冷戦が終わり、今

バーナード・ホプキンスVSセルゲイ・コバレフというマニアにはたまらない試合があります。
この試合には深い味わいがあります。

ホプキンスは常識の通用しないお化けでスタイルも弧高のものですが、50歳近いのにこんなに強いのはやはり黒人特有の身体能力がベースにあり、節制と練習で生み出すコンディション作りとキャリアが肝なのだとおもいます。

方や、セルゲイ・コバレフ、昔は謎のベールに包まれ、プロではお目にかかれなかった共産圏のトップアマチュア、映画ロッキーでのドラコさながらの、米ソ、冷戦を象徴するような異次元からのモンスターを体現しています。

アマチュアがそうであるように最近のボクシング、特に重量級シーンでは、旧共産圏からの強打、剛腕ボクサーが目立つようになりました。
それらは、レナード、ハーンズ、デュラン、ハグラーと熱狂していたあの時代には実在したが見る事の適わかなかったボクサーたちです。

冷戦が終わり、今になり、リングを舞台にした代理戦争が幕をあけました。

バーナード・ホプキンスVSセルゲイ・コバレフ

不気味なカザフスタンの刺客、ベイブット・シュメノフはホプキンスに子ども扱いされたが、本命はコバレフです。
ホプキンスのスタイルは相手をスポイルしボクシングを無効化させてしまうことですが、コバレフ相手に自分のワールドに引きずりこめるのか?
コバレフはLヘビー歴代ナンバーワンではないかとおもわれる鉄腕ぶりが目立つが実はかなりオーソドックスなテクニシャンだ。
どんなパンチでも(ジャブでさえもが)KOパンチである上、ガムシャラファイターでなく押し引きが上手い。

順当なら手を焼いてもコバレフがホプキンスをノックアウトするとおもう。
順当な試合をさせないホプキンスがホールド地獄の泥試合を作る可能性もある。

コバレフを推すが荒れ模様必至な試合となろう。

逃げないホプキンスと逃げるスティーブンソン、どちらが強いかはもう見えている。
ホプキンスが完敗した時、ひとつの時代が終わる。

マット・コロボフVSデミトリアス・アンドラーデ

コロボフ戦を義務とする王者ピーター・クイリンが王座を返上してしまった。
ファイトマネーがどうたらいい訳はあろうがこれはコロボフからの逃避行と言われても仕方ない。

コロボフは上記のコバレフをロシア国内で抑えて世界選手権などを勝ち取ったロシアのトップアマ出身。
デビューから完成されたサウスポーだったが遅すぎた感のある初挑戦。
こちらは強打よりも、安定したスキルが冴えわたるアウトボクサー型だ。

相手は一階級下の王者、これまたアマの頂点にもたったことのあるアンドラーデ。
クイリンよりも厳しい相手だろう。体格もありルックスもよく正統派のアメリカンニューヒーローの佇まい。

ホプキンスVSコバレフと同じ、アメリカ黒人VSロシアトップアマという構図。

タイミング的にはコロボフは全盛期を過ぎた感があり、相手に勢いがあるが、熟練の妙技でアンドラーデを上回る可能性もある。

ライバルが逃避し無人荒野をひた走る、ゲンナジー・ゴロフキン、村田より世界が近そうなイエフゲン・ヒトロフ、
やはり次元の違う破壊力のイゴール・メコンツェフ、クラウドをかませの雑魚にしてしまったベテルビエフなどなど・・・・

伝説のヒーロー達に比較しちゃ失礼だ、昔のロマンを謳歌しようなんて気質がまだあるが
ヘビー級はどうだ?もうクリチコ絶対政権だ。

懐古趣味は意味がない。
東欧、共産圏の元トップアマたちが歴史を、時代を変えてくれることを期待、確信しています。

彼らはなんていうか、軸が太い、骨が太い、勝つよりも倒すことに長けており、それでいてユーリのような黒人にも負けないテクニックを備えたりしていて、計り知れないのだ。

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コメント一覧
  1. どこぞの大会ではボクシングでお粗末な判定が連発ですな・・・選手も大変です。それはさておき、ホプキンス対コバレフは楽しみですね。
    ドネア対ウォータース同様楽しみで予想は難しいですが、ホプキンスがいつものようにレッスンしてしまうのではないかと考えています。しかし、この人はほんとエイリアンですね。私は見ていて若い人を次々にレッスンしてしまう姿が痛快で好きなんです。しかしこれはおっしゃられるとおり徹底した自己管理の賜物なんでしょうね。見習わないと・・・

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  2. テテさん

    完全決着がみたいですが、反則、負傷判定、など不穏な空気が漂うんですよね。

    コバレフ、すさまじい強さですが昔ダウン食って危うい試合もあったようです。

    テクもすごいので有利だとはおもいますがホプさんに期待する自分がいます。

    シュメノフもパワーはホプさんよりあっただろうに、何もできませんでしたね。

    まあ、コバレフを推しますが。

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  3. ホプキンスは今まで明らかな格上選手にはしっかりと負けてきました。
    今で言うと、ウェイトがかみ合えばウォードにも負けるでしょう。
    年齢というハンディキャップを抜きにすれば、そこまで飛びぬけたような選手ではないと思うんです。
    50でコバレフと勝利予想ができる時点で化け物なのは認めますが
    ただ純粋に実力だけで見ればもうコバレフにKO負けしてもおかしくないです。

    ですので、いくらなんでも今回はきっちりホプキンスが負けると思います。
    ロイ、カルザゲ、テイラー 負け試合はどれも競ってましたが
    コバレフで初めて完敗を喫するのでは・・。
    老獪なテクではごまかしきれないパワーの差があるかと・・・

    しかし楽しみですねww

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  4. クイリンは図りしれないスケールがあるとおもいますが金銭などで相手を選んだり、スーパースターと勘違いしてないかい?

    まだヒヨッコの新米王者だろ。

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  5. ボロカブさん

    ホプさんは誰が相手でも試合を塩漬けしてしまうのでそこだけに注目してます。
    自身も効いたダウンはないというかクリーンに負けたのみたことないし。

    ボクシングは危険覚悟で拳で殴り合う道を選んだものだけがやればいいとおもいます。

    素質あるものが別のスポーツ選ぶのは残念ですがその時点でボクシングに向いてないとおもいます。

    ロシア圏は氷の魂があるんじゃないですかね。

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  6. コバレフ対ホプは、面白いと思います!ただホプキンスも50歳をすでに越えているので、コバレフのテクニックとパンチには、耐えられない気がします。クイリンは、GGGとやりたがっていたのは、ポーズなんでしょうね 最近の米国だとボクシングは、残念ながらマイナースポーツです。能力のある人間は、安定的に稼げるアメラグ、バスケ、野球、用具契約が莫大で賞金が高いゴルフ、 あるいは観客動員が凄まじいストックカーレースとかを、やりたがるのかもです。残念ですけど、米国の中大型スポーツ選手は、他に行っているのでしょう。逆に東欧や中国から強いボクサーが、出て来れば良いのかも?日本は、世界チャンピオンが、年1~2試合と厳しい状況です。

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