赤穂VSプンルアン再考

赤穂は潔く負けを認めていますが、よもや意見が多かったので
タイでの試合の今後を考えて改めて少し書いときます。
少し気持ちが変わりましたが、完敗というのは変わりません。

そんなに技巧派ではない赤穂にしては初回はいつも通りの赤穂であり、右や左ボディが出てまずまず。
一発目のプンルアンのラビットパンチだけはレフリー注意してますね。
しかし笑みを浮かべるプンルアンに反省の色なし。
わざとじゃない、タイミングだ。

その後、赤穂は突っ込んではクリンチばかりするんでプンルアンはラビットパンチしか当ててません。
これはプンルアンが遅いから余計そういうタイミングになってしまうのだ。
クリンチ中のラビットパンチはさして効かないけどつっこむ赤穂に合わせてるから結構痛そうだ。
その後はプンルアンのラビットパンチより雑にクリンチし腕を回す赤穂にレフリーは注意を与えています。
これも妥当だとおもいます。赤穂のクリンチ、ホールドがプンルアンのラビットを誘発しているのだから。

しかし、以外というか想定しとくべきはプンルアンの狡猾さ。
首をきめるかいな力も、クリンチを強引にほどく術もお手のもの。
ムエタイ50戦のキャリアがあるそうですが、こういうダーティーテクの達人でした。
明らかにキャリアの賜物か、赤穂にはない技術です。

初回を見る限り、プンルアンは赤穂の出入りについていけずスピード負け。
ただくっついてくるのでクリンチ際のゴチャゴチャなら強みを発揮できるとのことで
2ラウンドに入るとプンルアンの方から近づいていきました。

この攻勢に赤穂は慌てたのか、初回のラビットパンチのダメージか、益々クリンチでしのごうとしたのが敗因だったとおもいます。
プンルアンの荒い攻めを相手得意のもみ合いで耐えようとするもんだからいなされ、背後からラビットを食らいバランス崩したところをサンドバッグ。

おもえばこの最後のサンドバッグ状態の右2発以外は全部ラビットパンチでした。

最後の過程に至るまでが全部ラビットパンチなので、WBOに提訴すれば反応はあるかもしれませんが
2回は出だしから乱戦で赤穂の抱きつき、クリンチが目立ち、見栄え悪いのは赤穂の方。
レフリーが割って入ってプンルアンの反則をとるのは流れ的に無理だとおもいました。

ほぼ、後頭部への打撃とレスリングでフィニッシュされてしまったわけですが
タイが鬼門というのはタイ人がホームで思う存分ムエタイで培ったダーティーテクニックを駆使するからであり
観客の声援も見方につけやりたい放題だからだ。

アウェイではやけにおとなしく、ボディ悶絶で負けることの多いタイ人がホームで強いのはボクシング+ケンカで勝てばなにしてもいいと開き直れるからだろう。
タイで勝てないのには理由があるからであり、ムエタイ選手が多いのだからそういうところまで対策しておくべきだった。
初回を終え、セコンドは何と指示したのだろう?ラビットパンチは反則とってくれないからクリンチに行くな、もっと距離をとろうとか言うべきだった。

また、プンルアンもラビット&振り落としは最初から狙っていたわけではなく、相手次第だったはず。
あまりに赤穂が突っ込んでくるからとっさに出たナチュラルな動きだろう。

佐藤がシーサケットに負けた試合も想像以上にシーサケットが強引な前進を仕掛け、押しつぶされたこと。
スタイルは違えど先日のアムナットのダーティーぶりをみればホームでタイ人が何をしてくるか予想はできたはずだ。

赤穂にとり、プンルアンはかみ合う相手だったはずだ。小柄でアウトボクシングが上手いわけじゃない。
しかし安易に再戦しても赤穂自身が突っ込んでクリンチするクセを直さぬかぎりまた同じパンチを食うだろう。
こんな反則があったのかはわからないが、プンルアンはフィリピンの俊才AJバナルに勝っている。
その試合もきっとセンスで敵わない分をアグレッシブとダーティーを駆使して俊才の心を折るようなファイトをしたのではないか?

負けは覆らない事実だが、ホームで強いタイ人の秘密がようやく誰の目にもはっきりしたと言えるのではないか?
タイ人に勝つにはレフリーやジャッジだけが敵じゃなくて、ムエタイ技術を駆使した何でもありの凶暴な相手が待っている。
それに勝つには乱暴な相手をねじ伏せる精神力や反則に対処する準備、圧倒的な技量差で何があっても勝てる真の実力が必要だ。

西岡や山中だったらそんなの気にしないで涼しく左をぶちかましそうじゃないか?
アウェイを楽しむくらいの準備と自信が必要だ。

岩佐と赤穂の対戦相手が逆だったらどうだっただろう?
うーん、結果は同じかも・・・

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コメント一覧
  1. 仰る通りですね
    それにしても陣営は講義すらしないのですかね?
    フィニッシュは回されてズドンですしまあこれ自体タイ以外でも良くあるハメドとかも使ってた裏技なのでノーコンテストはまずないと思いますが相手がラフなのはラフだったのだから講義くらいしてもいいのではと思います。

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  2. Kさん

    小柄で打ち合うし亀3に負けて底が知れた相手
    赤穂にとり組みやすい相手だったとおもいます。

    実際、プンルアンのラフファイトは反則ものでしたが
    赤穂の戦い方次第で反則は防げる部分もあったし
    相手に好き放題にやられ、ボロボロ、いいところなかったとおもいます。

    まだあきらめないなら、ちゃんと強い世界ランカーに勝って
    皆を納得させてからにして欲しいですね。

    プロスパー・アングラーに勝っただけでは信用できません。
    ただの経験不足、実力不足でした。

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  3. 赤穂がプンルアンに相性が悪かったとは思えないです。プンルアンは典型的なスウォーマーでスラッガーの赤穂は相性はよかったはずです。前進する相手に中間距離で強打を振るうならばあたるのはスラッガー。これで負けた赤穂ははっきり言ってダメ。
    ジャブが出てないのもそうですがこういうピーカブーガードで上体を倒す相手にはアッパーも必要なのですが有効に使えていない。スピードでは勝っていたけれど相手の防御崩すには至っていない。ボディは伏線がないのであたっても倒せない。(特に高度な戦略ではないが上に集めて下ズドンで倒した亀3のような打ち分けがあれば攻略できたでしょう)
    赤穂が強くなるかどうかですが
    今のままでは難しい
    というのも佐藤の時もどんくさくて甘ったれたボクシングで完敗していてその反省もまるでこの試合では見えなかったからです。ジムを変え環境を変えデモしない限り世界王者になるのは無理でしょうね。金子も含め

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  4. Kさん

    タイ人らしく基本はしっかりしてるけどファイターでガンガン前に出るタイプですね。
    何度も王座を獲得しちゃってますが、本格的なアウトボクサー、一流のテクニシャンには負けるタイプだとおもいます。
    佐藤は完敗しましたが、クアドロスなら、負傷判定で怪しかったけどシーサケットをさばけるというような。
    ねらい目な王者であるとはおもいます。

    F5(フゴー)さん

    タイでは倒さなければ勝てないといいますが、相手得意の接近戦でゴチャゴチャやっちゃうと反則打が出るので難しいですね。
    レフリーも何もしてくれません。

    赤穂はもともとああいうスタイルだとおもうので、見た目と違って相性悪かったのかもしれません。
    クリンチやバッティングが起きやすそうですもん。ジャブがないし。

    八さん

    三浦は進化しましたね。今はボディパンチャーですが
    横浜光時代は手数の少ないアウトボクサーでした。
    新井田も天才肌なのでもっと強くなるとおもってましたが。
    いい選手がそろってるのでこれから育成もよくなって欲しいです。

    いいところを伸ばす方針なのかな?
    帝拳だと勝つための新たな技術を取り入れるように進化したとおもいます。
    下田や粟生のように結果に出にくい例もありますが、粟生も変わってきましたし。
    木村もパワーレスながら勝てるようになってきましたしね。

    ブリブリボクシングファンさん

    そうだったんですか?
    ウィラポンはレジェンド級王者ですが、当時長谷川とはスピード差があり
    ただのスピードだけでなく力強く打ちあえる体力もあったのであれはまさに新旧交代劇だとおもいました。

    センスがあっても体全体がパワーレスだとなかなか壁を越えられないんですが
    一流王者になる人はそこを超えていきますね。

    赤穂も完敗でしたがこの試合で学び強くなるんじゃないですかね。
    レフリーにアピールするんじゃなく自分で打開しないといけないと。

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  5. 長谷川もウィラポンの反則技術に辟易を通り越して感心してましたね、、

    いっそタイ人の国際式は同じボクシングとは思わずに準備した方が良いかもしれませんね。

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  6. 赤穂はアップはちゃんとしていたんでしょうか。
    最初からいけるように温めていたんでしょうか。
    プンルアンは気合十分で仕上がりも最高だったと思います。
    実力の差以上のものが出てしまったと思いますね。
    赤穂はガチガチだったし、打とうにも体がしっかり反応してくれてなかったように思います。

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  7. ボンバーの三浦もボクマガか何かで語ってましたね。帝拳に移籍してから伸びたと。
    強い練習パートナーの質で言えばそりゃ国内では帝拳に敵うところはそうないでしょうが、
    トレーナーの質、トレーニング質の違いも口にしていたような…。
    まあ間接的に横浜光をdisっているわけなんですが、ボクサー本人は悪気はないわけですよね。
    彼は間違いなく強くなれたわけですし。

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  8. 赤穂ならタイでもKOガチしてしまえる、と思っていたら呆気無くKO負けにはびっくりしました。ラビットパンチがやたら多いのはWBOに現状しても良いとは思いますが、さしたる成果は上げられないと考えます。
    とにかく酷い負け方でしたが、改めて試合を見直してみると赤穂はジャブを殆ど、あるいは全く打っていなかったのが印象に残りました。いつもの赤穂ならスピードと強打を活かしてどんどん打ち込んでなぎ倒す戦い方でしたが、プンルアンのブロックに阻まれ、ボディはローブローとして注意され、2ラウンドに入って前進してくるプンルアンに困惑しながらクリンチに行って振りほどかれて強打をもらっていました。こうして見るとスピードとパワーで押し込めている時は赤穂は滅茶苦茶強く映るのですが、間合いを制されると途端に何をして良いか解らず闇雲にクリンチに行ってしまい、墓穴を掘った試合になってしまいました。
    素質は間違いなく良い物がある赤穂ですけど、それを活かす為の技術や戦い方があまりにもお粗末だったのが今回の試合で浮き彫りになったと考えます。やっぱり必要なのはジャブでしょう。そして間合いを調整する為の左右や前後の動き方の工夫……基本中の基本だな。横浜光ジムの指導ってどうなっているんでしょうかね?

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  9. フットワークに乏しい相手ならガッツリかみ合って手も出るのですが・・・
    それでもアンブンダにボディを叩かれて下がらされていたのでボディも弱い穴王者だと思います
    プンルアンは笑顔でしれっと反則するタイプですね
    亀田と戦った時も5Rくらいから劣勢になってましたけど故意とも取れるローをしれっと打ったり(にやけづらで謝罪するんですけど反省は絶対にしてない)肘を狙ってるかのような動きはありました(不発でしたが)フックの打ち方が後半からちとかわって肘が当たるような角度になってたり防御時も肘を立てて相手の身体のどこかに当たるようにしているディフェンスが目立つようになったんですよね(亀田後半から頭を下げて突っ込んでくるようになったのでそこに肘を立ててぶつかるようにしたり)
    最初は偶然かなと思ってたんですけどこういう選手だったのであれは間違いなく故意だったと思います
    まあ亀田もそのお返しか知らないけど後半で頭突きで流血させてたんでこれはお互い様でしょうが
    まあ肘を使ったディフェンスが上手いですねと好意的にとることもできますけど
    硬い部分なんでやられると痛いし狡猾だなと
    坊やみたいな顔してやることはえぐいです
    でもムエタイ戦士はもっとえぐいのいっぱいいますからね

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  10. Kさん

    そうだったんですか。
    一流王者とはおもいませんがプンルアン可愛い顔してダーティーだし赤穂より全然喧嘩屋でしたね。

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  11. プンルアン戦でダーティだったのはバナルのほうでしたね
    ローブローを打ちまくっていました(その割に減点1しかとられてない)
    https://www.youtube.com/watch?v=4RZx-7qMaFY

    バナルはホームということもあり低いパンチも含めよく当てたのですがやはり一発があったのはプンルアン。中盤以降のバナルはかなりダメージが深く距離を潰されて結局根負け
    精神面の脆さが出た試合でした

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