そして終着駅 WBSS後のフェザー級

「目標はスーパーバンタム、フェザー級進出です。スーパーフェザー級?普通の選手で埋もれるでしょう。」体格、骨格を考慮して、ファンが心配、懸念する前に井上尚弥はこう公言していた。ここが上限だろう。体格もパワーも魅力減なマイキーの姿など井上に重ねたくない。3年、5年先になろうがここを夢見て我々ファンは楽しみを享受できる。

最近だとどうだろう、粟生が獲った、長谷川が獲った。しかし一瞬の出来事で世界に誇るフェザー級とはいえなかった。フェザー級、このあたりになると世界的な強豪が目白押し。パッキャオの世界快進撃もこのあたりからはじまった。ノニト・ドネアも跳ね返された。各々の王者が強く個性的で統一戦もままならない。

日本人にとっては、ひとつの究極であり、なかなか本格王者が誕生しない困難な階級といえる。
そんなフェザー級は今どうなっているのだろう?

ゲイリー・ラッセルJr

Gary Russell Jr.
30勝18KO1敗

WBC王者。長年求めてきたレオ・サンタクルスとの統一戦が実現せず、PBCを飛び出しDAZNと交渉中という。ロマチェンコに唯一対抗したスピードとスキル。全階級屈指のスピードスターは31歳。相手の動きを見切ってスピードで凌駕し圧倒的に攻めるが、相手がタフだとロープに下がり受け流す傾向がある。瞬発力もパワーもあるが、体格、体力、馬力が限界なのだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=w3Kd9NohImk

ツグスソグ・ニヤンバヤル

Tugstsogt Nyambayar
11勝9KO

ロンドン銀メダリストでエリミネーターといえる元王者のクラウディオ・マレロにも勝ち、1位の指名挑戦権にいるモンゴルの雄。王者はラッセルだが実現するのかしないのか、ラッセルはビッグマッチしか志向していない。ボクシングもファイトもできる俊才だが、どちらも突き抜けておらずマレロ戦はギリギリの苦戦だった。ラッセルだけは厳しいか。

https://www.youtube.com/watch?v=N-95AQS11lo

カール・フランプトン

Carl Frampton
26勝15KO2敗

元2階級王者で英国の主役も同国のジョシュ・ウォーリントンにまさかの完敗。相手を選べば王者に復帰もありえるが、フェザー級ではファイターとしてもテクニシャンとしても小粒。人気先行。

ジョシュ・ウォーリントン

Josh Warrington
29勝6KO

ライバルのキッド・ガラハドにも一応競り勝って無敗を堅持。英国の徐ともいえる堅牢なラッシャー。こういう選手が意外と生き残るのがプロの面白さだが、勝てるやり方は色々とあるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=LHwWg8-Q6mg

ジェシー・マグダレノ

Jessie Magdaleno
26勝18KO1敗

完成度の高いサウスポーだがフランプトンと同じく小柄で小粒。ドッグボーに完全に倒され思い切りの良さも消えた。実力者ながらスーパーな存在ではない。

https://www.youtube.com/watch?v=HEdp6uGON-w

ミゲル・マリアガ

Miguel Marriaga
28勝24KO3敗

格下には強いが一流王者が相手になると今一つ通じない。ロマチェンコに完敗、バルデスには惜敗だったがこの殻を破れるか。

マーク・マグセイヨー

Mark Magsayo
19勝14KO

フィリピンでパッキャオ、ドネアに次ぐ天才、スーパースターに駆け上がる存在にみえたが、アメリカ進出でキャリアが停滞。結局1年以上のブランクでシンガポールで再起した。足りないのはキャリアなのにそのキャリアが止まっている。

ジュエット・ゴンザレス

Joet Gonzalez
22勝13KO

ゴールデンボーイプロモーションが推すプロスペクト。アマではゲルボンタ・デービスと勝敗を分けた。無敗なんかに拘らず挑戦するためにやってるんだという強気な姿勢といいマッチメイクでタイトルに近づいている。

阿部麗也

Reiya Abe
19勝9KO2敗1分

日本のサウスポーのテクニシャンだが源戦でダウンを喫し引き分けた。スピード系ボクシングなのだろうが、それだとマレロやラッセルなどもっと上の天才がわんさかいる。何か加えないととうてい世界では戦えないとおもうが、久保隼よりは善戦できただろう。

源 大輝

Taiki Minamoto
16勝13KO5敗1分

阿部と引き分け。ダウンを奪うも技術で負けていたっぽい。日本、アジアで断トツナンバーワンになれれば世界を語れる。

ヘスス・マヌエル・ロハス

Jesus M Rojas
27勝20KO3敗2分

徐に不運な敗北を喫し王座陥落も、プロたたき上げのパワーとタフネスは誰にとっても厄介。しかしノックアウト勝ちしないとポイント負けしてしまう人気のない気の毒な選手。

ジャック・テポラ

Jhack Tepora
23勝17KO

なくていい暫定王座を自らの減量失敗で失った。まだ24歳のフィリピンのサウスポーはどこまで伸びるかわからない。

https://www.youtube.com/watch?v=FR4EW3HXAwc

レオ・サンタ・クルス

Leo Santa Cruz
36勝19KO1敗1分

全階級屈指の在位かもしれない。歴史が長い。手数と勤勉さは秀逸だがフェザーではパワーレスで誰も倒れない。口ではビッグファイトを志向するものの、パパがパパがとファザコンで危険な相手を避け続ける。もう飽きた。

Xu Can

17勝3KO2敗

中国経済を取り込むために作られた世界王者の匂いがするが、彼自身は勤勉で自信、自覚も湧き昔のコリアンのように王者でありつつ成長し強くなっていくだろう。しかし本格的な相手と戦ったらイチコロだ。

エドゥアルド・ラミレス

Eduardo Ramirez
22勝9KO1敗3分

WBAにはこんなゴールド王者なるものもいる。普通によくいるメキシカンの世界ランカー以上のものは今はない。

ヘクター・ガルシア

Hector Luis Garcia
11勝9KO

ドミニカの無敗選手でランク入りしていたものの詳細はわからない。ドミニカにあんまりニセモノはいない。

シャクール・スティーブンソン

Shakur Stevenson
11勝6KO

仮に井上が3年後、5年後、あるいは10年後にフェザー級に無事に進出できたとして、その頃も王者でいるのはこの男かもしれない。リオ銀メダリストの才能、ディフェンス技術は圧倒的に抜けている。

マイケル・コンラン

Michael Conlan
11勝6KO

巨大なファンベースを持つ次期スター候補。シャクールほどの天才ではないが豊富なアマ実績を誇る。何が何でも王者にしたい金の卵だろう。次が五輪で因縁のあったウラジミール・ニキチンだ。

ハイロン・ソカラス

Hairon Socarras
22勝14KO3分

アメリカ拠点のキューバ人なのですごいアマチュアキャリアがありそうだがよくわからない。シャクール・スティーブンソンとの対戦が決まり逃げた。

ヨハン・バスケス

Yohan Vasquez
23勝20KO2敗

ドミニカの未知な選手だがKO率が魅力。KO負けはないがパットしない選手に負けている。

清水聡

Satoshi Shimizu
8勝8KO

日本の切り札33歳。ランカーをみると決まった選手しか有望株がいないので清水にも大いなる可能性がある。スタイルが独特すぎるので海外でポイント勝利は難しいだろう。ロボコンパンチと不思議なディフェンスで相手をボコボコにしないと見栄え勝ちできないタイプ。

https://www.youtube.com/watch?v=63U_yBlI9Tc

ランフィス・エンカーナシオン

Ranfis Encarnacion
16勝12KO

なんかドミニカンがフェザー級には多いな。ドミニカを超えてアメリカデビューも2回KOでクリアしている。

デイブ・ペニャロサ

Dave Penalosa
15勝11KO

ドディーボーイ・ペニャロサの息子でジェリー・ペニャロサの甥だそう。強そう。今度シルバータイトルをかけてランカーのレラト・ドラミニ(南ア)と戦う。

オスカー・バルデス

Oscar Valdez
26勝20KO

WBO王者で貫禄が出てきたが、ゲイリー・ラッセルと交わらないところは他の王者と同じ。前に出ると強いが強気に打ち返されて下がると脆さもみせるフッカー。フランプトンと戦ってスーパーフェザー級に上げるというがスーパーフェザーのスケール感はない。

https://www.youtube.com/watch?v=NrEUPQ9TO9c

ルーベン・ビラ

Ruben Villa
16勝5KO

シャクール・スティーブンソンやライアン・ガルシアに負けじとアメリカでトップをはっていたアマ。一番精力的に試合をしている。王者級のスキルは既にありそうだ。パワーレス、判定型という以外は完成度は高い。

デイビット・オリバー・ジョイス

David Oliver Joyce
10勝8KO

アイルランドのトップアマでロマチェンコやバルデスとの対戦歴もある。もう32歳だが実績は十分。

ロブソン・コンセイソン

Robson Conceicao
13勝6KO

リオ金メダリスト。リオだから金になれたのかな。金メダリストにしてはギクシャクして説得力のないファイトだがアマでロマチェンコに土をつけかけた男。手足が長く軌道が独特で極めてやりにくそう。まだランク入りしてないが他に有望なのがいなかったのでチョイス。

トレマイン・ウィリアムズ

Tremaine Williams
17勝6KO

ゲイリー・ラッセルと間違えるほどの俊才だが数々の犯罪歴で大手プロモーションから見放されランク入りしていない。既に王者になれる才能だ。

[st-card id=58506 ]

もっと怪物揃いかとおもいきや、王者は王者たる理由があるというべきかそこまで強力なランカーはいませんでした。今のフェザーをみても3年後、5年後は異なるだろうから目安程度にしかならないが、誰をどうみても普通に今の井上尚弥よりデカいし太いし若いのもたくさんいる。体力、特に耐久力は別世界だろう。

正直に個人的な脅威ランクでいえば

ゲイリー・ラッセルJr
シャクール・スティーブンソン
ツグスソグ・ニヤンバヤル
トレマイン・ウィリアムズ
マーク・マグセイヨー
オスカー・バルデス
ロブソン・コンセイソン

となる。

大沢とかも上位にいたが割愛した。ランク入りしてないが、トラメイン・ウィリアムズとかは加えた。

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