これが決まればかなり厄介ですが、世界のP4Pに名を連ねるボクサーたるものこの程度で怯んではいられない。ゾラニ・テテはいつもこういう状況で戦ってきたのだし、第一回優勝のオレクサンドル・ウシクだって、故郷凱旋の試合はない。先日もベリューのホームでノックアウト勝利だ。ずっとホームばかりだった多くの日本人世界王者を代表して、これまた井上が前例なき先駆者となるのだろうか。
井上尚弥はエマニュエル・ロドリゲスVSジェイソン・モロニーの視察のために米国に行った。その時、対戦相手のホームで試合をしても構わないと発言した。
この試合は現在、ロドリゲスのホーム、プエルトリコで開催される方向で交渉されている。
ファン・オレンゴ(ロドリゲスのプロモーター)
「この試合がプエルトリコで行われる可能性は非常に高い。プエルトリコのスポーツレクリエーション部の観光会社に、このイベントを推薦するための提案をしました。」井上は、初戦でドミニカのファン・カルロス・パヤノを地元横浜でわずか70秒でノックアウトした後、準決勝は、海外で戦う意欲を示していました。
井上尚弥はキャリアのほとんどを母国、日本で構築してきた。海外での試合はわずか一度だけ。HBOの現在は廃止されたSuperFlyシリーズで、米国、カリフォルニア州カーソンでアントニオ・ニエベスを6ラウンドTKOした。
井上は3年間で7度スーパーフライ級を防衛しバンタム級に階級を上げた。そして2分弱でジェイミー・マクドネルを倒し3階級制覇を達成した。
井上がロドリゲスに勝ったとしても、決勝戦が必ずしも日本で行われる保証はありません。井上はプロとしてまだ成し遂げていない2つの事を成し遂げようとしている。
タイトルの統一と無敗のファイターを破ることだ。
一方のロドリゲスにとって、母国で試合ができることはこの上ない喜びです。バガバジャ出身の26歳のロドリゲスはキャリアの大半をプエルトリコで構築してきたが、初めての世界戦のために道を踏み出す必要がありました。今年5月にポール・バトラーとのIBF王座決定戦で英国に暴風を巻き起こしました。
WBSSの一回戦はロドリゲスにとっては故郷への凱旋とはいえないが、開催地のフロリダ州オーランドというのは、ニューヨーク市に次いでプエルトリコ人が多い街でした。彼にとっては限りなくホームに近い場所といえました。
来るべき試合がどこで開催されるかに関わらず、ロドリゲスはキューバでトレーニングキャンプを行う。地元でトレーニングする慣れや甘えを避けるためだ。それでも試合がロドリゲスのホームで開催されることは喜ばしいことといえます。
ファン・オレンゴ
「プエルトリコで大きなイベントをやりたいんだ。2人の世界王者と共に歴史を作りたい。マニー(ロドリゲス)はアジア最強のファイターと戦う。」この試合の勝者は2冠統一王者になると共に、ファイナルに駒を進める。
海外は覚悟というかむしろ期待してましたが、まさかプエルトリコになろうとは。しかしこのニュースはプロモーターが働きかけているだけでまだ不透明だ。集客、放映など様々な条件をクリアしないと難しい。
もう一つの準決勝、ゾラニ・テテVSノニト・ドネアもドネアの故郷、フィリピンのマニラが候補だという。ドネアは米国移民なのでフィリピンに根付くファンはさほどではないと聞いたこともあるが、マニラの夜を熱狂させる事は最近の事例で既に証明している。
プエルトリコといえば、かつてガッツ石松が、エステバン・デ・ヘススの挑戦を受けに訪れたのが、もう40年以上も前の事。財政難なプエルトリコに経済発展著しい日本の王者がわざわざ訪れた背景には、デヘススに対する期待と、かなり無理をしてガッツに高額な報酬を約束したからだという。ガッツはこの試合で王座を陥落したが、あのエステバン・デ・ヘススなのだ。それ以来だろうか。
日本の民放で観戦するのがかなり難しくなる、絶望的かもしれない。
ロドリゲスに対する期待値が大きい、あるいはこのくらいのモチベーションが必要
さらにいえば、井上が、それほど恐るべき強敵で、国民にこの試合の意義を知らしめる意味がある
からこそ、奔走しているのだろう。
最強の中の最強を争うWBSS
完全アウェー
若き無敗の対抗王者
今まで日本人が果たしていない宿題を井上一人に全部押し付ける形になるが、それでも、それを託すだけの、日本史上最強のファイター、井上尚弥だけは期待したい。信じれる。