ウェンブリースタジアムだったか、巨大な収容人数を誇る会場で行われたヘビー級王座戦はIBFの王者がデュボアで挑戦者がジョシュアでしたが、明暗が分かれました。
やや低調な前座を終えてのメインは、初回からデュボアがジョシュアからダウンを奪い、その後もダウンをとったり圧倒的に優勢に進めながら、5回にジョシュアが逆転の一発でデュボアを効かせ、倒しにかかったところにデュボアのカウンターの右、10カウントでジョシュアが立てませんでした。
完全決着といえる内容でデュボアが世代交代を果たしたという印象です。
最近のジョシュアは心を入れ替えてトレーニングに集中し、かなり研ぎ澄まされて強くなった、デオンティ・ワイルダーとは違って復活しつつありましたが、元来の特徴である効きやすさ、打たれ脆さ、ディフェンスの危うさというのは改善されておらず・・・
これはアップセットでもなくそのまま実力差であるとおもいます。
しかし初回からいいのを食ってしまったり、再戦すればどうなるかわかりません。
ワイルダー、ジョシュア、フューリーの3強時代からずっと、その下で鎬を削っている若手にもっと強いのがいるとおもっていましたが、ヘビー級においてはどちらが強いのかはわからないものです。
アマでもプロでも無双しているバホディル・ジャロロフとか、ホワイトタイソンのようなリチャード・トーレス、英国の怪童モーゼス・イタウマなどでも王者になってしまうような気がします。
ジョシュアはこれで終わるにはまだ若く、ボクシングの内容も悪くないですが、一旦は時代の区切りとみていいだろう。
フランシス・ガヌーなる選手を圧倒して救世主と化したジョシュアだが、次の試合で全て止まってしまう、残忍なコントラスト。ジョシュアの鋼のような肉体は分厚くも脆い。