全ては今後のコロナウィルスの状況次第だからまだ確信は持てないが、今はマロニーの心意気に敬意を表すのみ。
トップランクのCEOボブ・アラムは、オーストラリアのABCグランドスタンドのインタビューで、11月に井上尚弥VSジェイソン・マロニーが決定したことを伝えた。
ボブ・アラム
「ジェイソン・マロニーは日本のモンスターに挑みます。マロニーはとてつもない試練に突入する。」同日は、双子の弟、アンドリュー・マロニーVSジョシュア・フランコのダイレクトリマッチも予定されている。
井上にとって、ノニト・ドネアに対するスリリングな勝利以来はじめてのリングになる。この試合はESPN及びリングマガジンの2019年ファイトオブザイヤーに輝いた。
当初予定されていた井上VSジョン・リエル・カシメロは実現せず、カシメロは9月26日にデューク・マイカーと対戦する予定だ。しかしオーストラリア、ニューサウスウェールズ州キングスクリフ出身の29歳、マロニーは決して楽な相手ではない。
マロニーはIBF3位、WBA4位で、去る6月25日にはメキシコのレオナルド・バエズにTKO勝ちしている。実力的にジョン・リエル・カシメロに決して劣るものではなく、階級屈指の実力者ともいえる。
マロニーは井上の少ないキャリアに対するテストともいえる。日本のスーパースターに大きな試練を与える可能性がある。ボブ・アラムは具体的な日付、会場は明かしていない。
マロニーと読むっぽいのでこう表記してみました。モロニーに戻すかもしれません。もう日本のメディアに流れているので確定だろうか、個人的にはマロニーの言葉を確認してからでないと確信は持てない。
ジェイソン・マロニー
21勝18KO1敗
素晴らしい戦績とKO率だが、WBSSの結果をみるとどうしたって勝負ありな印象を受ける。マロニーは平均点の高い素晴らしいファイターだが、何かに秀でた怖さや意外性がある訳ではなく、基礎のしっかりとした優等生タイプだ。丁寧にコツコツ上下を打ち分け相手を削っていく。KO率ほどのパンチャーではない。
どこか、ジャーボンティ・デービスVSホセ・ペドラサ的な雰囲気を感じる。マロニーは正真正銘のバンタム級であり、井上尚弥はそのスケールを超えている。古くはマイク・タイソンVSマイケル・スピンクスだ。
それでも、何よりもマロニーを評価、警戒するとしたら、井上との試合を承諾したことだ。
自身が惜敗したエマニュエル・ロドリゲス戦を軸に考えれば、井上尚哉は強すぎる、勝つのは困難と本人も周囲も自覚しているはずだ。それでも受けたからには、何か大きな自信や信念、作戦があるはずだ。
WBSSでも一番無名な存在でボーナス枠で選ばれたような立場だったが、強い信念で優勝候補の一角とされたロドリゲスに互角に食い下がった。世界王者になりたい、優勝したいという気持ちが一番素直に伝わる選手だった。
WBSS後、出場選手はみな紆余曲折を味わった。
エマニュエル・ロドリゲスは未だ1試合もできず
井上はドネア戦の怪我とコロナウィルスの影響で試合が出来ず
ノニト・ドネアは井上と同じブランク、年末にWBCタイトル戦が決まった。
ライアン・バーネットは大怪我で引退
ミーシャ・アロイヤンはどこかに消えた、(スーパーフライ級に下げた)
ファン・カルロス・パヤノは高級噛ませ的役割に甘んじている。
ゾラニ・テテはポカ負けに近かったが(あんなかっこつけたダッキングをするんじゃなかった)もう名前も聞かれない。相当な傷心、痛手だろう。
その中にあって、ジェイソン・マロニーだけは、4戦4勝(全KO)と再起ロードは順調だ。それだけ、本人の意思の強さも周囲の期待も一致しているという事だ。
弟のアンドリューは全勝のまま、WBAスーパーフライ級王者に認定された。しかし本当の試練を経ずに戴冠したつけで、初防衛戦でいきなり伏兵に負けた。どうせ目指すは世界の頂、トップオブザトップ、WBSSにもそのつもりで参戦したジェイソンに、強者を避ける気持ちはないのだろう。
今はその心意気に敬意を表すのみ。
具体的には直近の試合などを見直してマロニーを勉強しよう。
それにしても、2か月ずれただけで、ジョン・リエル・カシメロ戦は消滅し、ジェイソン・マロニー戦は実現するという。全ては今後のコロナウィルスの状況次第だからまだ確信は持てないが、ボブ・アラムが、得体のしれないカシメロを恐れたと一部で言われているが、そういう側面も否定できない。
だって結局トップランク同士の対戦、自分が一番望む形にしちゃっている。
ロマチェンコVSロペス
井上VSマロニー
は組めるが
クロフォードVSスペンス
は組めない。
これがこの老プロモーターの手腕なのだ。
ともわれ、井上尚弥の2020年はこれで見納めだ。
一試合、観れるかどうか・・・実現を切に願う。
マイク・タイソンVSマイケル・スピンクス