逆に欠点も見当たらない。おのれのスキルや体格を生かした間違いを犯さぬボクシングが完成されている。
ジンジラクのように近い将来のアメリカ進出を目論まぬ限り脚光を浴びることはないであろう。試合も極めて少ない謎に満ちた王者だがボクシング自体は超オーソドックス、いつか身体能力に長けたアンドレ・ベルトのような黒人選手やミゲル・コットあたりのビッグネームと戦って真価を発揮して欲しい。
佐々木もこの試合を経験したからこそランディ・スイコを逆転できたのかもしれない。
ベテランの彼の活躍もまた期待している。