昨日の試合の振り返りです。
2ラウンドのダウンでユリオルキス・ガンボアはアキレス腱を切った(痛めた)そうだ。敗者となったが、これで引退するつもりはなく怪我を直して再起する、デービスとの再戦もしたいという。
ガンボア
「ライオンハートで試合を続けた。アキレス腱が切れた。デービスは悪いボクサーだとはおもわないがダウンは全て私が下がった時に起きた。文字通り、片足で戦っていてうまく動けなかったんだ。」
例によってboxingnews24.comの記事ですが、こちらでは
ガンボアは年齢による劣化をあまり感じさせずよく戦った。アキレス腱の怪我のせいでパンチに力がなかった。もしガンボアが怪我をしていなければ勝敗は逆になっていたのではないか、昨日のデービスの出来では、デビン・ヘイニー、テオフィモ・ロペス、ワシル・ロマチェンコ、ライアン・ガルシアには勝てないだろう、それがメイウェザープロモーションがデービスの対戦者に対して慎重な理由だ。
というような事が書かれていました。
当然100%同意できる内容ではありません。
別の記事では
ガンボアは最初のダウンでコーナーに戻った時、試合を放棄したいようにみえた。彼はこれ以上傷つきたくない、続けられないと言った。しかし彼のコーナーもレフリーもそれを許さなかった
とある。
この試合で個人的に関心したのは、ジェルボンタ・デービスのファイトが12ラウンドみれたことだ。確かに怪物的に強く、もともとメイウェザーライクなディフェンス勘もいいがガンボアのパンチをかなりもらった。しかしガンボアのパンチは脚に力がなく手打ちのように軽かった。
デービスはまずプレッシャーが強い。前に出る力がすさまじいが上体のディフェンスはよくパンチは当てにくい。さらに繰り出すパンチが破壊的で意外性がある。特に左フックやアッパーがあらゆる変則的な角度から飛んでくる。
腕力、かいな力が凄まじく、ガードをぶち破るような威力だ。
クリーンな間合いで戦うよりむしろ、もみ合い、クリンチ間際、一旦間が空いた後に繰り出すパンチが危険で凶悪だ。油断した隙のパンチというのがひとつの必殺パターンになっている。(その他試合でもそういう時にダウンを奪うことが多い)
間違いなく怪物的に強いが、どなたかも言っていたように、リードジャブ、中間距離が上手く力強い相手には相性が悪そうだ。ジェルボンタ・デービスの強さは接近戦、踏み込んだ先にある。怪力を前に相手は萎縮する。
軽いとはいえガンボアのパンチを危険なタイミングで何度も食っていたので、あの風貌から察するに打たれ強さもかなりのものだろうが、パンチはかなり食うということがわかった。腕力任せで思いきり打つ奴は思いきり食うのだ。危うさもある。
私の中のジェルボンタ・デービス神話は崩壊したが、まさにミニタイソンのような強靭な怪物であることは間違いない。パワフルでタフでもある・・・23勝22KO。特別な存在の世界王者といえる。
最後にそんなジェルボンタ
ジェルボンタ
「ガンボアは素晴らしいキャリアを示した。自分の最高のパフォーマンスとはいえなかったけどまぁまぁだった。ホームで12ラウンド戦えたのはいい経験だった。デビン・ヘイニー、テオフィモ・ロペス、ワシル・ロマチェンコ、彼らは王者でありライト級のビッグネームだが俺が一番だ。俺こそ金のなる木、スターだ。間違いなく俺はビッグネームを求めていく。でもすぐに実現するかはわからない。嘘はつきたくない。プロモーションに任せる。」
とトーンダウンでした。
記事では、メイウェザープロモーションに期待してはいけない、次はロバートイースターのような相手を選ぶだろうと書かれていました。
2020年4月にワシル・ロマチェンコVSテオフィモ・ロペスがほぼ決定のようだ。
私はロマチェンコを支持するが、この試合はロペスにとってのボーナスだ。若く無敗の彼に失うものはない。負けてもまだ輝かしい未来がある。
だから、ジェルボンタ・デービスも相手を選ばずどんどんビッグマッチをして欲しい。そういう試合でないと本当に評価することはいつまでたっても出来ない。