年末最後まで追いかけていきます。選手の声でなくコンディショニングコーチの話ですが、興味深いのは、ニエテスは5階級制覇、バンタム級まで視野に入れている(らしい)ことでしょうか
アジアのスター選手同士で行われる12月31日の戦い、空位のWBOスーパーフライ級王座決定戦は、アジアのラスベガス、豪華絢爛なマカオのウィンパレスコタイで開催されます。
フィリピンのセブ島で、元3階級王者のドニー・ニエテス(41勝23KO1敗5分)を指導するコンディショニングコーチのアメリカ人、ニック・カールソンはニエテスの強さと可能性に自信を持っている。
ニエテスとどのように練習に取り組んでいるのですか?
ドニーと私、我々チームはとてもいい化学反応をみせているとおもいます。お互いをよく理解できています。
ドニーとの最初の仕事はライトフライ級時代にモイセス・フェンテスをノックアウトした試合です。2014年5月の事です。それ以来9試合、一緒に活動しています。
全ての試合でコンディショニングを成功させたのはチームの努力の賜物です。ドニーを人としてもファイターとしても評価し、ALAチーム全体と楽しんで仕事に取り組む。互いの国籍を尊重して、よい関係、化学反応を生み出しているのです。
ニエテスのコンディションはいかがですか?
ドニーはミニマム級からはじめて、今スーパーフライ級で戦っている。階級アップは彼のスピードや想像力、ボクシングのパフォーマンスを妨げることなく慎重に、体と相談しながら行ってきました。
この試合にむけてトータルで4か月くらいかけてトレーニングしています。ボクシングの準備にはそのくらいの時間が必要です。主に有酸素運動を取り入れました。加えて、新しいダイエットプログラムを導入しました。適切かつ厳密な減量にとても効果的な方法です。
ニエテスには市場の新鮮な食物で作ったサプリメントを与えています。これが、減量しながら水分補給とエネルギーを得られる良い手段になっています。
どんなサプリメントなのですか?
ビタミン、タンパク質、果物、ビタミンD、ビタミンB12、アミノ酸、すべて天然のものです。
加えて、私は炭水化物を摂取するようにさせています。多くのスポーツ選手は減量中に炭水化物を避ける傾向があります。でもその考え方はもう古いのです。炭水化物を恐れる必要はありません。
減量には正しい戦略があり、科学的な裏付けに基づいた方法を選択することで減量、コンディションは上手く作れるのです。
よい結果を得られましたか?
ドニーに聞いてもらえばわかるとおもうけど、前回のパリクテ戦は勝ったとおもうし、12ラウンド終えても7ラウンドか8ラウンドくらいに感じたようだ。パワーも通じたしリラックスしていいファイトが出来ていたとおもいます。
序盤はスーパーフライ級がどの程度か用心する必要がありました。相手のパワーやタフさを確認したり色々と。けれど感覚が掴めたらドニーは易々と試合をコントロールしはじめました。
前戦は9月で今回は12月です。この間隔はいかがですか?
ドニーがグッドシェイプを維持した状態からそんなに間隔があいていないので、むしろやり易いですし、ドニーは規律正しいので問題ありません。
でも、36歳のドニーの身体を24歳のようにするための努力は続けていくつもりです。
そしてもしドニーが井岡に勝利したら、バンタム級に挑戦してみたい。そのためには井岡を攻略しなければなりません。
井岡一翔をどうおもいますか?
簡単な相手ではありません。彼も3階級王者でまだ29歳です。テクニックがある。克服せねばならない真の挑戦です。我々は決して彼を侮っていません。
井岡は日本のファイターです。決して諦めないサムライの魂を持っています。加えて、彼はインテリジェントなボクサーです。
私は様々なスポーツを通じて15人の世界チャンピオンを指導してきました。その経験から、日本人のアスリートはメンタルの強さはトップ3に入ります。中東の競争意識がマインドセットされたアスリートを含めてもトップ3に入ります。
メンタルの強いファイターはナンバーワンになれます。
それがない人はただスポーツを仕事にして金を得ているだけです。
最後の文章を読むと、たぶんフィリピン人アスリートはトップ10にも入ってないんじゃないか。全体的には陽気で諦めが早い、南国気質を感じます。
しかし最後は個人の素質。
ALAジムのアシスタントスタッフからプロボクサーに転身したニエテス、言ってみれば掃除人からここまで上り詰めたニエテスに限っては強靭な精神力は間違いなく宿っています。
個人的には、総合力はニエテスにあるが
選手のピークである30歳前後を迎え、より速く、強く充実しているのは井岡であるとおもう。
パワーも技術もニエテスが上、しかしスピードは井岡
身体がピークといえる井岡の勢いがベテランを凌駕するのか、経験の差が出るのか
50-50
60-40
くらいでニエテスか
この印象も直前まで追いかけ見直してみよう。