日本の民放をほとんど観ない自分にとって、森弘一郎の方がよっぽど有名人です。うっとうしいほどに・・・
未だ削除されないこの動画で、試合を堪能する事ができました。(やっぱり削除されました。)
結果を知った後にみたので、いつもの100%主観のクレージーな採点にはならないかな。
顔面へのヒットは田中
ボディは木村
パワーは木村
手数、見栄えは田中
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 | 8 | 9 | 10 | 11 | 12 | R | |
木村 | 9 | 9 | 9 | 9 | 10 | 10 | 10 | 9 | 9 | 10 | 10 | 10 | 114 |
田中 | 10 | 10 | 10 | 10 | 9 | 9 | 8 | 10 | 10 | 9 | 9 | 9 | 113 |
114-113
木村
あくまで個人的な採点はこうなりました。
7ラウンドのスリップを一瞬効いたダウンとみなし、木村の10-8とつけたので、ダウン裁定ではなかったのなら、10-9で田中であり、結果は逆転する。
両者、コンディションも決意も素晴らしい激戦でしたが、華麗なテクニックが好きなジャッジなら田中を、地味でも有効打を冷静にみるなら木村で、人の印象により割れる試合、引き分けのような内容に映りました。
今、フライ級は
クリストファー・ロサレス
アーテム・ダラキアン
モルティ・ムザラネ
田中恒成
個性的で強い王者が揃ってはいますが、世界にアピールするには地味すぎ、ジャーニーマンが当たり前のロサレスを除き、次にいつ防衛戦が実現できるかもわからぬ、マイナーな国の王者ばかりです。
この状況を打開するには、各々が地味な防衛戦を細々とやっていくのではなく、統一戦やビッグネームとの対戦を辞さない決意が必要です。他の階級でもその流れは加速しています。ビッグネームとは言えませんが、五輪エリートのパディ・バーンズをアウェーで悶絶させたロサレスの試合は痛快でした。今、選手の奪い合い、戦国時代と化している本場、米国、英国のプロモーターはフライ級というマイナス要素を除けば、田中は欲しい逸材かもしれません。
「燃え尽きた、今はボクシングをしたくない」
という木村の気持ちは痛いほどにわかりますが、指摘せずにはいられないのは、ゾウ戦から比べても木村は王者の威厳か自信か、明らかに総合的に強くなっていることです。攻撃もそうですが、スリッピングやダッキング、ガードの技術も向上し、屈強さ、総合力が増しています。勝ちでもおかしくない試合でしたが、望まれるのはあと少しのプレスでしょうか。明らかにファイターな木村ですが、相手を後退させる、ロープ、コーナーに追い詰めるプレスがあれば、怖さ、屈強さがさらに増します。
対する田中はこの試合の決意として、引かない、下がらない打ち合いを覚悟していたのでしょうが、記録だけはロマチェンコと並ぶものですが、本人の言う通り、内容はギリギリです。木村ほどの屈強な相手だと、スピードで圧倒したり、ロマチェンコばりの横の動き、セコンドがしきりに言っていた打って打たせない、レッスンのようなボクシングをする余裕などなく積極性と根性で勝負するのが精いっぱいでした。最近は結構ダメージの残る激闘ばかりです。
互いに致命的な被弾はなかったですが、ボディを中心に明らかに木村の方が重そうなパンチでした。井上に次ぐテクニシャンの田中ですが、一発のパンチ力という点では他の王者に劣るといえそうです。
この試合は、両者の糧になる、さらに強くなるのに十分な激戦でした。
十分な休養をとった上でこの先のキャリアを続けていくならば、この日受けた傷は血となり肉となり、木村も田中もさらに強くなるだろう。個人的には、敗北という結果だったが、木村の株があがった試合でした。