世界たるもの/ジャロン "ブーツ "エニス

世界王者よりも強いファイターは存在する。という持論はこの男に当てはまるだろうか。

https://www.youtube.com/watch?v=JyIbJj4llLQ

リング上でジャロン "ブーツ "エニスを見た人なら誰もが彼は何か特別であることを知っている。彼の天井がどれだけ高いか、決して凡庸なファイターではないこと、そして彼は長い間、エリートの廊下の外に出て、トップランカーたちとのボールルームにいるのがふさわしいとのだろうかという普遍的な議論があるはずだ。

ブーツは土曜日の夜にそのドアを蹴った。

彼は週の初めに予測した通り、決して虚勢ではなく、フアン・カルロス・アブレウをストップした。

ボクサーの大半は「チャンスがあればノックアウトする」か「絶対にノックアウトする」と言う。しかし、エニスのパフォーマンスは、どのように、いつ、ストップするかをコントロールするレベルがあったように異なる次元に感じた。一般的にこのレベルの戦いでは不可能な事だ。

エニスはアブレウを倒すことが期待されていたが、アブレウは決して楽な相手ではなかった。2年前、彼はエギディウス・カバラウスカスと接戦を演じ、WBAウェルター級タイトルを保持していたアレクサンダー・ベスプーチンとの試合でも判定まで粘った。彼ら自身、かなりのエリートファイターであることを証明しており、アブレウは、そんな彼らに問題を与えた。その他のハイレベルな相手にも接戦を繰り広げ、勝敗以上に肉薄し、決して倒されることはなかった。しかし、アブレウの厄介な粘りは土曜日に存在していなかった。エニスは、試合を終わらせることを決め、簡単にそれを実行した。

最初の4ラウンド、エニスはリング上を滑るように動き回り、相手より上のレベルにいるのに「何かを試したい」と思っているように見えた。エニスは何度もシューズを持ち上げてグローブで靴の底をブラッシングしながら、左のジャブを打ち込んでいた。オーソドックスファイターでありながら、リング上では完全にスイッチヒッターであることを示した(8歳の時に父親が右利きに転向させた)

5ラウンド、エニスがきれいなカウンターアッパーを放って、アブレウを床に叩きつけた。アブレウはなんとかラウンドを終えたが、ノックダウンを受けた後の苛立ち、DQ(反則)を望んでいた理由が何であれ、ゴング後に口論を扇動することにした。エニスがコーナーに戻ると、レフェリー、コーナマン、コミッションメンバーによって彼はコーナーに追いやられた。

しかし終わりはすぐに来た。

6ラウンドのゴングが鳴ると、エニスは最もハードなパンチを投げ始めた。 15秒以内にアブレウは再び仰向けになり試合は終わった。

エニスは6ラウンドでクリーンヒットを受けたのは3、4回だけだったと回想している。

エニス
「アブレウはストップされたくなかったんだと思う。失格負けか何かを狙っていたんじゃないかな。前にみんなに言ったように、ストップできることは分かっていた。楽しんだよ。そんな風にボクシングを楽しんでいると、あんな風に誰かに勝つのは難しい。」

エニスは、今でもこの階級の誰にとっても脅威的な存在のようにみえる。識者の間では、例えばテレンス・クロフォードと戦うことがエニスにとって賢明な行動かどうかについては意見が分かれるだろうが、エニスと階級トップとの間に多少の差があったとしても、それほど大きな差ではないだろうということがますます明らかになってきている。そして、エニスに証明の場があるとすれば、より多くのチャンスだけだといえる。

エニスにとって残念なことに、プロモーション的にも政治的にも難しい立場に置かれているため、タイトルショットまでの道のりが長くなり、まだまだ多くのトップランカーと戦わざるをえないのかもしれない。

エニスはPBCに所属していないので、エロール・スペンス、キース・サーマン、ダニー・ガルシア、ショーン・ポーターなどが何年にもわたって推し進めてきたウェルター級の内部対決に加えてもらえない。

そのせいか、エニスは、これほどのステータスを持つファイターでありながら、ここまで注目されてこなかった。今回のアブレウ戦は、3試合のテレビ放送のオープニングだった。リングの外でも際立つ性格と饒舌さにもかかわらず、エニスはカリフォルニアやネバダのトレンディなジムでトレーニングをしていない。フィラデルフィアの倉庫を改造した父親のジムで、タイヤを回したり、レンガの壁のロープを登ったりしている。

エニスのせいではないし 変えるべきことでもない。うまくいけば、才能は常に勝てるはずだし、誰もが知っているように、エニスは誰よりも多くの才能を持っている。今はもっと多くの人に彼を見てもらう必要がある。

エニス
「チャンスが来ないならば、逃げられないところまで勝ち続けて追いつめるだけさ、俺は王者にとって最後の選択肢なんだ。」

ボクシングの中心、華のウェルター級には、アメリカの誇りというべき、テレンス・クロフォードとエロール・スペンスJrが君臨しているが、トップランクの黄金の成る木とPBCのウェルター級メンバーの代表として大事に育成されている。なかなか頂上決戦は実現しない。両者ともに立派な王者だし、P4Pのトップレベルにいるとおもう。

しかしその外に、必ずやそれを凌駕する猛者がいるとおもってしまうのが、ウェルター級なのだ。

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そのごく一部だけをかつて取り上げたが

アレクサンダー・ベスプーチン
ラジャブ・ブタエフ

そしてこのジャロン・エニスは静かに追い続けていきたいとおもう。

バージル・オルティスにはもうすぐチャンスがやってくるだろう。勝負の相手となるのか、棚ぼたボーナスとなるのか知らないが。

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