18度防衛で2階級王者、無敗ながらベールにつつまれたベテラン王者ナルバエスと軽量級一番のスタードネアの注目の対戦は両者の持ち味が発揮された故の地味な試合となりました。
勢いにのるドネアとボクシングを知り尽くしている古豪の対戦で期待しておりましたが、懸念材料であった体格差とお互い実績を考慮して慎重に戦いすぎた感のある歯がゆいものとなりました。
ドネアのキレまくるパンチとスピードをまずは確認しつつスロースタートが作戦だったかナルバエス、ほぼ完ぺきにドネアのジャブやストレートはブロック、フックやアッパーに対してもブロッキングをしてから懐入るのをうかがう完全受け身なスタイルでした。
対するドネアも基本的にカウンターを狙う作戦で手数は出るものの手だけだして相手が出てくる隙をうかがうボクシングで踏み込んだりはしていきません。
その全てのパンチがブロックされておりナルバエスもそれに終始してるので全く打開できない展開。
ナルバエスに肩入れしてみてましたので彼がいつドネアの動きを見切り、ガードだけのスタイルから攻撃開始するのかと見守っていましたが最後までブロックだけで試合を終えてしまいました。
ナルバエスのパンチは浅いジャブだけ。体格差、距離、スピード差があるので射程距離をまったくつかめない様子でした。
方やドネアもナルバエスの固いブロッキングと攻撃してこないスタイルを崩しあぐねて最後までブロックの上を叩くだけで終わってしまいました。
まるでスパーリングのような内容で終了。
クリーンヒットはなかったですが手数差でドネアのフルマーク勝利となりました。
ドネアの人気、勢い、最近の倒しっぷりを警戒しすぎたかナルバエス、ブロッキングや身のこなしはさすがの技術でしたが初の大舞台で捨て身で勝ちに行く姿勢は見られませんでした。打たれるのを怖がり過ぎた印象です。
ドネアはこの相手にフルマークですから価値を落としたところはないとおもいますが基本的に相手が打ち合ってこないとハマらないカウンターパンチャーであると再確認できました。
消化不良ではありましたが難航不落である両者が捨て身になりきれずリスク回避で最大限の仕事をしたというような内容でした。
相手、相性あってのボクシングですから完全無欠の強さなどなく、負けるリスクは誰にでもあると強く感じました。
ドネアに対する才能へのリスペクトは変わりませんでしたが日本人はじめ戦うメリット、勝算はなくはないでしょう。
方やナルバエス、どの階級で現役続行するのかこれを最後にするのかはわかりませんし技術の高さは誇示しましたが間違いなくバンタムはきついでしょう。やはり最軽量級のベテラン王者という感じで体格差は克服できないとおもいます。
西岡も山中も長谷川もチャンスがあればのぞむところじゃないでしょうか。