
4月に行われる複数の世界戦、特にWBCバンタム級新王者の山中慎介が迎え撃つビック・ダルチニャンについてマニアではない人に向けて簡単に紹介しておく。マスコミはWBAバンタム級王者の防衛戦相手と変わらぬ報道しかしないだろうから。
豪/フライ級王者
OBA/バンタム級王者
初代IBF/Pan-Pacific/フライ級王者
第16代IBF世界フライ級王者
第6代IBO世界フライ級王者
第9代IBO世界S・フライ級王者
初代IBF/Australasian/S・フライ級王者
第19代IBF世界J・バンタム級王者
第20代WBC世界S・フライ級王者
WBA世界S・フライ級UF王者/UNIFIED CHAMPION
第8代IBO世界バンタム級王者
WBC世界S・フライ級王者/EMERITUS CHAMPION
第10代IBO世界バンタム級王者
ビク・ダルチニアン(豪)
Vic Darchinyan
41戦37勝(27KO)3敗1分
元王者で解説者、帝拳ジム代表浜田氏はダルチニャンを「今まで来日した挑戦者の中で実力、実績とも一番」と評価しています。
海外ではかなり著名な選手です。
ボクシングマニアの間でも世界でも
ダルといえばダルビッシュではなくダルチニアンのことなのです。
2004年に当時30戦無敗の強豪王者イレーネ・パチェコからフライ級王座を奪い無敗のままほぼKOで6度防衛、西岡との対戦が期待される今をときめくノニト・ドネアに衝撃のノックアウト負けを食らって初黒星(ドネアは今や軽量級のトップスターで4階級を制してSバンタム級です。)
その後階級を上げてSフライ級も制圧、さらにバンタムに上げて王者や元王者にも勝っていますがベルトには縁のない状態です。
猛牛のごとく左強打をガンガン振って来る、変則ボクサーファイターです。
軽量級にしてKO率が高く試合が面白いのでかなりの人気選手で日本にやってくることはなきスターな存在でした。
それだけにマニアとしては涎ものの楽しみです。
ただ偏屈マニアな僕としては
山中はスケールがある、まだ伸びる選手、体が大きい、左強打は西岡級
なので山中のKO勝利を期待しています。
ですが今まで戦ったことのないレベルの選手ですし、山中の3倍のキャリア、ダルチニアンのオーラに飲まれてしまったらKO負けの惨敗もあるかもしれません。
ダルチニアンを相手にしてはKO決着しか想定できません。山中が判定で12回で勝つ姿は???
KO負けはプロ42試合でドネア戦だけしかありません。
まぁとにかく超ビッグネームの来日です。
4日に行われるWBAのインドネシア人とは金塊とうんこほどの格の違う選手だということを理解していただきたい。
その相手を選んだ山中もまたWBA王者と比較して上記と同じ本物であることも。
本物王者だからこそ、危険な相手と防衛戦をします。
それが故、王座陥落もあるかもしれませんが、これが本来のボクシング、世界王者の姿勢なのであります。
勝てる相手、訳ありの弱い相手としか戦わず、それが故ずっと王者と名乗っていられる、マスコミもせっせと記事を書く、そんな日本人がいるせいで他に世界王者が8人もいる今の日本ボクシング界も暗い影を背負っています。大問題です。
そういえば佐藤の世界戦、聖地後楽園ホールには歴代世界王者の写真が並べられていますがそこにWBAバンタム級王者の姿はありませんでした。
王者として認められていない証であります。