歴史的なSウェルター級4団体統一王者は誕生しなかった。数週間、大きな試合はお休みか、究極のビッグマッチはなかなか実現しないが、実はサバイバルは加速している。先の読めない現代、回り道をしている余裕などない。
8月6日
マイケル・コンランVSTJドヘニー
アイルランドのトップアマチュア、方やエリートアイドル、方や苦労人。
人相にもそれが出ている。
恐らく、若く速いコンランがドヘニーに引導を渡すだろうが、ドヘニーには最後の矜持を示してもらいたい。
人生の縮図のような運命的にして皮肉な試合。
8月14日
ギジェルモ・リゴンドーVSジョンリエル・カシメロ
多くの日本人はリゴンドーの楽勝を予想、期待しているが、止まったらリゴンドーは危ない。奇妙なダッキングやクリンチなどでリゴンドーが不用意な姿勢をみせるとそこをカシメロは見逃さない。ダーティー戦法は間違いない。リゴンドーが勝つには12ラウンド、足を止めないことだ。
エマニュエル・ロドリゲスVSゲイリー・アントニオ・ラッセル
IBFの王者になった頃のロドリゲスはエリートをおもわせたが、井上尚弥に負けてからは散々だ。レイマート・ガバリョには勝っていたが、どうやらロドリゲスにはフィジカル、パワーが足りない。アントニオは、パヤノとどっこいで、少し大きく体力があったくらいだが、この家族はなかなか隙がない。ロドリゲスにはここを突破してもらいたいが、オッズは全勝のアントニオかもしれない。
ラウシー・ウォーレンVSダミアン・バスケス
パヤノにもフィゲロアにもボコボコにされたバスケスはバンタムとSバンタムを彷徨う。経験を積んで少しづつホンモノの強さが備わってきたか。ウォーレンにはボコボコにはされないだろうが今度はスピードについていけない気がする。
テオフィモ・ロペスVSジョージ・カンボソス・ジュニア
リセット。P4P候補のロペスは別格の強さを示さねばならない。大きくはないがガチムチなのでライト級を作るのは大変だろう。たしかに強いがポカしそうな匂いも漂うロペスはビッグマッチの主役として軽くノックアウトで通過せねばならない。
ジョシュア・フランコVSアンドリュー・モロニー
3回目の対戦。決着して欲しい。井岡のSフライ級のもうひとつの王座。
ジェイソン・モロニーVSジョシュア・グリー
井上戦は完敗とも善戦したともいえるモロニー。世界王者になりたいのであればグリーはKOすべき相手だ。
バージル・オルティスVSエギディウス・カバリャウスカス
オルティスは世界戦に向けて本当に厳しい試合を重ねている。ど根性と狂気の若者と天然豪打のベテランによるサバイバル。ここもKOで勝ち抜くならオルティスはいつ世界挑戦してもいい。もう挑戦してもいい位置だが。
8月21日
エロール・スペンスVSマニー・パッキャオ
ここがひとつの終着点。
パッキャオ
「復帰戦でもっと楽な相手を選ぶこともできた。だが、私はリアルファイトをしたいし、ファンにいい試合を見せたい。スペンスは当時のメイウェザーより強いとおもっている。」
は究極の皮肉でもある。かっこいい。
若く、大きく、他のライバルたちよりも軸がしっかりしている難攻不落のスペンスは、Sウェルターも制圧できるだろう。しかし、最近の出来は突出したものではなく、初パッキャオを味わうと狂わされる可能性もある。すべてはパッキャオ42歳のコンディション、機動力と運動量次第だが、42歳だもんな。
ここまで書きたかったのは前座も魅力的だから。
マーク・マグサヨVSフリオ・セハ
かつてマグサヨは世界王者間違いなしとおもわれた。しかし今は迷走している。
勝者はゲイリー・ラッセルへの挑戦権を得るようだが、ラッセルはやりたくないだろうな。
エマニュエル・ナバレッテは次は誰と?
セバスチャン・フンドラVSセルジオ・ガルシア
統一王者が決まらない間に、2メートルのフンドラやティム・チューなど、人気で凌駕する面白いファイターが台頭してきた。フンドラは最近結果も出して勢いがあるが、ガルシアはスペインで33勝全勝だ。
ジャマル・ジェームズVSラジャブ・ブタエフ
これは未確認情報、ぜひ実現して欲しい。
スペンスもそうだけど、このブタエフというのも、パッキャオと同じ階級とはおもえない強力なフィジカルモンスター系スラッガーです。ベスプーチンとの死闘は忘れられない。あの試合はドーピングによりノーコンテスト、ブタエフは未だ無敗だ。
ヨルデニス・ウガスVSTBA
ゲイリー・アントワン・ラッセルも出場予定だとか。
全てオッズ通りの結果となるのだろうか?
パッキャオのラストファイトとなるのだろうか。