マニアの老いは加速し時間がとまっていてもボクシングは止まりません。この試合をLIVEでみれなかったので改めてみました。
アンドリュー・モロニーはスペシャルではないが、世界王者レベルのいいファイターだ。相手とタイミング次第で王者になれるだろう。兄弟のジェイソンがそうだったように、ビンセント・アストロラビオ相手に2-0くらいのレベルだとはおもうが。
中谷はこの試合でやっぱり突出したファイターであることを証明しました。離れてよし、接近してよし、パンチの種類やタイミングなど、かつての日本にいなかったスタイル、引き出しを色々持っています。今後は特別に対策されるだろう。モロニーは中間距離を捨ててゴリゴリ接近戦に活路を求めたが、左右のショートアッパーで削られ、中間距離で種類の違う左で仕留められた。
恐らく今後も毎回ゴリゴリの接近戦を仕掛けられるだろう。
この階級のその他団体の王者は
IBF フェルナンド・マルチネス 15勝8KO
アンカハスを2度下したアルゼンチンの無敗王者。
身長157センチとかなり小さく、変則的なところがあるが、タフでエネルギッシュが持ち味。
そして五輪代表でもあったスキル、特にディフェンスがなかなかいい。
若いので、タフさやスタミナではもうエストラーダやロマゴンを凌駕しているかもしれない。
しかし身長170センチを超える中谷相手では踏み込んでいくしかないだろう。
中谷有利だ。
WBC ファン・フランシスコ・エストラーダ 44勝23KO3敗
みんなが戦いたいこの階級の顔、長きにわたるベテラン、33歳。
熟練の技巧とゾンビのようなタフネスでKO負けはしなそうな総合力があるが、ロマゴンに連勝とはいえ、どっちの勝利でもいいような内容で、ここが底だろう。フライ級上がりで身長163センチなところも、これ以上の上積みはなさそうだ。
この男を下せば新旧交代、歴史が変わり、中谷がP4Pにも顔を出すだろう。
互角か
WBA ジョシュア・フランコ 18勝8KO1敗3分
井岡と引き分け、王座を返上した井岡との再戦が決まっている。モロニーと3度やって決着つかずな感じだったので、中谷との実力差は図れる。3分しているように、非常にタフでしぶといが決め手がない。粘り強い選手。
中谷有利だ。
その他にも、まだモチベーションがありコンディションを作れるならレジェンドのロマゴン、これを倒したら日本人初の快挙となるし、WBOには田中恒成も控えている。順当にいけば田中との指名試合になるのだろうか。
田中はかつては井上尚弥に継ぐ存在で無敗の3階級制覇を成し遂げた超エリートだが、井岡に負けてから再起に成功しているものの、スタイルは同じように感じる。スピードや勢いはとてもいいが、そこを凌がれるとあとは勢いだけが勝負みたいなところがありやや単調だ。その能力だけで勝てる相手が大半だが、それが通用しない相手もいるだろう。
今、日本人世界王者は
寺地拳四朗
中谷潤人
井上拓真
重岡兄弟(2人とも暫定?)
くらいしかおもいつかないが、なんといってもナンバーワンは井上尚弥だろう。
それに次ぐのが実績のある寺地拳四朗か新米王者の中谷潤人
というくらい、試合は少なくとも中谷潤人のファイトは突き抜けたものがある。
年齢、体格的にもまだまだ未来は明るい。
井上のライバルになりえる強豪が同じ日本から出てきたといえるのかもしれない。
モロニー相手に、中谷潤人というファイターの特徴全てが披露されたような内容だっただけに、今後はかなり極端な対策をされるとおもわれる。中間距離ではまず無理なのでゴリゴリの接近戦、アッパーも対策を徹底されるだろう。
そんな状況だが、とりあえず、昔から続き、少し疲弊、停滞気味のSフライ級を統一、席巻、落ち着かせることが出来れば、中谷潤人の時代がやってくるだろう。
もう
ファン・フランシスコ・エストラーダ
ロマン・ゴンザレス
が牛耳るスーパーフライ級は終わりでいい。
時代は巡る、井上尚弥に継ぐ存在が出てきてしまった。
昔から筋はよかったけど、ここまで突出するとはおもわなかった。
過去に敗れた矢吹やユーリ阿久井も刺激を受けるだろう。
モロニー兄弟の壁