
激戦のライトヘビー級の注目試合。シュメノフは評価の低い王者でしたがGGGのカザフスタンでありアジア系の風貌・・・やってくれるかとおもっていましたが・・・
またもや、ホプキンスワールドの泥沼にはまってしまいました。
というか、泥沼化する以前にボクシングでもホプキンスが完全に上回っていました。
まもなく50歳のこのエイリアン、本当にどうかしています。
シュメノフはハイレベルなカザフスタンにおいても五輪代表になるほどのアマチュアでもありますが上手いボクサーではない。
ルーツである空手のイメージが強く、スタンス、フォルムも空手家のお坊さん。
ガードを低くしアップライトなスタンスから正拳突きのようなジャブやストレートを放つ、ボクシングのスタイルとは異なります。ただ、体格、風貌、国籍からして屈強でいかつい。大柄で強打な正拳突きで相手を倒してきたのでしょう。
しかし、距離をとった駆け引きでエイリアンが劣るはずもなく、歴戦のコマンダー、ホプキンスに呑み込まれてしまいました。
何を考え、どう動いて来るかわからないホプキンスを前にシュメノフはジャブに続くパンチを出せずじまい。感覚を掴むことなく12ラウンド翻弄されつづけました。11回のダウンは痛烈でアウトボクシングもファイトもさせてもらえない感じでした。
ホプキンスには敗戦もありますが、本当に変人奇人です。二度と彼のようなボクサーは現れないでしょう。
どんなファイターの力をも封じ込めてしまう懐の深さ、ボクシングの王道とは別の邪道を極めています。
もう50歳に近いので敗戦、引退も近いとおもいますが、ホプキンスを痛烈に下した選手などひとりもいない。
彼だけは実現こそしないだろうがP4P最強といわれるメイウェザーのスピードもテクニックも全くおかまいなしに封印してしまう奥義を持っているのかもしれない。
Lヘビーには他にもアドニス・スティーブンソンという野性的な強打者と超剛腕のセルゲイ・コバレフがおり、どちらかがホプキンスに引導を渡すに違いないとおもいますが、どちらも封印してしまうかもしれぬダーティーワールド、宇宙人的能力をホプキンスは持っています。いずれ実現するでしょう。50歳を過ぎてとなるのかな、いやはやこれはパッキャオに並ぶ、偉業、ありえぬ記録です。
ショーン・ポーターVSポール・マリナッジ
こっちの試合の方が関心高かった。
アレクサンダーを下して王者になったポーター、ブローナーを手こずらせ、ジュダーを下したマジックマン、マリナッジを寄せ付けませんでした。
かつてプロスペクトで紹介したポーターですが、シェーン・モズリーのようなゴリラ的風貌、チビなドファイターで面白い存在でしたが小さすぎてファイターしかできないので王座はきついかなとおもってましたが躍進しましたね。
マリナッジが過去のどんな試合よりもボコボコにされてしまいました。もう引退と言わんばかりの圧倒。
そんなにクイックに見えませんが、鋭い踏み込みと的中率の高い左フックは野獣的な風貌も含めタイソンのようでした。
アレクサンダーを下した実力は本物だ。こういうファイターは得てしてタフでもあるし、遅れてきた打倒メイウェザーの候補のような痛烈試合でした。
ただ、遅れてきすぎてたぶん、もうひとりの俊才、キース・サーマンあたりとのつぶしあいかな。
どうしたって悪役顔だしな。
長谷川と戦うキコ・マルチネスはここまで強くはないだろうし
マリナッジみたいな腰ぬけパンチじゃない長谷川なので大丈夫だろうが
勢いあるファイターの怖さを痛感しました。
この人チビなのにアマチュアではミドル~上の猛者とばかりやっている。
エドウィン・ロドリゲスとかダニエル・ジェイコブスとか・・・
全然、体格が違うじゃないの。
今後の敵は己の体重か。
アマチュア時代の戦績は290戦276勝14敗
デビューはスーパーミドル級
身長170センチ
長谷川戦まであと2日ですが、結果は順当といえど、色々感慨深い試合内容でした。