
すみません、放ってはおけない記事をみかけたので、超要約です。個人的にはエマニュエル・ロドリゲスは好敵手であって欲しい。こういう記事は井上に過信を、ロドリゲスの闘志をかきたてるだけだが、それもプロの宿命。
エマニュエル・ロドリゲスにとってはWBSS準決勝への進出はありがたくない名誉かもしれない。土曜の夜、ロドリゲスはジェイソン・モロニーとの接戦を制してこれを打ち破ったが、準決勝で戦うKOパンチャー、井上尚弥と対決するチケットもまた破り捨ててしまったかもしれない。
WBSSは賞賛を積み重ね、正しい道を示しています。ベストを集めてトーナメントさせる。本当のベストを持ち込んでしまったのです。普通の世界戦では、選手は常にベストと直面するとは限らない。
オリンピック金メダリストのオレクサンドル・ウシクは、自分自身を証明するための近道としてWBSSを選択し飛躍した。
WBSSシーズン2、パウンドフォーパウンドにもリストされる井上尚弥もこのトーナメントを活用しました。日本の星は、ウシクよりもさらにエキサイティングな飛躍をみせるかもしれません。ウシクのスタイルがテクニックで相手をよせつけない(やや退屈な)ものであるのに対し、井上のスタイルはそれほど難解ではありません。”モンスター”井上尚弥は世界戦で1試合を除き全てノックアウト勝利しています。25歳にして世界戦12連勝です。
井上のようなケースは例外です。もちろん、天才的なKO率を誇る、デオンティ・ワイルダーやゲナディ・ゴロフキンなどがいますが、彼らのようなホルモン型のKOパンチャーは時として重大な欠陥も持ち合わせているものです。純粋なKOアーティストといえる、デビッド・レミュー、カーティス・スティーブンス、アーニー・シェイバーズ(古い)、ジュリアン・ジャクソン、フローレンティノ・フェルナンデス(古い)などはAクラスのファイターと対戦した時に脆くも崩されてきた。
井上尚弥
「これまでの戦いに満足しています。実際、試合は早く終わるほどいいです。仕事は早いに越したことはない。ノックアウトを狙っているわけではないけれど、常に心には秘めています。最近のバンタム級での2試合のパフォーマンスは、自分のパワーとシャープネスがこの階級で効果的だと実感しています。」井上は一次元の(シンプルな)パンチャーであり、ゾラニ・テテのようなスリックな相手に対しそれを証明しようとしている。ファン・カルロス・パヤノ戦はさすがに長引くとおもわれたが、わずか70秒で決着した。
井上
「半身のパヤノの内側からジャブをついて、彼が見えない状態にした。(そして決定打を打ち込んだ)それは作戦であり、たくさん練習してきたものなので、伏線がありました。(偶然のパンチではない)」井上の与えた衝撃はNHKのニュースで流れ、視聴率はピークに達した。NHKで流したニュースは卓球、ラグビー、井上尚弥だった。
長年、日本のボクサーは本場アメリカ市場ではスルーされてきた。殿堂入りした日本のボクサーは3人しかいません。最近では注目度も高まってきましたが、手遅れ感が強いです。(日本だけで内藤VS亀田が50%もの視聴率をとった事例などもありますが)内山高志や山中慎介が注目されたのもキャリア終盤でした。
井上尚弥は世界のボクシング界で歴史的スターになる可能性があります。DAZNは日本のボクシングの象徴として村田諒太をキャンペーンに使ったが、村田の敗戦を受けて井上にその役目を変更するかもしれない。
放送局の多様化で必ずしも米国が主役とはいえない時代です。ボクシング界の2大スターは今はカネロとジョシュアです。2人とも米国人ではありません。井上尚弥の分かりやすいインパクトは、既存の価値や偏見を打ち破るかもしれません。井上のパフォーマンスは大衆受けするものです。
かつてエマニュエル・スチュワートは晩年「ノックアウトこそ売れるコンテンツである」と言いました。
井上尚弥は、今、まさに買いです。
パウンドフォーパウンドのナンバーワンはワシル・ロマチェンコでしょうが、それは、アマの偉大な功績や、その前例にない新しいファイトスタイルなどが加点された上でのもの。
テレンス・クロフォード、エロール・スペンスやチャーロ兄弟など、羨ましいほどのスター候補がいても、なぜか人気が上がらない、ビッグマッチはなかなかやってきません。未だにメイウェザーが頂点なのがアメリカなのだろうか?
個人的にはとても楽しいですが、今世界ではボクシングのスターが不在だと言われています。世界中の誰もが、マイク・タイソンのようにわかりやすい、突き抜けた最強を求めているんだなというのがヒシヒシと伝わります。
今まで無視し続けてきた日本の小さな青年が、それほどわかりやすいインパクトを、今世界中に与えているのです。
きっと、そうだろう、P4P一位になるだろう。
それでもやはり、完全に脇役となったロドリゲスやその他メンバーにも奮闘して欲しいと願うし、やってみなけりゃわからないと楽しみにしている。井上がいよいよ経験するAクラスのファイターたちなのだから。(パヤノもそうだったとおもってるけど・・・)